
高校留学に興味を持ち始めた現役高校生から、こんな相談がたくさん届きます。
・日本の高校に通い始めたけど、何か自分が思っていた学校生活とは違う
・友達関係が上手くいない
・受験のための勉強ばかりで、本当に自分が何をしたいのか分からない
・このまま大学などの進路を決めることに、漠然とした不安がある
・もっと広い世界を経験して、視野も英語力も広げたい
そして、その中には「高1で日本の高校を中退して、海外の高校に編入したいです」という、かなり踏み込んだ相談も少なくありません。
「でも、高1の途中からでも高校留学ってできるの?」
「中退したら、その後の進路に不利にならない?」
そんな不安を少しでも減らせるように、この記事では
高1で中退して高校留学を目指す人が
- 必ず知っておくべき基礎知識
- 今から具体的にやるべきこと
をできるだけわかりやすく整理してお伝えします。

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高校1年生で中退して海外の高校へ編入したい人が必ず知っておくべき3つのこと
「とにかく今の環境を変えたい!」
高1で高校留学を考えている人の多くは、そんな気持ちを強く抱えていると思います。
その気持ちはよくわかりますが、日本の高校で転校するのとは違い、海外の高校へ編入する場合には、単位や学年の考え方をしっかり理解しておくことがとても大切です。
ここでは、特に重要な3つのポイントに絞ってお話しします。
①日本の高1を修了してから留学すべきか?途中で中退して留学すべきか?
今あなたがこの記事を読んでいるのは、
高1の夏休みより前なのか、
それとも、秋〜3学期に近いタイミングなのか
によって、取るべき行動が変わってきます。
◆高1の途中で中退して留学スタートした場合
日本の高校では、4月から翌年3月まで在籍し、必要な成績を修めることで単位が認定され、進級する仕組みです。
一方で、高1の途中で退学した場合、
在籍期間はあっても「高1を修了した」とは見なされないのが一般的です。
そのため海外の高校では、
日本の高1の途中で辞めた生徒=中卒扱い
となり、現地の高校1年生として入学し直すケースが多くなります。
「やり直し感」があるかもしれませんが、実際に学ぶ内容は日本とかなり違うので、「日本の高校も少し経験できたし、海外の高校も学べるから結果的にラッキー」くらいに考えてもいいと僕は思っています。
一番大きなデメリットは、
卒業までの期間が少し長くなる可能性がある
という点ですが、「人と違うルートを選ぶのが高校留学だ」と捉えられれば、それほど大きな問題ではないはずです。
◆あと数ヶ月で高1が修了するなら、まずは単位認定を優先
一方で、
- すでに3学期が近い
- あと少しで高1の全単位が取れそう
というタイミングであれば、
3月まで在籍して、高1を修了してから留学する方が有利なことが多いです。
日本で取得した高1の単位が、留学先の高校で一部でも認定されれば、
現地の高2(またはそれに近い学年)からスタートできる
卒業までの期間を短くできる
という可能性が広がります。
◆「学校にほとんど通えていない」人は例外になることも
ただし、すでに長期間学校へ通えていない人は別です。
欠席日数が多い場合、
- 成績が下がる
- 出席状況を理由に、留学先の高校に入学を断られる
といったリスクがあります。
このケースでは、
高1の単位取得にはこだわらず、中退 → できるだけ早く留学先へ願書提出
という選択肢が現実的になることもあります。
ここは個別の事情によって変わるので、迷う場合は早めに直接相談してほしいところです。
もし高校留学という選択がどうしても難しくなったとしても、「高校を中退したら終わり」ではありません。
日本には、高校を卒業していなくても大学進学などの道につながる 高等学校卒業程度認定試験(いわゆる高卒認定) という制度もあります。
制度の概要は、文部科学省の『高等学校卒業程度認定試験』で確認できます。
②日本の高校の単位が認められない科目もある|国や学校によっては高1をやり直すことも
多くの人が「高1を修了していれば、現地では高2からスタートできる」とイメージしがちですが、実はすべての単位がそのまま認められるわけではありません。
特に差が出やすいのが、
- 英語(English)
- 社会(Social Studies)
の2つです。
◆英語(English)は「国語」のような科目
現地の高校で学ぶ英語は、
文法問題を解くだけ
単語テストに合格する
というレベルではなく、
英語で考え、抽象的な内容を理解する力や、エッセイやプレゼンで、自分の考えを論理的に伝える力が求められる科目です。
日本の英語で「5」を取っていても、それがそのまま「English 10(高1相当)を履修済み」と認められないことはよくあります。
その場合、英語の単位が不足しているので「高2から編入」は認められず、「高1のEnglishから取り直し」になるといった判断がされることもあります。
◆社会(Social Studies)も「その国の社会」を学ぶ
中学・高校の社会で学ぶのは、主に「日本の歴史や地理」「日本社会のしくみやルール」が中心ですよね。
一方で、カナダやニュージーランドなど現地の高校では、
- 自国の歴史
- 多文化社会の課題
- 政治・環境・人権など、現在進行形のテーマ
など、その国で生きるうえでの土台となる内容を学びます。
そのため、「日本で社会の単位を取っているから、この科目は免除してほしい」という主張が、そのまま受け入れられないケースも多いです。
◆何が単位認定されるかは「国・州・学校の判断次第」
ここが一番ややこしいところなのですが、
- どの科目を何単位認めるか
- どの学年からスタートさせるか
は、国・州・教育委員会・学校ごとに基準が違います。
そのため、「日本で高1を終えていても、現地では高1からやり直してください」という学校もあれば、「条件付きで高2からスタートしてOK」という学校もあります。
ここは学校選びの段階で必ず確認しておきたいポイントですね。
③「学年」という考え方が薄い海外の高校のしくみ
「高1からやり直しになるかも…」と聞くと、少し不安になるかもしれません。
でも、海外の高校ではそもそも「同い年だから同じ学年に在籍している」という意識は、日本ほど強くありません。
多くの国では、15歳以上になると単位制が基本になります。
- 科目ごとに必要な単位を取っていけばOK
- 「私は高2だけど、高1レベルの数学を取っている」
- 「高2だけど、高3レベルの理科を履修している」
ということがごく普通に起こります。
大切なのは、「何年生か」よりも
「卒業に必要な単位を全部取れたかどうか」という一点です。
その結果、
- 得意な科目を前倒しで取りきっておいて
- 苦手な英語・社会にじっくり時間をかける
といった、自分のペースに合わせた学び方ができるのは、留学生にとって大きなメリットです。
高校1年生で留学したい人が今からやるべき5つのこと
ここまでで、
- 「高1で中退しても、海外の高校に編入できる」こと
- ただし「タイミングと単位認定」がとても重要であること
は、なんとなくイメージできてきたと思います。
ここからは、今から具体的に何をすればいいのかを、5つのステップで整理します。
①いつから高校留学したいのか?を決める
まず決めるべきは、「いつから留学をスタートしたいか?」という留学開始時期です。
そのときに考えたいポイントは、主に次の2つです。
留学準備にかけられる時間はどのくらいか?
どの国に留学したいのか?
留学準備には最低でも数ヶ月は必要
学校選びや書類準備、ビザ申請、ご家族との話し合い…。
どんなに急いでも、高校留学の準備には数ヶ月単位の時間が必要です。
「とりあえず1ヶ月で間に合わせました」という例もゼロではありませんが、
「どこの国の、どんな学校で、どんな高校生活を送りたいのか」をじっくり考えながら決めていくには、やっぱり時間がかかります。
焦りすぎると、
- 選択肢をよく比較できない
- 「なんとなく決めてしまった」ことを後から後悔する
という可能性もあるので、スケジュールに少しゆとりを持たせて動くことをおすすめします。
②いつまでに(何年で)卒業したいのか?を決める
高校留学を「卒業」を目標にする場合、何年で卒業を目指すのか?をあらかじめイメージしておくと、学校選びや科目選択がかなり具体的になります。
目安としては、
高1からやり直す → 3年間留学
高2から編入スタート → 2年間留学
です。
もちろん、英語力や科目の難易度によって、計画どおりにいかないこともありますが、
「何となく行ってみる」ではなく、
「◯年で卒業を目指す」というゴール意識を持っておくことで、
留学生活のモチベーションも変わってきます。
③国によって違う教育制度を理解して、行きたい国を決める
入学時期・卒業時期を考えるうえで欠かせないのが、国ごとの教育制度の違いです。
例えば、
- アメリカ・イギリス・カナダ
→ 新学期は9月スタート - ニュージーランド・オーストラリア
→ 新学期は1月スタート
という違いがありますし、
- 1学期制(リニア制)で1年間同じ科目を続けて受ける学校
- 2学期制(セメスター制)で半期ごとに科目が切り替わる学校
など、同じ国の中でも制度はさまざまです。
この違いは、単位を落としてしまったときのリカバリーのしやすさや、英語クラスを取り直すチャンスがどれくらいあるかといった点にも大きく関わってきます。
「日本の高校を中退して留学する=ただでさえチャレンジの多い選択」
だからこそ、自分に合った教育制度を選ぶことがとても大切です。
④高校留学した後のこと・卒業後の進路を考えておく
高校留学は「ゴール」ではなく、あくまでその先の人生につながる通過点です。
- 帰国して日本の大学に進学したいのか
- 海外の大学を目指したいのか
- 専門学校や、別の進路も視野に入れているのか
によって、高校在学中に意識すべきポイントは変わってきます。
例えば、
帰国生入試を利用する → 各大学が求める条件や準備がある
海外大学を目指す → 国や大学ごとに入試制度・必要なテストが異なる
など、「高校で何をやっておくか」がそのまま「次のステップ」につながります。
今の時点で進路を完全に決める必要はありません。
ただ、「こういう未来の選択肢を持っておきたい」というイメージを持っておくことで、ブレにくくなります。
⑤今の学校へ毎日行くこと|出席日数が少ないと入学許可が下りないことも
最後に、とても大事なポイントです。
高校留学を考え始めた人の中には、
「どうせ留学するから、日本の学校なんてあまり行かなくていいや」と考えてしまう人もいます。
しかし実際には、出席日数は成績と同じくらい重要な評価項目です。
留学先の高校が願書をチェックするとき、
- 成績(評定平均)
- 出席状況(欠席日数・遅刻の有無など)
をセットで見て、「この生徒は、留学したあともちゃんと通ってくれそうか?」を判断します。
特別な事情がないのに欠席が多い場合、評定平均が下がりますし、「真面目に通わないかもしれない」と判断され、入学を断られるということも実際にあります。
「どうせ中退して留学するから、今の学校はどうでもいい」という考えは、留学のチャンスそのものを狭めてしまう危険な考え方です。
もちろん、「すでに欠席が多くなってしまっている」という人や、「どうしても通えない事情がある」という人もいると思います。
その場合は、国や学校、タイミングによって対応が変わるので、個別相談で一緒に整理していきましょう。

高1で中退して高校留学を目指す人へのメッセージ(まとめ)
高1で中退して海外の高校に編入するというのは、決して「楽な逃げ道」ではありません。
- いつ学校を辞めるのか
- どの国・どの学校を選ぶのか
- 何年で卒業を目指すのか
をしっかり考えながら進めていけば、「日本の高校を中退したからこそ開けた、新しい未来」が必ず見えてきます。
ただ、そのプロセスは決して一人で考えきれるものではありません。
不安や疑問があるときは、まずは気軽にLINE@からメッセージを送ってみてくださいね。
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