
「英語が苦手なのに、本当に高校留学なんてできるのかな?」
LINEや相談会で、いちばんよくいただく質問のひとつです。
結論から言うと、
英語が苦手でも、高校留学は「できます」
ただし、行き先と準備の仕方はしっかり考えた方がいい。
というのが、留学パパとしての正直な答えです。
この記事では、
- 英語が苦手でも受け入れてくれる国・学校の違い
- 高校留学前に語学学校へ行くべきかどうか
- 英語に自信がない人こそ大事にしたい「考え方」
をできるだけわかりやすくまとめてみます。

英語が苦手でも高校留学はできる?結論から言うと…
まず押さえておきたいのは、
英語力だけで「行ける/行けない」が決まるわけではない
けれど、
英語力が高いほど選べる国・学校・プログラムが増える
ということです。
たとえば、
- 英語がほとんど話せない状態でも受け入れてくれる国・学校
- 「英検2級レベルは欲しい」と条件を出している国・学校
の両方があります。
ですから、「英語が苦手だけど留学したい」と思ったときは、
1. どの国なら、どんな英語力でも受け入れてくれるのか?
2. その中で、自分に合う学校・プログラムはどれか?
この2つをセットで考えていくことが大切です。
英語が苦手でも受け入れてくれる国・学校の選び方
英語力のハードルが低いのは「ニュージーランド」と「カナダ」
英語に不安がある中高生にとって、いちばん門戸が広いのが、ニュージーランドとカナダの公立高校です。
これらの国の多くの公立高校では、
- 入学前に英語の試験が課されないことが多い
- 代わりに「ESL(ESOL/ELL)」と呼ばれる留学生向けの英語クラスが用意されている
- 英語に自信がない生徒は、最初はESLを多めに取りながら、少しずつ現地生徒と同じ授業に入っていく
という仕組みになっています。
なぜこうした制度が整っているかというと、
ニュージーランドやカナダは、移民や留学生を受け入れる文化がもともと強い
国として「留学生を受け入れること」を政策的にも重視している
からです。
英語がまだ十分でなくても、
「これから伸ばしていけばいい」という前提で受け入れてくれる学校が多いのが特徴です。
《関連記事》
オーストラリア公立高校の英語力の目安
オーストラリアも、公立高校で留学生を受け入れていますが、ニュージーランド・カナダに比べると英語力のハードルはやや高めです。
- 英検2級レベル(高校卒業程度の英語力)がひとつの目安
- 学校によっては、IELTSなどのスコア提出を求められることもある
また、
- ESLクラスの時間数や、どこまでサポートしてもらえるか
- どの教科を現地生徒と一緒に取れるか
などは学校ごとにかなり違います。
「どうしてもこのエリアの学校に行きたい」という理由がある場合を除けば、
英語がかなり苦手/英検準2級レベル前後の人
→ まずは、ニュージーランド or カナダ
英検2級以上あって、オーストラリアが第一希望
→ 学校を慎重に選びながら検討
という考え方がおすすめです。
アメリカ・イギリス・私立高校の場合
一方で、アメリカやイギリスの高校、またはニュージーランド・カナダ・オーストラリアの私立高校では、公立高校に比べて英語力の最低基準も明確で、出願時に英語試験(英検・TOEFL・IELTSなど)のスコアが必要といったケースも多いです。
もちろん「絶対に無理」というわけではありませんが、
- 英語が本当に苦手で、まだ基礎も不安
- できれば1〜2年以内に留学したい
という場合は、
無理をしてアメリカやイギリスにこだわるよりも、
ニュージーランド or カナダの公立高校からスタートする方が、現実的でストレスも少ないルートになります。
「高校留学に必要な英語力の目安」
「日本でどこまで準備しておくと安心か」は、
こちらの記事で詳しく解説しています。
《関連記事》

《参考記事》
・「トビタテ!留学JAPAN|高校生の留学準備ガイド」公式サイト
・公的機関である日本学生支援機構(JASSO)が運営する海外留学を考える方への情報サイト「留学準備・お役立ち情報」
高校留学前に語学学校へ行くべき?メリット・デメリット
次によく聞かれるのが、
「高校に入る前に、まず語学学校で英語を勉強した方がいいですか?」
という質問です。
結論から言うと、
「絶対に行くべき」というほどではない。
けれど、目的と期間をしっかり決めれば「行ってよかったね」となりやすい
そんなポジションだと考えています。
語学学校で「英語力が劇的に伸びにくい」理由
語学学校に数ヶ月通っただけで、
英検準2級 → 英検2級レベルまで一気に伸びる
中学英語レベル → 現地高校の授業についていけるレベルになる
というのは、正直かなりレアケースです。
理由はシンプルで、
語学学校の授業は
「英語そのものを学ぶ時間」が中心
でも、英語は「毎日の生活全部」で使ってこそ伸びていく
からです。
授業以外の時間を日本人同士で過ごしてしまうと、「英語を習った時間」は増えても「英語で本気でコミュニケーションした時間」はそれほど増えないということが起こります。
「語学学校に行った=英語ができるようになる」と期待しすぎると、現地に行ってから「思ったより伸びていない…」とガッカリしてしまうかもしれません。

それでも語学学校をおすすめできるケース
それでも、語学学校がとても役に立つケースもあります。
たとえば:
- 初めての海外生活で、とにかく不安が大きい
- いきなり現地の高校の授業に入るのがこわい
- 「高校生活」の前に、海外の環境や生活リズムに慣れる準備をしたい
こういう場合、
語学学校は、生活環境・文化・時差・ホームステイに慣れる「クッション」になったり、
簡単な授業英語や、クラスでよく使うフレーズに慣れる「準備期間」になったりします。
「英語力を一気に上げる場所」ではなく、
「海外生活に慣れる場所」として考える
と、語学学校の価値が見えやすくなります。
おすすめの期間と費用の考え方
語学学校に長く通えば通うほど、その分だけ費用もかさみます。
個人的には
1〜2ヶ月程度の「慣らし期間」として行く
くらいが、コスパと効果のバランスがよいと感じています。
1ヶ月:海外生活に慣れる・簡単な英語授業に慣れる
2ヶ月:クラスでのやりとりに少し余裕が出てくる
このくらいを目安に、
- 予算
- 希望の留学時期
- 子どもの性格(環境変化への強さ・弱さ)
を踏まえて考えてみてください。
《関連記事》

留学娘のエリンは、こういうステップが全くなく、いきなり現地での留学生活がスタートしたため、それなりの反動がありましたね・・・(笑)

英語が苦手なまま高校留学を目指す人への3つのヒント
最後に、「英語が苦手で不安…」という人にこそ伝えたい、考え方のヒントを3つまとめておきます。
① 英語は「目的」ではなく、高校留学のための道具
高校留学を考えるとき、「英語を話せるようになること」がゴールと思ってしまいがちです。
もちろん、英語力はとても大切。
でも本当は、
英語は「自分がやりたいこと」を叶えるための道具
なんですよね。
- 自分の好きな教科を海外で学ぶ
- いろんな国の友達と本音で話す
- 将来やりたい仕事の幅を広げる
こうした「やりたいこと」を実現するために、英語という道具を、少しずつアップデートしていくイメージを持つと良いと思います。
「英語ができないから無理」ではなく「英語がまだ弱いから、どう準備しておこうか?」と、考え方が前向きに変わってきます。
② 英語で「自分の好きなこと」を学んでみる
英語が苦手な子の多くは、「学校のテスト用の英語」「教科書の長文」でつまずいて、「英語=つらいもの」と感じていることが多いです。
そんなときこそ、
- 自分の好きなスポーツ
- 好きなゲーム
- 好きなアーティスト
- 興味のある国や動物
など、「自分の好きなこと」に英語で触れてみるのがおすすめです。
たとえば、
好きなYouTuberの海外版チャンネルを見てみる
英語字幕をオンにして、日本語と見比べてみる
短いフレーズを「まねして口に出してみる」
など、「勉強」ではなく「楽しむ英語」の時間を少しずつ増やしていくと、「英語そのものがちょっと楽しいかも?」という感覚が、ゆっくり育っていきます。
高校留学でいちばん大事なのは、
完璧な英語力よりも
「英語に向き合い続けられる気持ち」です。
③ 英語力より大事な「高校留学の目的」を言葉にする
そして最後に、英語力と同じくらい大事なのが、
「なぜ高校留学をしたいのか?」を
自分なりの言葉で説明できること
「なぜ高校留学をしたいのか?」を自分なりの言葉で説明できること
です。
- 今の学校生活がしんどいから、ただ逃げたいのか
- 新しい環境で、もう一度やり直してみたいのか
- 将来につながる学び方・生き方を見つけたいのか
どれも立派な理由ですが、
自分でちゃんと「そう思っている」と認めてあげることがとても大切です。
英語が苦手でも、
ニュージーランドやカナダなら、こんな仕組みでサポートしてくれる
語学学校を使えば、こんなふうに準備ができる
英語は道具として、これから伸ばしていけばいい
と具体的にイメージできると、不安は少しずつ小さくなっていきます。
英語が得意じゃない子が高校留学して
『挫折したらどうなる?』というリアルな不安については、こちらの記事で具体的なケースと対処法をまとめています。
まとめ|英語が苦手でも高校留学に近づく準備チェックリスト
最後に、この記事の内容をチェックリストにしておきます。
英語が苦手でも高校留学を目指したい人へ
- 日本語でもいいので、「なぜ高校留学をしたいのか?」を一度紙に書き出してみる
- 英語力のハードルが低めの国(ニュージーランド・カナダ公立)も候補に入れてみる
- アメリカ・イギリス・私立高校は「英語試験+高い英語力」が前提だと理解しておく
- 語学学校は「英語力を劇的に上げる場所」ではなく、「海外生活に慣れる場所」と考える
- 語学学校に行くなら、目的を決めて1〜2ヶ月程度を目安に計画してみる
- 英語は「目的」ではなく、高校留学という経験を広げるための道具だと捉え直してみる
というポイントでお伝えしてきました。
もっと具体的に相談したい方へ









