コロナ禍でも高校留学を諦めなかった理由について
私は今、カナダのアルバータ州・カルガリーに1年間の予定で高校留学に来ています。
渡航したのは2020年8月。
新型コロナウイルスの影響で、ほとんどの国が入国制限をしていた時期です。
「留学ができるのできないの?」「コロナ禍で留学して大丈夫?」など、様々な意見や情報が飛び交う中で、留学スタートしました。
他の人のことは分かりませんが、私は新型コロナがあるからといって、高校留学をやめようとは思いませんでした。
でも、留学の時期を変えたほうがいいのではないかと思ったことはありました。
やはり、このパンデミックが起こっている時期じゃない方が、留学を楽しめるんじゃないかな?と考えることもありました。
なので、翌年以降に留学することも考えましたが、私はこのコロナ禍で高校留学することを決意しました。
その理由は大きく分けて3つあります。
理由① 高校1年生の時期に留学がしたかった。
最初に、私はなぜ高校留学をしたいのか?について改めて考えてみました。
私が高校留学をしたいと思った理由の1つは、高校生の間に何か新しいことにチャレンジしたいと思ったからです。
たまたま姉も高校時代に1年間留学していたということもあって、高校留学自体が身近な存在でした。
ただ、私は日本の高校が大好きなので、同級生と一緒に卒業するということも含めて考えると、「海外の高校を卒業する」という選択肢はありませんでした。
また、留学を通して将来を考えたかったので、大学留学するというのも私の中にはありませんでした。
単純に、将来の方向性について、自分と向き合って考える時間や環境が欲しかったんですね。
将来の夢や、行きたい大学が決まっていない私にとって、高校で留学することは、自分自身に良い影響を与えると思いました。
じゃあ、私が高校2年生ではなく、なぜ高校1年生で1年間の留学をすることを決めたのか?という点についてですが、
私は大学などの進路や方向性が決まっていなかったので、もし推薦入試やAO入試ではなく、一般入試を受験する場合、高校2年生の範囲の学習を帰国後に自分で数か月の間で行うよりも、1年生の学習を2年弱かけて追いついた方が良いと考えたからです。
私の高校では、留学を終えた後、元の学年に戻れます。
そのため、高校1年生で留学することが可能なら、その選択肢が私によってベストだと思ったので、コロナ禍の留学をすることにしました。
理由② すでに決まっていたホストファミリーを変えたくなかった。
実は、私は渡航する前の年の11月には、ホストファミリーが決まっていました。
メールでやり取りをしている中で、とてもいいホストだと感じていたので、できることなら、このホストで1年間過ごせたらなぁと思っていました。
さらに、私の高校では、毎年10人ぐらいの先輩が留学しているんですが、ホストファミリーが大変だという話や、合わなくてつらい思いをしていたという話を多く聞いていました。
そして、留学経験のある姉や両親からも、「ホストファミリーはビジネスである」という情報をもらっていたのが、強く印象に残っていました。
でも、ホストファミリーとやり取りをしていると、「一緒に旅行に行きましょう!」というメッセージが届いたり、部屋の飾りつけの写真を送ってくれるなど、温かさが伝わってくる内容だったんです。
もともと全く期待していなかったことだったので、「ぜひこのファミリーのもとで留学したい」と思うようになったんです。
私はその思いをホームステイを主催する団体に伝えたのですが、「もし来年に時期をずらしたらホストファミリーが変わる可能性がある」と言われました。
「このご縁を大事にしたい!」と思い、コロナ禍の不安はありましたが、留学することを決意しました。
理由③ たまたまビザが下りていた。
私の学校には、私を含めて11人が長期留学をする予定でした(1年間)。
アメリカやカナダ、フランス、ドイツ、フィンランドなど、行き先はバラバラでした。
これから留学する国について話したり、情報を共有したりしていたんですが、今回の新型コロナウイルスの影響で、留学が予定通りできるのは私だけでした。
たまたま私は、ビザ申請などの留学準備を早めに行っていたので、カナダのビザの発行が止まるより前にビザを取得できました。
これは本当にラッキーなことで、私自身、神様が与えてくれたチャンスだと思いました。
そして、「留学ができる状態なのに諦めるのはもったいない」と思いました。
来年行ける保証も、来年コロナが落ち着いている保証もなかったので、留学する事を決意しました。
もしコロナ禍で留学をするか迷っている場合は、自分と向き合うことが大事だと思っています。
「自分が何を求めているのか、何のために留学をするのか」によって、答えは変わってくると思います。
高校で留学する必要がない場合は、大学で留学するという選択もあると思います。
自分の目指す方向性を元にして、優先順位をつけるのが一番かなぁと思っています。
私の場合は、高校で留学をすることが一番大事だったので今、こうして留学をしています。
コロナ禍で高校留学して良かったこと・悪かったこと
私は卒業を目的とした高校留学をしていないので比べることはできません。
(2年目以降の留学をしている人に聞いていただけたほうが詳しく聞けると思います。)
ただ、私なりに、今感じているコロナ禍での留学の良し悪しについて、お伝えしたいと思います。
■コロナ禍でも留学して良かったこと
留学生が少ないので、留学していることをみんな褒めてくれます。
コロナ禍で危険な中、1人で知らない国に来て、ホストファミリーと住んでいるのはすごいとよく言われます。
また、みんなとても優しくサポートしてくれます。
これは留学生が多くてもそうかもしれませんが、英語で分からない事があるとみんな優しく教えてくれます。
コロナ禍であっても、友達を作ることもできれば、コミュニティ活動に参加することもできるし、私の場合は旅行やスキーもできています。
先生やホストファミリーに、何かしたいと伝えれば、充実した生活を送ることができると思います。
■コロナ禍で留学して困ったこと
せっかく仲良くなったお友達と気軽に遊びに行けないことです。
私は初日から友達ができて、今では多くの友達がいます。
ですが、ロックダウン中なので遊びに行けません。
外で会うのは、学校帰りにお店にいったり、お昼にテイクアウトでお店に一緒に行ったりすることぐらいです。
帰国前に一緒にダウンタウンに行って映画見たり、カフェで話したりすることをしたいです。
オンライン授業だと、単語がぶつ切れ状態で聞こえてくるため、先生の質問が理解できないことがあります。
ネイティブの子たちは予想することができるので、少しくらい単語が聞こえなくても理解していますが、私にとっては子音がちょっと抜けるだけで理解が難しくなります。
奨学金がありません。私はもともとトビタテ留学JAPANに応募していたのですが、コロナの影響で、トビタテ留学JAPANはキャンセルになってしまいました。
他の奨学金がどうなのかわかりませんが、留学できる人が少ないのでキャンセルが多いと思います。
旅行やスキーが中止になっています。
ホストファミリーがたくさんの旅行やスキーに連れて行ってくれると話していたのですが、どこも閉まってしまっていて、まだ数回しか行けていません。
でも、留学中に旅行やスキーに連れて行ってもらえていることは素晴らしいことで感謝しています。
だからこそ、旅行がキャンセルになったと聞くと、コロナが無ければいいなと思う瞬間があります。
学校の部活がありません。
その代わりに、留学生やカナダに最近来た学生向けのコミュニティには2つ参加しています。
他にもありますが、部活で学校の友達を作ろうと思っていたので、残念です。
高校留学はゴールじゃない!コロナ禍であってもなくても考えておいた方が良いと思うこと
高校留学はきっとコロナがあってもなくても大変ですし、日本にいても海外にいても感染リスクはあります。
私は、コロナを特別扱いするのではなく、高校留学の目的や意味などを踏まえて、留学をするべきなのかどうかを考えました。
今の時代は、留学をしなくても国際交流はできますし、英語スキルの向上もできます。
高校留学には多くのお金がかかりますし、留学したからといって目標がすべて達成できるわけではありません。
私は、留学はツールであり最終目的ではないと思っています。
一度、留学が自分にとってどれぐらい大切で、留学をすることがどれぐらい自分のアドバンテージになることなのかを考えるといいと思います。
決してすべての人が高校で長期留学をするべきだとは思いません。
将来の夢が決まっている場合は、それに向けての勉強のほうが大事な場合もあります。
もし、今留学することを悩んでいるのであれば、やめる選択、高校で留学をする選択、高校ではなく大学で留学をする選択、長期留学ではなく短期留学にする選択、もしくは全く違う選択、自分に合った選択をしたら良いかなぁと思います。
そうやって自分としっかりと向き合えば、後悔しない選択ができると思います。