この記事を書いた「留学パパ」はこんな人
ニュージーランドへ高校留学したい!と思い立ったまでは良いものの、日本の高校との違いや、最低限必要な基礎知識が理解できていない人も多いと思います。
(そもそも「分からないことが分からない」という状態ですよね・・・)
一般的には、自然豊かで人柄も穏やかな国民性、そして、日本の教育のように「詰め込み式」の受験勉強に明け暮れるというようなことがないイメージがあるのが、ニュージーランドの高校留学だと思います。
間違ってはいないんですが、実際に留学先を絞り込んでいく上で、最初に押さえておかないといけないことがいくつかあります。
◆ニュージーランドの学年の仕組み
◆ニュージーランドの教育制度の基礎知識(いつから入学・編入できるか?)
◆高校での単位認定や卒業についての考え方
などは、重要なポイントになります。
「何となく・・・」という雰囲気に惑わされやすいのが高校留学ですが、まずは概略で良いので、しっかりと基礎知識を理解しておくと、留学先を決める時に大いに役に立つと思います。
これから上記のポイントについて、1つずつ分かりやすく説明していきますね。
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日本と違う!?ニュージーランドの「学年」制度とは?
まずは以下の表を見てください。
年齢と共に学年が上がっていくのは理解できると思います。
ただ、よく見てみると、現地の小学校である「Primary School」が始まるのは、日本で言う保育園や幼稚園の時期ですね。
正確に言うと、ニュージーランドでは、5歳になれば小学校へ入学することができます。(日本は4月1日時点で6歳になっている子供たちが対象ですよね。)
このあと説明する「年間スケジュール」が日本とは違うので、少しややこしく感じますが、新学期が始まるまでに5歳になっていれば入学できて、小学校は13歳になるまでの8年間通うことになります。
(但し、実際には6歳から入学する子が多いようです。)
12歳〜13歳のところで「Intermediate School」というのがありますが、これは地域によって異なる学校区分です。
日本で言うところの「中学校(中等教育)」という位置付けの学校ですが、Primary Schoolが8年間続くという地域もあれば、Year 7とYear 8はIntermediate Schoolが別に設けられている地域もあります。
もっと細かく言うと、地域によっては「Middle School」というYear 7〜Year 10の生徒が通う中学校もあります。
その後、ニュージーランドでは14歳〜18歳までの5年間が「Secondary School」となっていて、日本では「中学2年生から高校生」に当たります。
頭が混乱しそうですが、あまり難しく考えずに、「自分は今何歳なのか?」を基準に考えると良いですね。
日本人的感覚で言うと、1つの学年が終わってから転校(留学)するという方が受け入れやすいと思いますが、留学というのは「海外の教育システムに合わせる」というのが大原則です。
仮に、日本人の私たちにとって「中途半端な時期からの転校(留学)」になったとしても、全く問題はないんですね。
時々LINE@からいただくメッセージで、「今、留学をスタートすると中学校の卒業証書はもらえないんですか?」という質問をいただくことがあります。
海外の中学校や高校に留学した時点で、日本の中学校の卒業証書があるかどうかは問題になりません。
というよりも、海外では中学校の卒業証書というものが存在しない国が多いんですね!
(「卒業」という考え方自体が存在しないんです。)
ですから、日本の卒業証書を有り難がる必要はありませんよ(笑)。
もう一つ、「義務教育」についての考え方についてお話しておきますね。
ニュージーランドの義務教育は「15歳になるまで」です。
これは「学年」の問題というよりは、単純に「年齢」で決められていることです。
日本だと中学校3年生を終える3月31日で、義務教育が終了というルールになっていますね。
しかし、ニュージーランドの場合「15歳になると、そのまま学校に通い続けるか、辞めて仕事をしたり、別のことをするかは選択できる」というルールです。
つまり、上記の表で見ると、Year 10のあたりで15歳になるわけですが、残りの2年間は学校に通う義務はなく、個人の判断で自由に選べるということなんです。
先ほどの「卒業証書がない」というのも頷ける話ですよね!
それぞれの学年でどんな内容を学ぶのか?については、ニュージーランドの教育省が分かりやすくまとめている公式HPがありますので、以下のリンクから読んでみてくださいね。
(但し、すべて英語です。英語力アップのためにも、ぜひ一通り読んでみましょう!笑)
ニュージーランドの高校の「年間スケジュール」を知って、入学時期を考えよう!
さて、学年制度が理解できたところで、実際に1年間はどんな流れで進んでいくのか?を押さえておきましょう!
一般的な「年間スケジュール」を表にしてみました。
新しい学年のスタートが「1月から」というのは分かりやすいですが、日本の年度(4月〜3月)に慣れている私たちにとっては、やっぱり違和感ですよね・・・。
そして、ここが一番重要なところですが、
絶対に押さえておきたいのは、ニュージーランドは1年間を通じて同じ科目を学ぶ(学年末に単位が取れる)ということです。
また、日本のように1学期間の決まった時期に「中間テスト&期末テスト」というような大きな試験期間があるわけではありません。
科目毎にバラバラなんですね!
その代わり、第4学期(約2ヶ月間)が「学年末のテスト期間」になります。
もちろん、各科目の大きな課題なども、第4学期に提出(発表)することになります。
※それぞれの学期で、単元毎のテストやグループ単位の活動、授業への積極的な参加など、評価される項目は色々とあります。
※Year 11からは、国家資格である「NCEA」という全国統一試験(External Assessment)が毎年Term 4に行われます。(詳細は別の記事で説明します。)
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皆さんの多くが気になる「入学時期」についてですが、以下の2つの時期のいずれかがベストです。
Term 1(第1学期)、つまり新しい学年の始まる1月末〜2月上旬。
もう1つは、Term 2(第2学期)の始まる4月下旬ごろです。
ほとんどの人が日本の中学校や高校に在籍中だと思うので、3月の学年末を待って、4月から始まるTerm 2(第2学期)からの留学スタートを考えると思います。
今いる学校(学年)が中途半端に終わってしまうと感じたり、同級生と一緒に中学校を卒業してから渡航したい!と考えたりする人が多いのが理由ですね。
もちろん、それで問題はないんですが、中にはTerm 1(第1学期)から留学する人もいます。
Term 1から留学するメリットは、現地の高校が新学期ということもあって、これから学ぶ科目は現地の生徒と一緒にゼロからスタートできるという点です。
Term 2からの入学は、授業の途中から入っていくことになるので、戸惑うことも多そうです。
そして、中高生の皆さんにとっては「友達作り」も気になると思います。
新学期からスタートすることで、スムーズに人間関係が作りやすいというメリットがあります。
これらの点については、学校側もよく理解しているので、留学生がいつからスタートしても、勉強や人間関係で問題が起きないように、バディー制度を設けたり、教え方を工夫するなど、手厚いフォローをしている学校が多いです。
バディー制度とは・・・1人の留学生に対して、必ず現地の学生が1人サポートに付くという仕組み。これは国の方針として義務付けられているの制度なので、留学当初は一人で悩むことがなく、安心できますね。
一方で、「この時期からの入学はやめた方が良い」というタイミングがあります。
それが、Term 3(第3学期)とTerm 4(第4学期)からの留学スタートです。
最初にお伝えした通り、Term 4は、「学年末のテスト期間」です。
Term 3も徐々に期末試験や課題提出に向けて、生徒たちはみんな集中していく時期になります。
このタイミングで渡航してしまうと、何がなんだか訳が分からない中、試験を受けなければいけなかったり、課題をこなさなければいけなくなります。
ただでさえ新しい環境で、英語力の不安もある中、留学スタートするタイミングとしては悪すぎます。
どうしてもその時期でなければいけない理由があれば別ですが、あえてTerm 3やTerm 4からの留学スタートするという選択をするメリットはないと思います。
日本の義務教育と似てる!?単位取得と卒業についての考え方
高校留学を考える人が一番「尻込み」してしまうポイントと言えば、やはり「授業に付いていけるかどうか?」や「単位をきちんと取って、卒業できるかどうか?」だと思います。
ニュージーランドがいくら魅力的な国であったとしても、そこは日本ではない海外です。
英語力の不安もあるわけですから、慎重になってしまいますよね・・・。
しかし、ニュージーランドの教育は、他の国とは違って、「成績至上主義」じゃないんです!
どういう意味かというと、別の記事でも書きましたが、「自分の個性を発揮するための準備」をするのが義務教育の意味と考えられているので、Secondary School(高校)までに学ぶ内容は、あくまで「一般教養としての基礎知識」です。
どのくらい理解できているか?は、一つの「ものさし」としては存在していますが、理解度によってその生徒の進路を左右する(日本で言えば偏差値で人を評価する)ような考え方ではないんですね。
ですから、ニュージーランドの高等教育では、単位認定の有無に関わらず、卒業ができるんです!
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もう少し踏み込んでお話すると、例えば日本の高校だと、学年によって学ぶ科目(レベル)は決まっていますね。
生徒の皆さんにはあまり選択肢がないと思います。
けれども、ニュージーランドをはじめ、海外の高校の場合は、必ずしも学年と取得科目は一致していません。
「学年は高2であっても学んでいる科目は高1の科目」ということはよくあります。
(その反対に、得意科目であれば、高2なのに高3の科目を取っているというようなことも多いです。)
必修科目であっても同じで、一人ひとりの学習進度(理解度)に合わせて取り組むことになります。
「数学が得意(苦手)」という人もいれば、「社会が得意(苦手)」という人がいますから、合理的な仕組みですよね!
ただ、ニュージーランドが他の国々と大きく異なるのは、最終的に高3レベルに達しなかった(単位が取れなかった)としても、それも認めてくれることです。
つまり、「すべての科目を満遍なく理解すること」は、卒業資格(正確には高校修了資格)では求められていないんですね。
ちょうど中学校までの「義務教育」と似ているかも知れませんね。
成績の優劣に関係なく、卒業証書がもらえます。
しかし・・・
話は逸れてしまいますが、皆さんにどうしても誤解しないで欲しいことがあります。
確かに「学力に関係なく卒業資格がもらえる」というのは、それだけを見ればメリットです。
でも、同時に「自己責任」が強く求められていることも知っておかないといけません。
国の立場からすると、「義務教育が終わった16歳からは、自分の人生には責任を持ち、その先の進路に必要な努力は自らの意志で取り組んでね!」ということなんです。
その証拠に、ニュージーランドの教育制度では、「卒業資格」を持っていることと、大学進学の資格が保証されていることはイコールではありません。
特にニュージーランドの国立大学を目指す人や、日本を含めた海外の有名大学を目指す人にとっては、成績は重要な評価項目ですし、「NCEA」という国家資格(単位証明)が必要です。
日本に帰国すれば、これらの成績評価やNCEAがなくても「帰国生入試」を利用して大学受験することも可能ですが、やはり努力した人や結果を出した人の方が圧倒的に選択肢は広くなります。
人生、何事においても「目的(目標)をしっかりと持って努力すこと」は大切だということですね!
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まとめ:時間の無駄なく、安心してスタートできるニュージーランドの教育制度
ニュージーランドの教育制度の基本についてお伝えしてきましたが、イメージができたでしょうか?
現在、日本の中学校や高校に通っているという人にとって、年度末や2学期が終了してから、時間をあまり置かずに留学できるのがニュージーランドへの高校留学ですね。
そして、英語力や単位取得のことをあまり気にせずに、自分のペースで好きな勉強ができて卒業資格がもらえるというも大きな魅力です。
しかし、「自己責任」で目標を持って努力することが大事だということもお話しました。
安易に「楽ができる!」という理由でニュージーランド留学をするのはおすすめしません。
「なぜ高校留学するのか?」という目的をよく考えていきましょうね!
いずれにしても、多くの人にとっては、「高校留学そのものに対するハードルは、そこまで高くない」というのがニュージーランドを選ぶ1つの理由だと思います。
他にもニュージーランドの高校留学を選択するメリットについて、別の記事でもお伝えしているので、興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。
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