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ニュージーランドへの高校留学に興味はあるけれど、
・いつから留学をスタートするのがいいのか
・日本の「学年」とどう対応しているのか
・単位や卒業資格はどうなっているのか
といった教育制度のイメージがつかめず、不安に感じている人も多いと思います。
この記事では、ニュージーランド高校留学を考えるうえで「最初に知っておきたい教育制度のポイント」を、できるだけシンプルに整理してお伝えします。
学年制度(Yearと学校区分)
1年の流れ(Term制)とベストな入学時期
単位・成績と卒業資格の考え方
を押さえておけば、かなり具体的なイメージがつかめるはずです。
《関連記事》 ニュージーランドの高校留学とは?これだけは知っておくべき基礎知識

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ニュージーランド高校留学では「教育制度の理解」がなぜ大事?
日本でも、学年や入学時期、進級のルールはある程度イメージしやすいですよね。
一方、ニュージーランドでは、
- 学年は「Year」で表現される
- 学校の区分(Primary/Intermediate/Secondaryなど)が地域によって少し違う
- 単位や卒業の考え方が、日本とかなり異なる
といった特徴があります。
「なんとなく自然が多くて伸び伸びした国だから…」という印象だけで決めてしまうと、いざ具体的な留学時期や学校を決める段階で、思わぬギャップに戸惑ってしまうことも。
逆に、ここに書いてある教育制度のポイントだけでも押さえておくと、中3のどのタイミングで出発すべきかや、日本の高校進学とどう組み合わせるか、そして卒業後の進路まで見据えてどこまで頑張るべきかが、親子で話し合いやすくなります。
日本と違うニュージーランドの学年制度(Yearと学校区分)
まずは以下の表を見てください。

5歳からスタートするPrimary School
ニュージーランドでは、5歳になれば小学校(Primary School)に入学できます。(日本の「小1より少し早いスタート」というイメージです)
Primary School:Year 1〜Year 8
地域によってはYear 7〜8を別の学校(Intermediate School)に分ける場合もあります。
中には、Year 7〜10をまとめたMiddle Schoolを設けている地域もあり、区分は地域によって少し違います。
細かい違いはありますが、「自分の年齢に近いYearに入る」と考えておけばOKです。
14〜18歳が通うSecondary School(日本の中2〜高3相当)
そのあと、14〜18歳の5年間がSecondary School(高校)です。
日本でいうと「中2〜高3」に当たるイメージですね。
多くの人は「日本の中学を卒業してから」「高校1年を終えてから」など、日本側の“区切り”に合わせたくなると思いますが、留学はあくまで 「現地の教育システムに合わせる」 のが基本になります。
そのため、
日本の学年の途中からの編入でも問題ありません。
現地の学校は、留学生が途中から入ってくることを前提に受け入れ体制を整えています。
「中学校の卒業証書」がなくてもOK!
日本の保護者の方からよくある質問に、「今から留学したら、日本の中学校の卒業証書はもらえないんですよね?」というものがあります。
結論から言うと、日本の中学校の卒業証書の有無は、海外での進路にはほとんど影響しません。
ニュージーランドには、そもそも「中学校の卒業証書」という概念自体がないからです。
大切なのは、
- 今どの年齢か
- どの学年(Year)に在籍しているか
- その国の教育課程をどこまで修了したか
という点であり、「日本の卒業証書を持っているかどうか」ではありません。
義務教育の考え方と「15歳まで」のルール
ニュージーランドの義務教育は「15歳まで」
ニュージーランドの義務教育は、年齢ベースで「15歳まで」と定められています。
🇯🇵日本:中3の学年末(3月31日)までが義務教育
🇳🇿ニュージーランド:15歳になったタイミングで、学校に通い続けるかどうかを選べる
前述の表で見ると、だいたいYear 10(日本の中3〜高1に相当)で15歳前後になることが多く、
その後は
- そのままSecondary Schoolで学び続ける
- 働き始める
- 別の進路を選ぶ
など、本人と家族の判断で選択肢が広がる仕組みになっています。
義務教育後は「自己責任」が前提
「15歳以降は、自分の選択と努力に責任を持ってね」というのが、ニュージーランドの教育制度の根底にあります。
「卒業資格を得るために、どの科目をどのレベルまで頑張るのか」
「将来どの進路(大学進学・専門学校・就職など)を目指すのか」
を、自分なりに考えながら選んでいく必要があります。
日本だと中学校卒業後は「ほぼ全員高校へ進学する」というのが普通ですが、ニュージーランドの場合は違います。
ということは、ニュージーランドの高校生は「将来に対する目的を持った(少なくとも持とうとした)学生が多い」とも言えます。
私たち日本人留学生も「自分にとって何が必要か?(ここで何を学ぶか?)」を考えながら留学する必要がありますね。
《関連記事》こんなにも日本とは違う!留学準備に必要なことがすべて分かる書籍「中高生の海外留学ー知るたび、自分と未来が広がる本」
高校の年間スケジュール(Term制)とベストな入学時期
1年は4つのTermで構成される
ニュージーランドの高校は、1年を次のような4つのTerm(学期)に分けています。

ポイントは、
- 1年間を通じて同じ科目を学び、Term 4で単位を確定させる
- 日本のように「中間テスト・期末テスト」が一斉に行われるわけではなく、科目ごとに評価のタイミングがバラバラであること
です。
ベストな入学タイミングはTerm 1かTerm 2
おすすめの入学時期は、次の2つです。
◎Term 1(第1学期):1月末〜2月上旬
○Term 2(第2学期):4月下旬ごろ
日本の中学・高校に在籍している人の場合、多くは「日本の学年が終わる3月を待って、Term 2(第2学期)からスタート」というパターンをイメージしやすいと思います。
日本の区切りも大事にしながら留学したい人には、自然なタイミングですね。
一方で、Term 1からスタートするメリットも大きいです。
現地の生徒と同じタイミングで「ゼロから一緒にスタート」できる
クラス替えや科目選択のタイミングが一緒なので、友達関係を築きやすい
学習面・人間関係の両方で馴染みやすい時期とも言えます。
《関連記事》中3からでも間に合う高校留学|国別の申込時期と準備スケジュール
一方で、おすすめしにくい入学タイミングもあります。
△Term 3(第3学期)
×Term 4(第4学期)
学年末のテストや課題提出に向けて生徒たちの学習が一気に本格化する時期で、各科目の大きな評価やプレゼンテーションが集中するタイミングです。
このタイミングで留学をスタートすると、
まだ環境にも英語にも慣れていないのに、いきなりテストや課題に追われる
クラスの友達との距離も作りづらく、心理的にも負担が大きい
という状況になりやすく、スタートとしてはかなりハードです。
どうしてもご家庭の事情などでTerm 3・4しか選べない場合を除き、基本的にはTerm 1かTerm 2でのスタートを前提に計画を立てるのがおすすめです。
《関連動画》動画では、実際のスケジュール感や学年の対応を図を使って解説しています。
ニュージーランドの高校留学で学ぶ内容をもっと知りたい人へ
学年ごとにどんな内容を学ぶのか?については、ニュージーランド教育省の公式サイトに、保護者向けの解説があります。
「ニュージーランド教育省の保護者向け情報(英語)」
Parents and caregivers – New Zealand Ministry of Education
※すべて英語ですが、「英語のリーディング練習」と思って眺めてみるのもおすすめです。
単位・成績・卒業資格の考え方|日本の義務教育に近い部分と違う部分
「成績至上主義」ではないニュージーランドの教育
高校留学を考えるとき、多くの人が気にするのが、
- 授業についていけるか
- 単位をきちんと取って卒業できるか
という点だと思います。
ニュージーランドの教育の特徴は、「成績だけに価値を置いていない」ということです。
高校までに学ぶ内容は、あくまで「一般教養としてのベース」
何をどこまで深めるかは、その先の進路と本人の選択によって変わる
という考え方がベースにあります。
学年と科目レベルは必ずしも一致しない
ニュージーランドの高校では、
学年はYear 11(日本の高1相当)だけど、数学はYear 10レベルの科目を履修
逆に、得意科目は1つ上のレベル(Year 13レベルの科目など)を履修
というようなことが、ごく普通に行われています。
一人ひとりの得意・不得意に合わせて科目レベルを調整できるので、
「数学は基礎からじっくり」
「アートや音楽は高レベルに挑戦」
といった、かなり柔軟な学び方ができます。
単位が足りなくても「卒業資格」は取れる?
日本の高校だと、「必要単位を取りきらないと卒業できない」というイメージが強いですよね。
ニュージーランドでは、
- 「高校修了」としての卒業資格
- 大学進学などに必要な成績・単位(NCEAなど)
を分けて考えるのが大きな特徴です。
つまり、
一部の科目で単位が取れなくても、高校修了としての卒業資格自体は得られる
ただし、そのあとどんな進路を選べるかは、どれだけ意識的に学んできたか(成績やNCEA)によって変わる
という仕組みです。
大学進学の鍵を握るNCEAという国家資格
ニュージーランドの高校生が取得する国家資格「NCEA」は、
- 国内の大学進学
- 日本や他国の大学への出願
- 将来の進学・就職の選択肢
に大きく関わってきます。
「ニュージーランドの国立大学を目指す」「海外の有名大学を視野に入れたい」という場合には、NCEAでしっかり単位を積み上げておくことが必須になります。
一方、日本に帰国してから「帰国生入試」で大学受験をする場合など、NCEAが必ずしも必要でないケースもありますが、頑張った分だけ選択肢が広がるのは、どの進路でも共通です。
《関連記事》
▶︎ニュージーランド高校留学でよく聞く国家資格「NCEA」とは?必要性をやさしく解説
▶︎英語力や成績に不安でも大丈夫?ニュージーランド公立高校留学3つのメリット
ニュージーランド高校留学が向いている人・活かし方のポイント
ここまで読んでみて、「自分(うちの子)にはニュージーランドが合っていそうか?」という感覚は、少し見えてきたでしょうか。
ニュージーランド高校留学は、
- 英語力や成績にまだ自信がなくてもチャレンジしやすい
- 単位や成績に縛られすぎず、自分のペースで学び直しやチャレンジができる
その一方で、「自分の将来に責任を持って選び取る力」が求められるという意味で、
「ゆるいだけ」「楽できる」留学ではなく、自分らしい学び方を試しながら、主体性を育てる場
と言えます。
「何となくニュージーランドが良さそうだから」ではなく、
・なぜ高校留学をしたいのか
・どんな環境で学びたいのか
・将来どんな選択肢が増えたらうれしいか
を、一度立ち止まって考えてみるのがおすすめです。
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高校留学が向いていない人の特徴はこちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎高校留学はやめた方が良い?親が知っておきたい「向いてないタイプ」の5つの特徴
まとめ:時間をムダにせず、自分らしい高校留学を実現しよう
この記事でお伝えしたポイントを改めて整理すると、
- ニュージーランドの学年制度は「Year」で考える
- 義務教育は「15歳まで」で、その後は自己責任で進路を選ぶ
- 学年と科目レベルは必ずしも一致せず、得意・不得意に合わせて調整できる
- 単位がすべて取れなくても、高校修了としての卒業資格は得られる
- ただし、大学進学など将来の選択肢を広げるには、NCEAなどの成績・資格が重要
ということになります。
日本の中学校や高校に通っている人にとって、年度末や2学期の終わりから、あまり時間を空けずに留学をスタートしやすいのがニュージーランドの大きな魅力です。
自分たちに合ったタイミングと進路を選んでいきましょう。
高校留学の準備を進めたい方へのご案内
最後に、「もっと具体的に準備を進めたい」という方に向けて、留学パパからのご案内です。
① 中高生の海外留学がよくわかる本を読みたい方へ
書籍:『中高生の海外留学〜知るたび、自分と未来が広がる本〜』
ニュージーランドを含む各国の高校留学について、「親子で話し合うときのポイント」や「準備のステップ」を分かりやすくまとめています。
②高校留学前に身につけておきたい力を準備したい方へ
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必要な英語やプレゼンの仕方、ホストファミリーとのコミュニケーションや友達作りのヒント、そして留学生活でつまずきやすいポイントなどがすべて分かる!
高校留学経験者であるエリンと一緒に準備していくオンラインプログラムです。
③ 個別に相談したい方へ
「うちの子の学年からだと、いつから留学を考えると良い?」
「ニュージーランドと他の国で迷っている」といった個別の状況に合わせて、留学パパとエリンが無料でご相談にお応えしています。
「とりあえず話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎です。お気軽にメッセージしてくださいね。


