この記事を書いた「留学パパ」はこんな人
意外なことなんですが・・・
「高校留学=交換留学」と思っている人が多いんです。
「海外から日本へ生徒を受け入れたり、日本から海外の高校へ留学する」
そんなイメージでしょうか・・・
実は、高校留学は大きく2つに分かれます。
1つが「私費留学」と呼ばれる留学。そして、もう一つが「交換留学」です。
私費留学については、別の記事で詳しく説明しますが、
この2つ一番の違いは、「希望の留学先を選べる留学」が私費留学で、「学校を選べない留学」が交換留学です。
交換留学だから、費用が要らないとか、そういうことじゃありませんよ(笑)。
今回は、「高校生の交換留学って何?」というテーマで、これさえ読めば、交換留学の概要はすべて理解できる!という内容の記事になります。
ネット検索をしていても、出てくるのは「団体やエージェントの宣伝のような情報」ばかりなので、何を信じたら良いのかわからない・・・
という人も多いと思うので、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
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【重要なお知らせ】
この記事で紹介している費用については、US1ドル=約105円で計算しています。ご覧いただく時点での各国の為替レートに換算してご理解ください。
ポイント① そもそも交換留学って何?正しく理解していないと思わぬ落とし穴が!?
-1 目的が明確なのが交換留学
交換留学は、世界各地での異文化体験が主な目的です。
一般のボランティア家庭にホームステイして、現地の学校に通いながら、さまざまな人や生活に触れて、相互理解を深めるために留学することを言います。
(滞在費や学費は無料です。)
1948年(第二次世界大戦後)に、世界中の青少年にアメリカをもっと理解してもらおう!友好関係を築こう!ということで始まった制度なんですね。
世界平和の実現のためにスタートした交換留学制度ですが、最近ではビジネス的な要素も強くなって来ているので、私費留学との違いもわかりにくい感じがしますね・・・。
-2 留学期間や条件にも厳しいルールがある
当初は1年間(10ヶ月)という制度でしたが、今は半年間とか、1学期間など、取り扱っている団体ごとに違いがあります。
また、一般的な私費留学との最も大きな違いは、大きく以下の3つになります。
・国は選べても、学校は選べない。(一部の団体では州まで選べるところもある。)
・留学期間の延長や、卒業を目的とした留学はできない。
・一定レベル以上の英語力が必要で、事前の試験も受ける必要がある。
という点です。
ホストファミリーの選定が優先されるため、滞在先は選べず、結果的に決まった滞在先の近くの高校に通うということになりますね。
ビザについても、J1ビザ(交流訪問者ビザ)となるため、卒業を目的とした留学ではありません。
途中で現地の高校を卒業したい!と思っても、必ず帰国しなければいけないルールになっています。
但し、現地の高校で学んだ科目については、日本の高校の学校長の判断で、36単位を上限に単位認定をしてもらえます。
この後、詳しく説明しますが、留年をせずに進級できる可能性もあるわけですね!
そして、英語力についてですが、いきなり現地の高校へ入って、ネイティブの生徒たちと一緒に机を並べて学ぶわけですから、最低限の英語力が求められます。
ほとんどの団体では、ELTiSなどの英語の試験を受けて、一定以上の点数を取ることを条件にしています。
ELTiSはあまり馴染みのない試験ですが、レベル的には、英検で言うと2級程度と言われています。
交換留学は、世界各地での異文化体験が主な目的です。
なかなか大変ですよね・・・。
-3 どんな団体が主催しているの?
交換留学を取り扱っている団体のほとんどは、アメリカを中心とした海外の団体になります。
日本をはじめ、世界中に支部があるところが多く、独自のネットワークを作って、学校やホストファミリーと提携していますね。
ということは、皆さんがリサーチして見つけ出すほぼ全ての団体は、日本法人ではなく、あくまで支部としての「代理店機能を持ったところ」と思って間違いありません。
これが何を意味しているか?というと、「日本のルールではない」ということです。
いろんな意味で、世界基準であり、非常にドライですね。
世界中から生徒が応募して来るわけですから、基準を明確にして、例外は一切認めないという部分はあります。
応募したら必ず合格できるということもありませんし、ましてや、現地で日本的な「手厚いサポート」を期待してはいけません。
老舗(しにせ)の団体もあれば、比較的歴史も浅く、独自のブランド名で学校を作って、そこへ生徒を派遣しているような団体もあります。
(一見、交換留学のように見えますが、ほとんど私費留学に近い団体もあります。)
良い悪いということではなくて、そういうものなんだという理解はしておいた方が良さそうです。
あと、似ているようで全く違うのが、日本の高校と提携している高校への留学です。
これも交換留学と呼ぶ人が多く、必ずしも間違いではありませんが、
留学エージェントが間に入っている場合が多く、そうなると交換留学ではなくて、私費留学である可能性もあります。
日本の学校がプログラムとして組んでいる関係で、卒業を目的とするのではなく、帰国してその高校を卒業するという前提がありますね。
「姉妹校」という提携校がある高校もあります。
学校同士の「生徒の交流」という意味では、交換留学ですが、本来の目的とは違いますよね・・・。
確かに、日本の高校からのプログラムというと、安心感はあります。
でも、費用が割高であったり、同級生と一緒の留学先になる確率が高いことなど、本来の交換留学の目的とは違ったタイプの留学になっていることが多い印象です。
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-4 交換留学で最も重要なのが単位認定の有無です!
交換留学を考える人は、事前によ〜く確認をしておかなければいけないことがあります。
それが、
自分の在籍している高校が、交換留学している間の単位を認めてくれるかどうか?
です。
前述の通り、文部科学省のルールで、海外で学んだ科目の単位は、1年間で36単位を上限に認められます。
但し、これは在籍校の学校長の判断に委ねられています。
特に、進学校などでは、受験への影響から、単位認定をしてくれず、留年しか選択肢がない学校も少なくありません。
帰国後に、1学年下の下級生と同じ学年になるわけですから、気になる人は気になりますよね・・・。
(あと、当然ですが、受験も1年遅れますね。)
ポイント② 交換留学はどんな人にピッタリな留学なの?
交換留学がどんなものなのか?というのは、何となく理解してもらえたと思います。
でも、自分には交換留学が合っているんだろうか?って、気になる人もいると思うので、
留学パパが考える「高校留学がピッタリな人のタイプ」について、お話しますね!
以下の5つの項目の中で2つ以上が当てはまる人は、交換留学の方が向いている可能性は高いです。
【タイプ1:日本の高校を卒業したい人】
高校留学はしたいけど、卒業は日本の高校で!という人ですね。
日本の大学進学も視野に入れている人であれば、留学期間は最大でも1年だと思い
ます。
であれば、この後お話する費用面も考慮すると、現実的な選択肢になりますね!
【タイプ2:費用をできる限り安く抑えたい人】
交換留学は私費留学より割安で留学することができます。
滞在費(ホームステイ代と食費の一部)と授業料が免除なので、団体への手数料や諸経費はかかりますが、それでも私費留学よりは安く抑えることができます。
団体にもよりますが、一般的には、年間150万円〜200万円以下で留学が可能です。
【タイプ3:単純に海外経験を楽しみたい・英語力を伸ばしたい人】
異文化交流が目的なのが交換留学ですから、あまり成績のことを心配せずに、伸び伸びと色んなことにチャレンジしたい!という人にはピッタリですね。
ホストファミリーとの家庭での生活や学校生活はもちろんですが、地域社会とのつながりも積極的に持つことで、新しい発見や学びもたくさんあります。
結果的に「英語漬け」の毎日を送るわけですから、英語力アップも期待できますね!
【タイプ4:欧米以外の国に留学したい人】
私費留学の場合の留学先は、やはり欧米の英語圏がメインとなります。
欧米以外の国に行きたくても、取り扱いをしている留学エージェントはかなり稀です。
しかし、交換留学を扱う団体の中には、アジアやアフリカ、南米などに生徒を派遣している団体もありますから、選択肢は広がりますね。
【タイプ5:日本人がいない(日本語を話さない)環境でチャレンジしたい人】
さっきもお話した通り、交換留学は海外の団体が主催している関係で、世界中から生徒が集まります。
当然、日本人に割り振られる枠(人数)は多くありません。
しかも、ホストファミリーがいるかどうか?が優先されて留学先が決まるというルールがあります。
例えば、仲の良い友達と一緒に申し込みをして、運良く両方ともアメリカへの留学に合格したとしても、同じ高校へ通うことになる確率はかなり低いんですね。
これが私費留学になると、人気のある学校には、一定数以上の日本人留学生がいます。
皆さんの中には、「できるだけ日本人と関わらない環境で、No Japaneseで過ごしたい!」と思っている人もいるでしょう。
そういう人にとっては、交換留学だと、とっても良い環境が得られるはずです。
ポイント③ 交換留学に向いていない人ってどんな人?
一見、費用も安くて、海外に興味がある人であれば、問題なくチャレンジできそうな交換留学ですが、知らなかったことで後悔をするという内容もあります。
ここでは、そうならないために「こういう人は交換留学をやめた方が良い」というタイプについて、お話していきましょう。
大きくは3つのタイプがあります。
この中のどれか1つでも当てはまる人は、交換留学ではなく、私費留学を選んでくださいね。
タイプ1:海外の高校を卒業したい人
交換留学の基本ルールとして、J-1ビザは期限が決まっているという話をしました。
なので、海外の高校を卒業したいという希望が最初からある人は、交換留学を選ばない方が良いです。
一部の国や地域では、交換留学が終わった後に、一旦帰国して、私費留学に切り替えて卒業留学を目指すという人もいます。
交換留学で1年。そして、私費留学で1年〜2年頑張ると、物理的には海外の高校を卒業することができます。
費用面を考慮して、あえてその方法を選ぶ人もいますし、実際に交換留学している途中で「やっぱり現地で卒業したい!」と思い始める人もいます。
その意味では、選択肢があるというのは素晴らしいことですよね。
ただ、方法論としては「あり」ですが、いくつかのリスクも知っておいてください。
リスク① 交換留学していた学校と同じ学校へ私費留学できる可能性はほぼない。
特にアメリカは公立高校への私費留学ができない国です。
なので、どれだけ気に入った学校であっても、戻ってくることはできません。
リスク② ホストファミリーも、友達も変わる。
これも当たり前のことですが、留学先が変われば、新しい人間関係を作り直さないといけません。
留学当初の孤独な時間を、また一から体験するということです。
これまでの留学が最高だったという人でも、環境が変われば、思い通りにいかないことを経験することになるかも知れません。
リスク③ 国が変われば、これまでの単位がすべて認められるとは限らない。
学校も違えば、ひょっとしたら国が違う場合もあります。
そうなると、これまで勉強して来た内容が活かせない場合もあれば、単位が上手く認めてもらえなくて、通常よりも多く科目を取らなければいけないこともあり得ます。
例えば、アメリカの高校へ交換留学していた人が、カナダの高校へ転校した場合、社会科などの一部の科目は単位認定してもらえません。
そのことで、卒業時期がズレる可能性が出てくることも理解しておきましょう。
リスク④ 大学留学も視野に入れるのであれば、過去の成績はすべて評価対象となる。
交換留学は、いきなり現地にどっぷりと浸かる留学です。
私費留学のような手厚いサポートが期待できないので、当初は勉強面において相当苦労します。
もともと落第の心配がなく、異文化交流が目的の留学だったので成績の気にせず過ごせていたはずです。
しかし、私費留学で卒業を目的としたものに切り替えるとなれば、話は別です。
交換留学していた時の成績評価は、すべて大学進学の評価に含まれてきます。
過去3年間の成績が、入学許可をOKするかどうか?の重要項目となるんですね!
「その期間は、交換留学中だったので、成績はあまり良くないんです・・・」
なんて、言い訳は一切通用しません。
もし、皆さんの卒業後の進路が、海外の大学を目指すという場合は、注意が必要ですね。
タイプ2:渡航先(エリア)や学校を自分で選びたい人
交換留学では、国(又は州)の希望は出せますが、実際に住む場所や学校は選べないルールでしたね。
どうしても行きたい場所や学校がある!という人は、私費留学しか選択肢がありません。
交換留学で決まった留学先に行ってはみたものの、気候が合わなかったとか、学校がイメージと違っていたということがあっても、自己都合による転校はできません。
万が一、それが理由で留学を止めたとしても、当然、支払ったお金は戻って来ませんし、場合によってはペナルティが課されることもあります。
そういうリスクを避けたいという人は、迷わず私費留学を選びましょう!
タイプ3:英語力に全く自信がない人
交換留学に応募しても、採用されるかどうか?は、書類と試験の内容次第になります。
特に重要なのは、やはり「英語力」です。
前述の通り、英検であれば2級程度のスキルが必要なので、申し込み直前で英検3級レベルの人は、残念ながら厳しいですよね・・・。
もちろん、条件付きで合格がもらえるケースがあります。
渡航日、又は決められた日までに、英語の試験で基準点をクリアしていればOKですよ!というルールを設けている団体もあります。
「あ〜、良かった」と思う人もいるかも知れませんが、試験をクリアするかどうか?だけの問題ではありません。
現地で留学生サポートのない学校へ飛び込むわけですから、中途半端なレベルで渡航することになると、実際に留学がスタートしてから、大変な苦労を強いられることになります。
だから、本当に英語力に不安がある人は、交換留学よりは、私費留学の方が良いかもしれません。
もちろん、渡航までに何とかする!と、本気を出せるのであれば、それが一番ですね(笑)。
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ポイント④ えっ!?そんなことがあるの?交換留学で本当によくある失敗事例
たくさんの夢や憧れのある高校留学です。
できれば最高の経験と思い出づくり、そして、英語力アップを期待したいですよね!
でも、実際には、「こんなはずじゃなかった・・・」という話もたくさんあります。
留学パパのところにも、時々、とっても苦労した話や、ちょっとしたトラブルの話で、相談を受けることがあります。
「えっ!?そんなことがあるの?」というような事例もあるので、そうならないために、いくつか皆さんにも紹介しておきたいと思います。
失敗事例① 交換留学は必ずしも安いとは限らない!?学校による差ではなく、扱っている団体による差が大きい!
私費留学に比べて費用を安く留学できるのが、交換留学だということをお伝えしました。
でも、よく調べてみると、交換留学が必ずしも安いということはないなぁと感じる点がいくつかありました。
その1つは、確かに「滞在費や授業料は免除」なんですが、団体に払う手数料がとてつもなく高いということです。
一般的な交換留学の団体は、1年間の手数料を150万円前後に設定しています。
一方で、僕が調べた中で、私費留学で最も安いところで、年間180万円程度(学費+滞在費+手数料)です。
パッと見た感じでは、当然、私費留学が高いんですが、私費留学の費用って、滞在費と授業料に、エージェント手数料を入れた総額なんです!
エージェントによって、手数料には差があるので、もう少し費用のかかるエージェントもありますが、150万円前後の手数料を取るエージェントはありません。(というか、僕は知りません。)
じゃあ、その100万円以上、手数料に差がある分だけ、手厚いサポートを交換留学団体がしてくれるのか?と言えば、答えは「No」です!
むしろ、その反対で、さっきもお伝えした通り、良い意味でも悪い意味でも、平等で「ドライ」な対応です。
それでも、総額が安いんだから良いでしょ?
という人もたくさんいると思います。
その通りです。
「安いのは正義」だと、僕も思っています(笑)。
でも、それは「品質が同じなら」という前提があればの話です。
「地元のコーディネーターのサポートがあります!」という謳い文句はよく聞くんですが、実際には、何かあった時に、その方がすぐに駆けつけることができる場所に住んでいるとは限りません。
そして、日本語ができるスタッフなどは、ほぼいないと考えないといけません。
(世界中に日本人スタッフを雇うお金など、どの団体にもないんですよね・・・。)
だから、何かあれば日本支部へ連絡するわけです。
だったら、その高い手数料は、いったいどこへ流れているの???
という疑問が出てきますよね。
誤解のないようにお伝えしますが、すべての団体の、すべての国やエリアで問題があるかも!?という話ではないので、ご理解くださいね。
僕がここでお伝えしたいのは、交換留学は「留学先の学校に差がある」というよりは、「交換留学を扱う団体に差がある」ということなんです。
「よくネットの広告で見かけるから安心だろう」とか、「扱っている国や学校が多いから信頼できる」という単純な話じゃないんですね・・・。
その見極めが、とっても難しくて、僕も最初は全く分かりませんでした。
でも、一つ一つの団体を丁寧に比較したり、留学パパに寄せられる皆さんからの相談や情報が増えてくるにしたがって、次第に理解できるようになったんですね!
そして、「えっ!?本当にそんなことがあるの!」っていう事例もありました。
あまり具体的な話をし過ぎると、せっかく高校留学に夢や憧れを持っている皆さんを不安にさせてしまう可能性もあるので、どうしても気になる人は、ぜひLINE@で個別に相談してくださいね。
可能な範囲で、お話したいと思います。
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失敗事例② ホストファミリーに問題があった場合は、かなりの確率で転校することになる
留学パパに寄せられる交換留学で一番多いトラブルは、ホストファミリーについてです。
もともとボランティアであるということから、「善意の人」と思っている人が多いと思います。
確かに、社会貢献の1つとして、留学生を受け入れているホストファミリーが多いのも事実です。
でも、実際には食事の問題や、物品の紛失、ホストによるセクハラ、門限などの厳しいルールを課す家庭など、運悪くそういうホストファミリーに当たってしまうことがあります。
私費留学のように、こちらが滞在費を支払っている場合は、1つのビジネスですから、こちらも強気で主張することができますよね?
でも、ボランティアが前提なので、言いたいことが言いにくいケースもあれば、改善要求しても、「これが我が家のルールだから」と言って、突っぱねられることもあります。
もちろん、それらがすべてホストが悪いという話ではないんですが、行き過ぎたトラブルについては、必然的に「ホストファミリーを変える」という判断になります。
それで、問題解決ができる!と思いたいところですが、そう簡単なことではありません。
交換留学は、「ホストファミリー(受け入れ先)がいる場所への留学」ですから、そのホストファミリーの近所に、別の受け入れ先がある保証はないんですね。
そうなると、単なる引っ越しではなくて、転校になることも多いですし、場合によっては、住んでいる州も変わってしまうというケースも出てきます。
引っ越しにかかる経費は、もちろん自分持ちですから、航空券の手配なども含めて、相当な額になる可能性もあるわけです。
さっきお伝えした話にもつながりますが、素晴らしいネットワークを持ち、サポートも万全な団体であれば、ホストファミリーの管理も徹底しているので、そこまで大きなトラブルにはなりません。
けれども、中途半端な団体だと、ただでさえホストとの辛い関係を乗り越えなければならない上に、転校・引っ越し・新しい友達作りなど、試練は山盛りですよね。
僕もこうしてお伝えしながら、「そうなって欲しくないなぁ」と祈るような気持ちなんですが、交換留学にありがちなリスクはリスクとして、しっかりと理解して欲しいと思って書いています。
失敗事例③ こんなはずじゃなかった!が最も多いのは、やはり友達作り
ホストファミリーの問題の次に多い相談内容について、シェアしたいと思います。
一言で言えば、「こんなはずじゃなかった!」という話です。
「こんなはず」って、どんなはず?
という気がしないでもないんですが、皆さんはそれぞれ高校留学に対して思い描いているものがあると思います。
それが「予想だったり、想定内の話」であれば、何の問題もないんですが、少しネガティブな内容になると、「想定外」の出来事に対しては、過剰反応してしまうことがあります。
その代表例が「留学生が周りにいない孤独感」です。
このインパクトは、皆さんが思う以上に相当なストレスになりますね。
交換留学の留学先の学校には、ESL(いわゆる留学生向けの英語コース)がない学校も少なくありません。
異文化交流が目的なので、どの学校に行くとしても、問題はないんですが、
ESLがないということは、留学生や、英語を十分に使いこなせない移民の生徒に対して、特別なサポートをする学校ではない
ということですよね?
当然のことながら、そういう学校の中には、「留学生が一人もいない」という学校だってあります。
娘のエリンを含めて、多くの留学生に聞いた話ですが、渡航して最初にできた友達は「他の国から来た留学生」なんです。
もちろん、徐々に留学生だけじゃなくて、現地の学生とも仲良くなるんですが、それは待っていたら自然に友達ができるというような甘いものではなくて、自分から積極的な行動を起こした場合にのみ言えることなんですね。
「日本人がいない環境でチャレンジしたい!」と思って選んだ交換留学ですが、実際に現地で生活し始めた時に、一時的に感じる孤独感は、想像以上だと思います。
僕も留学経験者なので、その意味が痛いほど分かっています。
ポジティブな言い方をすれば、「それを乗り越えて、たくさんの友達作りをするために頑張るのが留学だ!」ということになるんですけど、理想と現実というやつですよね・・・。
ここまで、事例を3つご紹介しましたが、いかがでしょうか?
「これ以上、聞かせないで欲しい!」と思った人もいるんじゃないでしょうか?(汗)。
最後に、僕がこのテーマでお伝えしたいのは、「だから、交換留学はダメだ」とか、「交換留学より私費留学がおすすめ」ということではありませんよ(笑)。
皆さんがこれから進んでいく道のりの途中で、もしこんなことが起こったらどうしますか?ということを事前に考えて欲しいんですね!
つまり、「想定外を想定しておく」ということです。
これは交換留学に限った話ではなくて、私費留学もそうですし、もっと言えば、人生だってずっとそうなんです。
そして、何かがあったとしても、自分は大丈夫!って自信を持って立ち向かって欲しいんですね。
「想定外の嫌なことがあったから、諦めて帰って来ました・・・」
みたいな人を増やしたくないんです。
できる限り、色んな情報をお伝えしていくので、ぜひ一緒に想定外を想定できるように頑張りましょうね!
ポイント⑤ 交換留学中に「やっぱり海外の高校を卒業したくなる可能性がある人」はどうするべき?
さて、交換留学を考える人に知っておいて欲しいことの最後になります。
色々と想定する中で、交換留学期間中に「やっぱり現地の高校を卒業したくなるかも!?」という可能性のある人もいると思います。
その場合の留意点を3つお話しますね!
留意点① 途中入学を受け入れている国はどこか?を知ろう!
交換留学の途中で、日本の高校を中退して、海外の高校へ転校(私費留学に切り替え)したいと思ったとしても、国によっては、私費留学であったとしても、途中入学を受け入れてくれない国もあります。
事前に、どこの国なら途中入学が可能なのか?を知っておくのは大事ですよね!
結論としては、カナダ・ニュージーランド・アメリカは、途中入学を受け入れてくれる高校があります。
もちろん、欧米の英語圏以外の国でも、その可能性がある国が見つかるかも知れません。
(僕が今回情報発信している国々の中で言うと、この3カ国になります。)
例えば、1年間アメリカへ交換留学していたとして、翌年からアメリカの私立高校へ私費留学するということは可能ですし、国を超えて、ニュージーランドへ私費留学するということもできます。
それぞれの学校の方針もありますし、その時のタイミングによって違いがあるので、できれば事前のリサーチをしておくと良いと思います。
もし、交換留学中に考え始めたとしたら、現地にいる間に、留学エージェントへ問い合わせをすることもできるので、思い立ったらすぐに行動をすることをおすすめします!
留意点② 可能であれば、国を変えず、同じ国内で転校するのがベスト!
私費留学への切り替えはできるとしても、できることなら、国は変えない方が良いです。
一番の理由は、その方が「単位認定に無駄が出ない」からです。
すでにお話しましたが、アメリカに交換留学していた人が、カナダの高校へ転校するとなると、すべての単位が認めてもらえない可能性があります。
(ちなみに、カナダは交換留学制度がないため、カナダの高校→カナダの高校という選択肢はありません。)
もう1つの理由は、やはり「すでに土地勘がある」ということです。
国が変わってしまうと、すべての環境が異なります。
まあ、その変化が留学の醍醐味とも言えますが、2年とか3年という、限られた高校時代です。
1年ごとに国が変わってしまうのは、ストレスが増えるだけで、その国の文化や人を理解するには少し物足りない感じもしますよね?
(これは経験すると、よ〜く理解できます。1年って本当にあっという間なので・・・)
どうしても行きたい国が違ってくる場合は仕方のないことですが、事前に検討したい!という場合は、できれば同じ国内で、どんな可能性(どんな学校やエリア)があるか?ということについて、ざっくりと調べておくのも良いと思います。
留意点③ 今いる高校を退学するのは、入学先とビザが確定してからにしよう!
最後は、改めて言うほどでもないんですが、先走ってしまう人が稀にいるので、念のためにお伝えしますね!
交換留学中は、在籍している高校は休学扱いになると思いますが、私費留学に切り替える場合は、必ず受け入れ先が確定して、ビザも問題ない状態になるまでは、退学手続きはしないようにしましょう!
特に今は、新型コロナの影響などもあって、急なルール変更があったり、渡航制限が出る可能性があります。
実際に渡航する直前までは、きちんと今いる高校に通って、間違いなく渡航ができる状況になった時に、退学手続きをするのが望ましいと思います。
一旦、退学した後に、「高校留学できなくなりました」ということになると、目も当てられないですよね・・・。
まとめ
交換留学の話をたくさんしてきましたが、概要はしっかりと理解できたでしょうか?
「なぜ交換留学することに決めたんですか?」と聞くと、「費用が安いからです」とか、「日本の高校を卒業したいので」というような答えをもらうことが多いんですね。
でも、この記事を読んでもらった皆さんであれば、もう少しきちんと考えた方が良さそうだね!ということは、理解してもらえたんじゃないかと思います。
僕も娘のエリンの高校留学について考え始めた時は、交換留学という選択肢を第一候補にしていましたから、その気持ちはとても良く分かります。
そして、ネット情報をはじめ、エージェントをたくさん歩き回って学んだこと、気づいたことをお話してきました。
これから交換留学を検討する人はもちろん、すでに交換留学が決まっているという人にも、ぜひ参考にしてもらって、不明な点や、悩みがあるという人は、ぜひLINE@で個別に相談してもらえたらと思います。
どんな選択をしたとしても、皆さんの高校留学が、素晴らしい経験と学び、そして感動に満ちたものになることを願っています。
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