この記事を書いた「留学パパ」はこんな人

高校留学=「交換留学」だと思っていませんか?
「高校留学」と聞くと、「日本の高校から海外の高校へ行って、海外の高校生も日本に来る」
そんな「交換留学」のイメージを持つ人も多いと思います。
でも実際には、高校留学には大きく分けて 「私費留学」と「交換留学」 の2種類があります。
自分で学校を選び、授業料や滞在費を支払って通うのが「私費留学」
学校は選べないけれど、費用が抑えられるのが「交換留学」
この記事では、その中でも 「交換留学」 に焦点を当てて、
- そもそも交換留学とは何か
- どんなメリット・デメリットがあるのか
- 向いている人・向いていない人
- よくある「後悔パターン」
を、親子で共有しやすい形で整理していきます。
「海外経験はさせてみたいけど、どんなリスクがあるのかも知っておきたい」そんなご家庭に向けた内容です。
《関連動画》高校生の交換留学 メリット・デメリットを知ろう!
ポイント① そもそも交換留学って何?目的と仕組みを整理しよう
1-1 世界平和と相互理解を目的に始まった制度
交換留学は、第二次世界大戦後の1948年ごろ、「世界中の若者がお互いの国を理解し、友好関係を築く」ことを目的に始まった制度です。
一般のボランティア家庭にホームステイし、現地の公立高校などに通いながら、 「異文化を体験し、相互理解を深める」 ことが一番の目的です。
- 現地の授業料やホームステイ費は免除(その代わり、団体へのプログラム費が必要)
- 世界中から同年代の生徒が集まり、お互いの文化を学び合う
「海外の高校を卒業すること」ではなく、「1年間、海外の高校生活を体験すること」 がゴール、というイメージです。

1-2 交換留学ならではのルールと条件
交換留学には、私費留学とは違う 大事なルール があります。
① 国はだいたい選べるが、具体的な学校や街は選べない
② 留学期間は1学期〜1年間などで、延長や卒業目的の留学は不可
③ ある程度の英語力が必要で、ELTiSなどの英語試験のスコア が求められることが多い
ホストファミリーの地域が優先されるため、「ファミリーが住んでいるエリアの学校に通う」という形になります。
「場所も学校も、あとから選び直せる」というイメージで申し込むと、後でギャップを感じやすい部分です。
1-3 単位認定と進級のポイント(36単位ルール)
交換留学を考えるときに、必ず確認しておきたいのが 「単位認定」 です。
- 文部科学省のルール上、外国の高校で修得した単位は36単位を上限 として、日本の高校の単位として認めることができます。
- ただし、最終的な判断は在籍している高校の校長先生に委ねられます。
進学校などでは、大学受験への影響を理由に、単位認定を認めず「留年のみ」という方針の学校もあります。
「進級できるか」
「1学年下の生徒と一緒に学年をやり直すか」
この違いは、交換留学後のモチベーションにも大きく影響します。
《関連動画》後悔しないために高校留学を考え始めたら最初に知っておくべきこと
1-4 交換留学と私費留学のざっくり比較
交換留学は、よく「安い留学」として紹介されますが、私費留学と比べたときに何がどう違うのかを整理しておきましょう。

私費留学についての詳しい情報が知りたいという方は以下の記事をじっくりとご覧ください。
▶︎多くの高校生が私費留学を選ぶ理由は?交換留学との違いと4つのタイプをやさしく解説

ポイント② 交換留学がピッタリな5つのタイプ
「自分(うちの子)は交換留学に向いているのかな?」と気になる方のために、交換留学が合いやすい5つのタイプを整理しておきます。
以下のうち、2つ以上当てはまる人 は、交換留学が現実的な選択肢になりやすいです。
タイプ1:日本の高校を卒業したい人
- 高校は日本で卒業したい
- 日本の大学受験も視野に入れている
- でも、高校時代に海外で「1年はしっかり過ごしてみたい」
という人には、1年間の交換留学は相性が良い選択肢です。
タイプ2:費用をできる限り抑えたい人
交換留学は、私費留学と比べて 授業料やホームステイ代が免除される分、年間の総費用を抑えやすいのが特徴です。
団体へのプログラム費・渡航費・保険料などは必要
団体によって違いますが、年間200〜250万円前後 が1つの目安
タイプ3:成績よりも「経験」と「英語力アップ」を優先したい人
- 学校の成績ばかりにこだわるよりも、まずは海外生活や異文化を経験したい
- 現地の高校生活・ホストファミリーとの生活・地域のイベントなどに積極的に飛び込んでみたい
という人にとって、交換留学はとても魅力的な環境です。
タイプ4:欧米以外の国も候補に入れたい人
私費留学では、どうしても アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアなどの英語圏 が中心になりますが、交換留学の団体によっては、アジア・アフリカ・南米などにも派遣枠があります。
「せっかくなら、日本人が少ない地域で挑戦してみたい」という人には、交換留学だからこそ広がる選択肢もあります。
タイプ5:日本人の少ない環境でチャレンジしたい人
交換留学は海外団体が主催していることが多く、世界中から応募があるため、日本人の枠はそう多くありません。
同じ学校に日本人がいないケースも多い
「No Japanese」の環境になりやすい
「日本語に頼らず、英語だけでやってみたい!」という人には、チャレンジしがいのある環境です。
ポイント③ 交換留学には向いていない3つのタイプ
一見、魅力の多い交換留学ですが、人によっては「選ばない方がいい」ケース もあります。
以下の3タイプのうち 1つでも当てはまる人 は、私費留学を含めてもう一度じっくり考えてみましょう。
タイプ1:海外の高校を卒業したい人
J-1ビザの交換留学は、「卒業を目的とする留学ではない」 というルールがあります。
選択肢① 1年の交換留学後、一度帰国してから私費留学に切り替える
選択肢② 別の学校・別の国で編入し直して卒業を目指す
というパターンもありますが、
◆交換留学の学校と同じ学校に戻れる可能性はない
→当然、ホストファミリーも友達もすべて一新
◆国やカリキュラムが変わると、これまでの単位がうまく認められないこともある
などのリスクがあることは、事前に知っておいた方が安心です。
タイプ2:行く国・エリア・学校を自分で選びたい人
交換留学では、「国」や「第1希望・第2希望のエリア」は出せても実際の街や学校、ホストファミリーは選べないというルールです。
「治安の良い〇〇州の郊外がいい」
「〇〇系のコースがある高校がいい」
というように、学校や地域を自分で細かく選びたい人は、私費留学の方がミスマッチが少なくなります。
タイプ3:サポート体制や安全面を優先したい人
交換留学は費用を抑えられる分、
・専門の日本人スタッフが常駐しているわけではない
・ボーディングスクールのように「キャンパス内完結」で守られている環境ではない
・治安や生活環境は「ホストファミリー次第」の側面が大きい
という現実もあります。
「トラブルが起きたとき、どこまでサポートしてもらえるのか」事前に団体の説明会や資料で、必ず確認しておきましょう。
ポイント④ 知っておきたい「ありがちな失敗パターン」
交換留学そのものが悪いわけではありませんが、
「仕組みをよく理解せずに決めてしまったことで後悔した」 という声もあります。
ここでは、よくある失敗パターンをいくつか挙げます。
失敗パターン1:単位認定の確認をせずに出発してしまう
「帰ってきたら自動的に進級できる」となんとなく思い込んでいた
実際には在籍校の方針で単位認定がされず、1年留年することが決まってしまった
というケースは、実際に少なくありません。
⬇︎在籍している学校に必ず確認したいこと⬇︎
出発前に、在籍校の先生と以下を必ず確認しましょう。
✅交換留学中の単位は、どこまで認めてもらえるのか
✅戻ってきたときに進級できるのか、留年になるのか
✅大学受験への影響はどう考えておくべきか
《関連記事》
高校生のうちに交換留学したい人のために、文部科学省が示したガイドラインも参考にしてくださいね。
▶︎文部科学省 トビタテ!留学JAPAN 「高校生の留学準備ガイド」
失敗パターン2:英語力が足りず、授業についていけない
交換留学では、留学生用のESLクラスがない高校も多く、
- 最初からネイティブと同じ授業を受ける
- 宿題やレポートもすべて英語
- 先生やクラスメイトの会話スピードも容赦なし
という環境になります。
そのため、「ELTiSなどの試験にはギリギリ合格したけど、実際の授業が全く分からず、毎日ヘトヘト…」
という状況に陥る人もいます。
⬇︎渡航までに必ず準備しておいた方が良い英語力UPのポイント⬇︎
✅出発前に、リスニングとリーディングを集中的に鍛える
✅「英語で授業を受ける」ことを意識した学習(ニュース・YouTube・オンラインレッスンなど)
✅可能であれば、事前準備用のレッスンに参加する
「海外の授業についていくために何をやったら良いの?(実際の授業ってどんな内容?)」
「ホストファミリーや先生とどうコミュニケーションを取ったら良いの?』
「友達づくりが不安です…」
といった、中高生の本音を解決するために、50のオンラインレッスンを通じて、高校留学経験者のエリンがマンツーマンでサポートする「高校留学準備レッスンSLEEK」を体験してみてください。
「現地に行ってから何とかする」ではなく、「行く前にどこまで準備しておけるか」 が、その後1年の充実度を大きく左右します。
失敗パターン3:ホストファミリーや学校が合わず、気持ちが折れてしまう
交換留学では、
・ホストファミリーは自分で選べない
・学校も基本的には選べない
・自己都合での転校・帰国は認められない
というルールがあります。
「イメージしていたアメリカの高校生活と違った」
「ホストファミリーと性格が合わない」
「同年代の友達がなかなかできない」
最初の数ヶ月は、誰にとっても試練の時期です。
⬇︎準備にしっかりと時間をかけよう!⬇︎
✅出発前に、「どんなことがあっても、この1年で何を学び取りたいか」を親子で言語化しておく
✅団体側の相談窓口やコーディネーターの連絡先を、本人も保護者も共有しておく
✅「それでもしんどいときはどうするか?」の相談先を決めておく
「渡航後も何かあったら留学パパやエリンに相談がしたい!」という方へ
「FED Academy」のメンバーになっておくと、いざという時にいつでもLINE@無料相談ができます!

ポイント⑤ 「途中から卒業したくなった」ときの落とし穴
交換留学をしていると、
「このままここで卒業したい」
「友達とも離れたくないし、もっと長くいたい」
という気持ちになる人も少なくありません。
気持ちとしては、とてもよく分かります。
ただ、そのときに勢いだけで動いてしまうと、後で「こんなはずじゃなかった」と感じることもあります。
よくある誤解とリスク
リスク① 交換留学で通っている公立高校には、そのまま私費では残れない(特にアメリカ)
リスク② 国や学校を変えると、これまでの単位がそのまま認められないことがある
リスク③ 大学進学を目指す場合、交換留学中の成績もすべて評価対象になる
「交換留学だから、多少成績が悪くても大丈夫だろう」という感覚のまま卒業コースに切り替えると、
大学出願時に不利になる可能性もあるということです。
交換留学か私費留学か迷ったときの考え方
ここまで読んで、
「うちの子には交換留学が合いそう」
「やっぱり卒業留学も含めて考えた方が良さそう」
と感じるご家庭もあると思います。
そんなときに役立つのが、次の3つの視点です。
- ゴールはどこか?
- 日本の高校卒業+海外経験
- 海外の高校を卒業したい
- 将来、海外大学も視野に入れている など
- どこまで費用をかけられるか?
- 1年間の交換留学で経験を広げる
- 費用をかけても、環境を選べる私費留学にする
- 段階的に「交換 → 私費」と進むべきか など
- 本人の準備と覚悟の度合いは?
- 英語力
- 自立心・メンタル
- 新しい環境に飛び込む力
《関連記事》
▶︎アメリカの高校留学ー卒業留学と交換留学 最初に知っておくべき基礎知識

▶︎多くの高校生が私費留学を選ぶ理由は?交換留学との違いと4つのタイプをやさしく解説

まとめ:後悔しない交換留学のために、今できる準備と次の一歩
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 交換留学は「卒業」ではなく 異文化交流を目的とした1年のプログラム
- 学校や地域は基本的に選べず、J-1ビザ・一定以上の英語力が必要
- 費用は私費留学より抑えられる一方、サポートや安全面のリスク も理解しておく
- 単位認定(36単位を上限)はあくまで 在籍校の判断 による
- 向いている人・向いていない人を整理したうえで、「交換留学か、私費留学か」 を冷静に検討することが大切
次の一歩に進みたい方へ
1. まずは「高校留学の全体像」を本で整理したい人へ
→ 書籍『中高生の海外留学〜知るたび、自分と未来が広がる本〜』をご一読ください。
2. 英語力やマインドの準備を本気で整えたい人へ
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