
「高校留学って、本当にうちの子に合っているのかな?」
「ネットで“高校留学 やめとけ”って言葉を見て、不安になっている…」
そんな気持ちで、このページにたどり着いた方も多いかもしれません。
まず最初にお伝えしたいのは、
「向いていない=一生無理」ではない
ということです。
“いまのまま飛び込むと、かなりしんどくなりそうなサイン”
と考えてほしいのです。
このページでは、これまで多くの中高生・ご家庭を見てきた経験から、
「この状態のまま行くと、かなり苦労するだろうな…」
「まずはここを整えてから留学を考えた方がいいな」
と思うポイントを、5つのサインとしてまとめました。
但し、ひとつでも当てはまったら“即アウト”という話ではありませんよ。
「留学前に、どこを意識して準備すればいいか」を知るチェックリストとして読んでみてください。

サイン① 「勉強なんて意味ない。できれば楽だけしたい」と本気で思っている
まず1つめは、
「勉強=ムダ」「テストがないところに逃げたい」という気持ちが強いケースです。
「日本の勉強は受験のためだけ。だから価値がない」
「好きなことだけして生きていけたらいい」
と感じるのは、ある意味とても自然なことです。
日本の教育が、どうしても“点数”に偏りがちなのも事実です。
でも、高校留学で待っているのは、
- 知らないことを理解しようとする力
- 調べて、自分なりに考えて、言葉にする力
- 相手を説得できるように説明する力
といった、「学ぶ力」そのものをフルに使う毎日です。
「勉強が苦手」なのは大丈夫。でも「学ぶこと自体が嫌い」だと、かなりきつい。
というのが正直なところです。
チェックポイント
本や記事を読むのがイヤ
分からないことを調べるのが面倒
興味のあることでも、深く知ろうとする前に飽きてしまう
こうした傾向が強い場合は、留学に行く前に、「自分にとって“学ぶ”ってどんな意味があるんだろう?」を一緒に考えてみることをおすすめします。
「学ぶことそのものの価値」に気づき始めたとき、高校留学はぐっと現実的で、意味のある選択肢に変わっていきます。

そもそも学校って、勉強をするために行くところです。
ただ、その目的が「受験」だったり、勉強の仕方が「暗記中心」だったりという日本の現状があるだけであって、勉強の内容や勉強そのものが間違っているわけじゃないんですね。
(多くの人が勘違いしているポイントです。)
例えば、僕が今書いているブログの内容だって、皆さんにとっては、しっかり理解して、自分で思考を深めるという意味で、「勉強の一つ」です。
他人の意見や主張、知識や情報を理解するために本を読んだり、ネットで調べたり、また、自分の考えを相手に伝えるために文章を書いたりするのが嫌だという人は、絶対に高校留学をしてはいけません。
「日本で学ぶこと」が、どれくらい高校留学の役に立つのか?また、それがどれくらい大切なことなのか?をお伝えしている動画があります。ぜひご覧くださいね。

サイン② いつも受け身で、「周りが決めてくれる」のが当たり前
2つめは、
「自分から動くより、誰かが決めてくれる方がラク」というタイプです。
日本では、
- 空気を読む
- 指示に従う
- 目立たないようにする
ことが「良い子」のイメージと結びつく場面も多くあります。
でも、海外の高校では、
「話さない=意見がない」「動かない=やる気がない」
と受け取られてしまうことが少なくありません。
授業で分からないことがあれば、
- 先生に質問する
- 友達に聞きに行く
など、自分から動かなければ状況は変わりません。
友達作りも同じです。声をかけてくれるのをずっと待っているだけでは、いつまでたっても輪の外のままです。
チェックポイント
クラスや部活でも、基本的に受け身
分からなくても質問せず、「教えてくれないのは先生が悪い」と感じてしまう
自分の意見を言うのが怖くて、嫌われるのではと黙ってしまう
こうした傾向が強い場合は、いきなり「積極的な人」になろうとしなくても大丈夫です。
でも少なくとも、
「困ったら、自分から誰かに助けを求める練習」だけは、留学前から少しずつしていく必要があります。
それでも、もし「私は日本人だし、こういうキャラだから、積極的にはなれません」という人がいるんだとしたら、絶対に高校留学しない方が良いタイプです・・・汗。

サイン③ 何かあると、すぐ「人のせい・環境のせい」にしてしまう
3つめは、
うまくいかないことがあると、すぐに「誰か」「どこか」のせいにしてしまうクセです。
- 「ホストファミリーが悪い」
- 「学校のシステムが悪い」
- 「周りの子が冷たい」
たしかに、環境が原因になることもゼロではありません。
でも、海外では
「その環境を選んだのは自分」「そこからどう行動するかも自分次第」
という考え方が、ごく当たり前に共有されています。
もちろん、つらいときに弱音を吐くのは悪いことではありません。ただ、
- そこから「じゃあ、どうしようか?」に切り替えられるか
- 自分の行動を変える視点を持てるか
によって、留学生活の景色は大きく変わります。
チェックポイント
トラブルがあると、真っ先に「誰のせいか?」を考えてしまう
「どうしたいか?」より、『誰が悪いか?」が気になる
自分の行動を振り返る前に、周りを責めたくなる
こうしたときに意識したいのは、
「じゃあ、自分にできる一歩は何だろう?」と、自分側に矢印を戻して考える習慣です。
これは一朝一夕では身につきませんが、少しずつ練習していけば、どんな環境でも自分の足で立てる力になっていきます。

エリンがホストファミリーとの関係について悩んでいた時に、どういう行動を取ったか?について、お伝えしている動画です。
ぜひ参考にしてくださいね。

サイン④ 「できない理由」探しが得意で、まだ何も始めていない
4つめは、
「やる前から、できない理由がいくつも出てくる」タイプです。
- 「英語ができないから無理」
- 「性格的に向いてない」
- 「友達ができなかったらどうしよう」
- 「失敗したら人生終わりそう」
もちろん、不安を感じるのは当たり前です。
ただ、その不安を「理由」にして、何も動かないままだと、
「できなかった」のではなく「やらなかった」だけになってしまいます。
高校留学に限らず、新しい一歩を踏み出すときには、不安・期待・“自分なんかにできるのかな…”という気持ちが、いつもセットでやってきます。
チェックポイント
頭の中のシミュレーションばかりして、行動に移せない
情報を集めるだけで、いつまでも決められない
「失敗したらどうするの?」が口癖になっている
こうしたときに大事なのは、
「だから、やめておこう」ではなく、「じゃあ、どんな準備をしたらチャレンジできそう?」と考えてみること。
“やめておく理由”ではなく、“チャレンジに近づく準備”に意識を向けられるようになると、留学だけでなく、その後の進路選択も大きく変わっていきます。
「新しいチャレンジをする時に勇気が欲しい人」に向けた動画を作りました。

サイン⑤ 挨拶・返事・「ありがとう」が極端に苦手で、直す気もあまりない
最後の5つめは、
一見小さなことに見えるかもしれませんが、とても大切なポイントです。
挨拶・返事・お礼が、ほとんど言えない。そして「まあ、別にいいか」と思ってしまうことです。
海外の高校生活では、
- 最初に声をかけてくれるホストファミリー
- ゆっくり話してくれる先生
- 不慣れな英語を待ってくれるクラスメイト
など、多くの「助けてくれる大人/仲間」がいます。
そのときに、目を見て「Hi!」「Thank you!」が言えるかは、想像以上に人間関係を左右します。
チェックポイント
初対面でも、知っている人でも、自分から挨拶するのが苦手
何かしてもらっても、言葉に出して「ありがとう」が言えない
「恥ずかしいから」と、返事をあいまいにしがち
「シャイだから」「日本人だから」で済ませてしまうと、せっかくのチャンスをたくさん取りこぼしてしまいます。
しかし、逆に言えば、
挨拶とお礼をしっかり言えるだけで、海外では驚くほど多くの人が味方になってくれる。
それくらい、シンプルだけど強力な“力”です。
まとめ:「向いていない=あきらめるべき」ではない
ここまで5つのサインを紹介しましたが、1つでも当てはまったからといって、「だからあなたは高校留学をあきらめなさい」と言いたいわけではありません。
本当は「向いていないかどうか」よりも、「自分のどこを整えてから行くか」を考えることが大切だと考えています。
- 「今のまま行くと、かなりしんどくなるかもしれない」
- 「でも、考え方や準備を変えれば、チャンスにもなる」
高校留学は、そんな「両面」を持った選択肢です。
こういう話を知って高校留学するのと、知らずに留学するのでは、全く違った経験ができるんじゃないかなぁと思います。
一度しかない10代の貴重な高校時代です。
後悔のない、充実した最高の高校留学に繋がれば良いなぁと願っています。
なお、「そもそもどんな留学の形があるのか」「自分に合った留学って何だろう?」を整理したい方は、公的機関・日本学生支援機構(JASSO)が運営する海外留学情報サイトの「はじめての留学」ページも参考になります。


