この記事を書いた「留学パパ」はこんな人
高校生で海外の学校へ行くなんて、本当に未知の世界へのチャレンジなので、不安もいっぱいですよね。
英語のこと、学校の勉強のこと、友達づくりやホストファミリーとの生活のこと・・・。
そして、親であれば、一番気になるのはやっぱり「治安や安全面」のことです。
海外のニュースを見ていると、発砲事件やテロを含めた暴力・暴動・殺人事件など、暗い話題ばかりが取り上げられていて、そんなところへ可愛い我が子を送り出すことに、躊躇してしまう人も多いんじゃないかと思います。
留学パパのところにも、「未成年の子供が親元を離れて海外で一人で生活していくのって、危険じゃないですか?学校内でドラッグをする生徒って多いんですか?現地の治安って大丈夫なんですか?」という相談をたくさんいただきます。
結論を先に言うと、「日本に比べれば、どの国も危険やトラブルに遭遇するリスクは高い」です。
別に怖がらせたいわけでも、ネガティブに考えてもらおうとか、そういう意味でお伝えするわけではありませんよ(汗)。
あえて言うなら、日本はそれくらい安全で素晴らしい国だということです。
じゃあ、そんなリスクを背負ってまで、海外へ飛び出す意味があるのか?という話になりますよね?
でも、そもそも「危険とかリスク」って、何なのでしょうか?
案外、言葉が先走りしてしまって、「リスク」の意味だとか、正確な情報が分からないまま、不必要な恐怖心だけを持っているという人が多いんじゃないかなぁと思います。
個人的な話ですが、僕は高校1年生の時に、初めてアメリカに1ヶ月間のホームステイをしたんですね。
渡航前の母の一言が今でも忘れられないんですが、「気をつけないと銃で打たれて死ぬよ」って脅すんです(笑)。
母は冗談で言ったのではなくて、ちょうどその頃、アメリカにいた日本人留学生が誤って銃で打たれて死亡したという事件があったんですね。
その留学生は、ハロウィンパーティーへ行くために仮装をしていたんですが、たまたま訪問先を間違えて他人の敷地に入ってしまいました。
住人から「Freeze! (止まれ!)」と言われたんですが、英語が分からなくて、結局撃たれてしまったという悲劇的な事故だったんですね。
あまりにも衝撃的なニュースだったので、日本中で話題になったわけです。
(覚えている人もいるのではないでしょうか?)
それで、僕の母も本気で心配していたんだと思います。
当時はインターネットもない時代ですから、母のように感じている日本人は多かったと思います。
しかし、30年経った今でも、「海外=危険」と考えている人は少なくないんですね。
「海外が危険」という認識は、必ずしも間違っているわけではありませんが、必要以上に怖がるのもどうかなぁという気もしています。
そこで今回は、僕自身のアメリカ大学留学経験と、実際に娘をカナダに高校留学させている親の立場から、「高校留学は本当に危険なのか?治安やドラッグなどのリスクをどう考えて行動するのが良いか?」というテーマでお話します。
高校留学にはどんな危険があるのか?
どうすればそのリスクを少なくすることができるのか?など、
どの国へ留学したとしても、必ず知っておかなくてはいけないことや守るべきことなどを具体的にお伝えしていきますね。
大人であっても様々なリスクを覚悟しておかなければいけないのが海外生活です。
「未成年」で高校留学をするわけですから、大人とは違った意味でリスク管理が必要なのは言うまでもありませんよ。
では、「大人ではなく、未成年であることのリスク」は何なのか?について、具体的に考えてみましょう。
「若い」ということは、それだけ好奇心が旺盛で、色んなものに興味を持ちます。
そして、行動力もありますよね!これが未成年での高校留学の最も大きなメリットにもなるわけです。
つまり、吸収力が大人の比ではないということです。
しかし、逆に理性よりも感情が優先されるので、「深く考えない」という特徴があるのも、この時期の子供たちです。
日本であれば許されるような行動が、海外へ行くと生命の危険につながる可能性だってあります。
例えば、「行きたいところへ行く」という、日本では当たり前のような行動でも、海外では注意が必要です。
いつも暮らしている街であっても、「行ってはいけないところがある」という認識が不足すると、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
好奇心の赴くままというわけにはいかないんですよね・・・。
常に冷静さを保っていれば、そこまで心配しなくても安心なんですが、目先の興味に心を持っていかれることがあるのが未成年の弱点の1つです。
未成年の子供たちは、良い意味で「純粋」ですよね。
何でも素直に受け止められる、柔らかい心を持っているのが、未成年の素晴らしい感性です。
ただ、その純粋さを利用しようとする人がいるのも、残念ながら社会の現実です。
日本にいて、親がそばにいれば、大きな問題になる前に未然に防ぐことができるようなことでも、海外ではそう簡単ではありません。
経験が少ないため、「判断力が不足しがち」な子供たちです。
英語力が乏しいこともあって、簡単に人を信用してしまい、詐欺や窃盗といった軽犯罪に巻き込まれるリスクは大人より高くなります。
また、体力的にも未成熟なので、油断をしていると、暴力被害にあう可能性も出てきます。
「とにかく狙われやすい」という要素がたくさんあるのが、未成年の子供たちです。
高校留学の目的や目標の1つに「友達づくり」を挙げている人は多いですよね。
見知らぬ土地で、誰も友達のいないところからのスタートですから、一人でも多くの友達を作りたいと願っているはずです。
それ自体はポジティブで良いことなんですが、その反面、日本人留学生の場合、「都合の良い人」になりやすいんですね。
どういうことかというと、もともと「Yes/No」をはっきりと言わない日本人独特の価値観があるので、せっかくできた友達から何か誘われると、簡単には断れない人が多いんです。
それが「週末のお誘い」という程度の日常的なことなら良いんですが、「行ってはいけない場所」や「やってはいけな行為(お酒・タバコ・ドラッグ等)」に誘われた場合は、きっぱりと断らなければ大問題になります。
特に、留学生活には「親の目」がありません。
気心の知れた友達からの誘いに、歯止めをかけられるのは「自分自身だけ」なんですね。
以上、3つのリスクは、「未成年だからこそ陥りやすいリスク」です。
「子供の自覚を促す」というのは、言葉で言うのは簡単ですが、我が子の性格をよ〜く知っている親の立場では、拭いきれな不安ってあると思います。
もともと日本よりも治安が悪いとされている海外での生活ですから、高校留学を応援したくても素直にできないと、二の足を踏んでいる人もいるでしょう。
では、次に「実際の治安について、どう理解すべきか?」という視点で、高校留学のリスクについてお話したいと思います。
「日本と同じように安心・安全で生活できるなら、高校留学を気持ち良く応援できるんだけど・・・」
という声も聞こえてきますね。
親にとっては、子供の安全は第一ですし、それがなければ高校留学なんてさせたいと思う人はいないはずです。
ただ、残念ながら、最初にお伝えした通り、「日本よりも安心・安全な国」は、世界中を見渡しても数えられるくらいしかないんですね。
じゃあ、治安のリスクが高いからという理由で、高校留学は諦めさせた方が良いのでしょうか?
ここから僕がお伝えするのは、「海外生活は安全ですから、安心してください」という話ではありません。
でも、「どのくらいのリスクなら、子供の背中を後押しできるのか?」という話をお伝えしたいと思っています。
その「リスクを測るものさし」を持っているかどうか?って、とっても重要なんです!
ニュースで流れて来た事件・事故だけを信じて、むやみに不安になったり、心配するのではなくて、「海外生活するのであれば、どれくらいの確率でトラブルに巻き込まれる可能性があるのか?」を冷静に理解してみる必要があると思います。
決して、主観的(感情的)な部分だけに流されないようにしたいところですよね。
正直、あまり考えたくない話ですが、命の危険もゼロではない以上、海外ではどれくらいの確率で人が犯罪によって命を落としているのか?について、調べてみました。
以下にご紹介するのは、国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime: UNODC) が毎年発表している統計数値です。
欧米英語圏の国々で、1年間で犯罪で命を落とした人数を、「人口10万人あたり、何人亡くなっているのか?」で表したものです。(※今回は2018年の数値を参照しました。)
🇺🇸アメリカ | 5人 |
🇨🇦カナダ | 1.8人 |
🇬🇧イギリス | 1.2人 |
🇦🇺オーストラリア | 0.9人 |
🇳🇿ニュージーランド | 0.7人 |
🇯🇵日本 | 0.3人 |
日本はさすがの数値ですね!
人口10万人あたり0.3人という数は、主要先進国の中ではダントツの治安の良さと言えますね。
対して、アメリカは5人ですから、日本の約17倍です。
比較的少ないニュージーランドでも、0.7人で日本の約2倍ですね。
と、こうやって「日本の何倍」と聞くと、「やっぱり海外は怖い・・・」と感じてしまいますよね?
でも、ちょっと待ってください。
確かに、日本の治安や安全性と比べたら、どの国も危険なことは間違いないんですが、それって本当はどれくらいのリスクがある数字なのか?も、肌感覚でつかんでおく必要があります。
例えば、わかりやすく比較するために、交通事故で亡くなる人の数を見てみましょう。
2017年度の世界の交通事故死亡率をまとめた表です。
(※参照元:OECD International Transport Forum)
🇺🇸アメリカ | 13.2人 |
🇳🇿ニュージーランド | 9.1人 |
🇦🇺オーストラリア | 5.7人 |
🇨🇦カナダ | 5.2人 |
🇯🇵日本 | 2.9人 |
🇬🇧イギリス | 2.8人 |
人口10万人あたり何人が交通事故で亡くなっているか?という数値ですが、アメリカはさすがに事故が多いですよね。
しかし、日本も人口10万人あたり2.9人ですから、さっきの犯罪被害者の数と比べると随分悪くなっていますね。
アメリカの犯罪犠牲者が10万人中5人でしたから、そこまでではないにせよ、アメリカ以外の国の犯罪被害者の数よりも、日本で交通事故で亡くなる人の数の方が圧倒的に多いです。
犯罪と交通事故って、内容は全く違いますが、実際に自分の子供がそうしたトラブルに巻き込まれる可能性を考える上では、肌感覚を理解しやすいデータ比較ですよね。
日本でも交通事故のニュースは、毎日のようにテレビやネットニュースで流れますが、「実際に自分の身近な人が毎年交通事故で亡くなっている」なんてという人はほぼいないはずです。
なぜなら、日本では、交通事故で亡くなる人は、年間4,000人に満たない数値で推移しているからです。
もっと身近に感じてもらうために、交通事故による負傷者の数も調べました。
これは日本だけの数字ですが、2017年に交通事故で負傷した人の数は、人口10万人あたり457人もいるんです!
※参照元:内閣府発表 平成29年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
僕が何が言いたいか、徐々に見えて来たのではないでしょうか?
治安の悪いイメージのあるアメリカで、犯罪で亡くなる人の数が10万人中5人です。一方、日本で交通事故で負傷する人が10万人中457人ということは、肌感覚の比較で言えば、犯罪に巻き込まれて命を落とす人は、相当少ないと言えます。
しかも、犯罪の多くは都市部の夜の繁華街や、一部の危険エリアに集中しています。
そうなると、普通に留学生活を送っている人が、「命の危険を感じるような経験をすることは、ほぼない」と思っても間違いではないと思います。
実際に、アメリカで4年間、治安のあまり良いとは言えないカリフォルニアの州都サクラメントで大学生活をした僕の経験からもハッキリと言えることなんですね。
(前述の「自覚ある行動」は大前提ですが・・・)
ここまでの話で、なんとなく肌感覚として、「命の危険を感じるようなことはほぼない」ということ分かってもらえたかと思います。
しかし、治安というのは、何も殺人事件に限った話ではありませんよね。
実は、留学生が最も気をつけなければいけないのは、「身の回りのものを盗まれないようにすること」です。
脅かすわけではありませんが、長期留学をする多くの人が一度くらいは経験するのが、「物がなくなる」というトラブルです。
自分で失くすのは論外としても、「置いておいたものが盗まれた」というような窃盗事件はよくあります。
僕自身もアメリカ留学中、車に乗っていたんですが、公園に駐車していた時に、車に戻ってくると鍵がこじあけられて、カーステレオが盗まれていたという経験をしたことがあります。(面倒だったので、その時は警察には届けませんでした・・・汗)
日本であればあり得ないような、「ちょっと目を離した隙に」という事例はいくらでもあります。
それを証明するかのように、統計数値も出ていますね。
(※参照元:UNODC 国連薬物犯罪事務所)
🇳🇿ニュージーランド | 2,947人 |
🇬🇧イギリス | 2,513人 |
🇦🇺オーストラリア | 2,445人 |
🇺🇸アメリカ | 1,747人 |
🇨🇦カナダ | 1,408人 |
🇯🇵日本 | 293人 |
人口10万人あたりの窃盗事件の件数は、アメリカやよりも、イギリスやオーストラリア、そしてニュージーランドの方が圧倒的に多いんですね!
「直接的に人を傷つけるようなことはしないけれど、お金に困れば、比較的捕まっても罪の軽い軽犯罪はする」ということでしょうか・・・。
やっかいなのは、「子供も大人も関係なく、する人はする」ということです。
学校内で誰かに殺されるようなことはなくても、ロッカーを荒らされたり、自転車を盗まれるというようなリスクは大なり小なりあるんですよね。
いずれの国も、報告されている数字だけで日本の5倍から10倍近い件数が報告されていますから、実際にはもっとあるはずです。十分な注意が必要ですよね。
アメリカを例にした、実際の犯罪・トラブルについての見方・考え方について語った動画です。ぜひ、参考にしてくださいね。
僕も皆さんと同じで、娘の高校留学を応援している親の立場なので、誰よりも娘の安全を願っています。
前述の通り、考え方を変えれば、不必要に恐る必要はないと思っていますが、それでも「全く不安がないか?」と聞かれたら、多少なりとも心配はあります。
だから、少しでもリスクを減らすために、トラブルに巻き込まれないようにするために「守るべきこと」をエリンに伝えています。
その中で5つをご紹介したいと思います。
これはどの国へ留学したとしても同じなので、ぜひ参考にしてもらいたいと思います。
留学生活で最も大切で、忘れてはならないことは、「自分は何も知らない」という自覚です。
渡航して数ヶ月も経つと、生活のリズムや環境にも慣れてきて、活動的になります。
見る物がすべて珍しかった留学当初とは違って、「慣れ」による安心感や心の緩みが出てきますね。
そんな時に、好奇心に任せて行動すると、思いも寄らないトラブルに巻き込まれることがあります。
それを未然に防ぐためにも、留学生活が始まったら、できるだけ早いタイミングで、「治安の悪い場所」や「避けた方が良い場所」について、ホストファミリーや学校の先生から情報を聞き出しておくことを強くお勧めします。
まずは、自分が住んでいるエリアを中心にヒアリングしましょう!
そして、次に、慣れてきた頃に学生がよく遊びに行くスポットで、注意しなければいけない場所や行動について聞きます。
一気にたくさんの情報を聞いても理解できないと思うので、身近なところから順に情報収集するのが良いですね!
必ずメモを取ることと、地図で場所を確認することを忘れないようにしたいですね。
土地勘がない状態なので、Googleマップやネット情報も上手く活用しましょう。
日本にいれば、塾で遅くなったり、暗くなって帰宅することがあったと思います。
しかし、留学生活では、暗くなってからの帰宅は厳禁です!歩いて数分くらいの場所であっても、絶対に夜間外出はしてはいけません。
どうしても、夜遅くなるような場合は、ホストファミリーや友達の親など、大人が送り迎えをするということだけは守って欲しいと思います。
エリンもたまに遅く帰宅することがあるようですが、必ず友達の親が車で送ってくれています。
また、昼間なら安心だろうと思うかも知れませんが、繁華街(ダウンタウン)へ出かける場合は、一人歩きはしないということを守ってもらいたいですね。
さっきもお話した通り、「未成年は狙われやすい」んです。
「自分は大丈夫」と思いたい気持ちはよく分かりますが、他人から見た時に、日本の中高生は「全くの子供」です。
簡単に言えば「隙だらけ」なんですよね・・・。
「隙だらけ」な中高生の留学生が、ブランド品を身につけている。
悪意のある人から見て、これ以上狙いやすいターゲットはないと思います。
ブランド品は一切身につけない。これは本当に大切なことですね。
まあ、日本とは違って、ブランド品で身を包んで格好つけたとしても、誰も評価してくれないのが海外ですから、もしブランド品を持っていたとしても、日本に置いて渡航するのが一番です。
「見た目」に気を遣いたい思春期ですから、ちょっとしたオシャレをするのは良いことです。
メイクをしたり、髪の毛を染めたりなど、日本では校則で禁止されているようなことが、自由にできるのが留学生活です。
でも、ブランド品で自分を飾るのと、個性を発揮するのは全くの別物です。
オシャレのつもりが、逆に犯罪に巻き込まれる原因になるのだとしたら、本末転倒ですよね・・・。
一番のおすすめは、現地の学生が普段どんな服装や装飾品を使っているのか?をよく見て、同じレベルに合わせておくのが無難だと思います。
(個性はその範囲内で発揮するイメージで!)
ちなみに、エリンは日本を出る時、衣類については最低限のもの以外は持っていきませんでしたね。
(現地調達で十分間に合うんですね。)
海外は日本のルールと異なります。
日本では違法なことが、海外では合法だったり、その反対もあります。
特に、飲酒・喫煙の年齢は、日本と海外ではかなり違っていますし、大麻 (マリファナ)が合法という国や地域もあります。
しかし・・・
現地の法律ではOKであっても、留学生は禁止されていることもあります。
ルールを守るなんて、当たり前のことのように思えるかも知れませんが、さっきもお伝えしたように、親元を離れている環境の中で、「友達の誘い」に負けてしまう留学生は少なからずいるんです。
声を大にして言いますが、ルールは絶対に守らないといけません!
違反した場合は、強制帰国になります。
そして、一度でも強制帰国になると、二度とその国には入れなくなる可能性があります。(ビザが発行されなくなる)
学生ビザで渡航している皆さんは、将来のイメージはしにくいかも知れませんが、
もし大人になって、その国に旅行したいとか、仕事の関係で出張しなければいけないことがあった時に、入国できないという問題が発生します。
ドラッグなどの犯罪行為に関わると、その国だけではなく、場合によっては他の国への入国も制限される可能性があるので、甘く考えてはいけません。
僕が留学エージェントから聞いた話では、留学生の違法行為で多いのは「飲酒・喫煙」だそうで、稀に「ドラッグ」を使用する人もいるようです。
幸い、留学パパの周りでそういう違法行為をした人はいませんが、高校留学を本気で考えているのであれば、安易な友達からの誘いには絶対に乗らないということを誓って欲しいと思います。
ここまでの4つの「守るべきこと」を気をつけて生活できれば、大きなトラブルは回避できると思います。
しかし、それでも「不測の事態」が起きる可能性はあります。
僕も親の立場なので、最も心配するのは「身の危険にさらされるような状況」です。
リスクをゼロにすることは難しいとしても、「何かが起きた時に、誰にも気づいてもらえない。助けてもらえない」という状況は回避したいところです。
そこで、僕がおすすめする最後のポイントをご紹介します。
これは「外出する場合に有効な方法」だと思います。
日々の生活スタイル・スケジュールに合わせて、ホストファミリーに必ず帰宅時間の目安を伝えます。(休日で街に遊びに出かける時などは特に重要です)
帰宅予定時刻になっても、何の連絡もなく帰宅しない場合は、電話やメッセージをもらうようにしておきます。
どのタイミングで何回くらいの連絡が良いか?については、ホストとの相談になりますが、
例えば、予定時刻の30分を過ぎても連絡が取れないなどの状況があった場合、何らかのトラブルに巻き込まれた可能性があると判断して、必要な対応をお願いしておくわけです。
(誰とどこへ行くのか?を事前に報告しておくと、より対応がしやすくなるはずです。)
もちろん、予定が変わることがあれば、自分から先に連絡するのは当たり前のことですが、トラブルに巻き込まれている可能性も考慮して、予定時刻を過ぎていればホストから連絡をもらい、それでも音信不通が続くようであれば、何らかの緊急対応をしてもらうわけです。
(必ずしも警察沙汰にするということではありません。)
ここでとても重要になるのは、「普段からホストファミリーと安全面について、コミュニケーションが図れているかどうか?」です。
勘違いしないようにしなければいけないのは、「自分がそうした相談をしなければ、ホストからは何も言われない可能性が高い」ということです。
期待するのではなく、自主的に行動する必要があるんんですね。
意識の高いホストの場合は、こちらが何も言わなくてもルールを決めてくれたりするケースもあります。
でも、中にはビジネスライクなホストもいるので、自分から積極的にコミュニケーションを図るようにしないといけません。
正直、面倒くさいと感じるかも知れませんし、慣れてくると「自分のことだから大丈夫」と思いたい気持ちも理解できます。
しかし、「不測の事態」というのは、想定を超えた状況に遭遇するという話です。
誰かがそれに気づいてくれるようにしておかないと、何かあってからでは手遅れになるわけです。
特に注意が必要な人を言いますね!
「日本にいる時から帰宅時間や、誰とどこへ行くのか?を親に話さない人」です。
日本でそういう習慣がないので、海外へ行ってもその感覚のまま生活してしまうんですね・・・。
これは本人の責任というよりは、「親の責任」ですよね(汗)。
ぜひ、日本にいる間から、徹底した習慣を身につけておいて欲しいと思います。
僕は「リスクがあるから高校留学させない」という考えも理解できるし、「このぐらいのリスクを恐れていたら、世界を相手に活躍することなんてできない」という気持ちもよく分かります。
どの選択をしても決して間違いではありませんが、もし今回の記事を読んで、「少しは前向きに子供の高校留学を応援してみようかな」と思ってもらえたのであれば嬉しいです。
また、そのために何を理解して、どう行動しないといけないか?について、親子で話し合うきっかけにしてもらいたいと思います。
治安や安全面に関しては、悲観も楽観もしないという姿勢がベストなのかなと、いつも思っています。
留学経験者としての目線で言えば、これから留学する中高生の皆さんには、いつも「ここは日本と違う」ということを意識して、良い意味での緊張感を持っておいて欲しいと思います。
そして、親の目線で言えば、ニュースや一部の情報だけに振り回されることなく、冷静に客観的な情報を集めて、「必ず守るべき5つのこと」を子供に厳守させるように、海外生活のリスクを親子で繰り返し話し合うことをおすすめします。
具体的に気になることや、ご相談があれば、LINE@の方へお気軽にメッセージくださいね。
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