高校留学でホームステイを選ぶメリット・デメリット|人気の理由と注意点

高校留学ホームステイの基礎知識

この記事を書いた「留学パパ」はこんな人

高校留学でとても大事なポイントの一つが「現地での滞在先」です。

英語力や友達づくり、授業についていけるかどうか…心配ごとは色々ありますが、毎日帰る「家」が安心できる場所かどうかは、留学生活の満足度に直結します。

留学パパのLINE@無料相談にも、こんな相談がよく届きます。

「高校留学の滞在先は、やっぱりホームステイになるんですか?」
「ホームステイのメリット・デメリットを知りたいです」

この記事では、高校留学の滞在方法の中でも選ぶ人が多い「ホームステイ」について、その特徴・メリット・デメリットを、実際の経験も交えながら整理していきます。

  

   

高校留学で「滞在先選び」が大事な理由

どの国・どの学校を選ぶかと同じくらい、「どんな環境で暮らすか」は留学生活に大きな影響を与えます。

  • 朝起きてから寝るまで、どんな人たちとどんな時間を過ごすのか
  • 困ったときに、近くに頼れる大人がいるかどうか
  • 食事・生活リズム・価値観が、自分にとって受け入れやすいか

こうした要素は、英語力の伸び方やメンタルの安定にも深く関わります。
だからこそ、「ホームステイって何がいいの?何が大変なの?」を、事前に知っておくことがとても大切です。

   

ホームステイの特徴とは?ホストファミリーはどうやって決まる?

ホームステイとは?交換留学と私費留学での違い

「ホームステイ」とは、現地の一般家庭が、自宅の空き部屋を使って、留学生に衣食住の環境を有償または無償で提供する滞在方法のことです。

その家庭の人たちを「ホストファミリー(ホスト)」と呼びます。

  • 多くの交換留学では、ホームステイは原則無料で提供されます。
  • 一般的な私費留学では、ホームステイは有料の滞在サービスです。

交換留学と私費留学の違いについては、別記事で詳しくまとめていますので、併せて読んでみてください。

   ▶︎高校生の交換留学!どんなメリット・デメリットがあるの?知っておくべき5つのポイント!

失敗しない交換留学の基礎知識
高校生の高校留学!どんなメリット・デメリットがあるの? 知っておくべき5つのポイント!

   ▶︎

多くの高校生が私費留学を選ぶ理由

  

誰がホームステイを管理しているのか

ホームステイを運営・管理しているのは、国や地域によってさまざまです。

  • 教育委員会や学校が、独自にホームステイプログラムを管理しているケース
  • 教育委員会や学校が、ホームステイ斡旋会社に委託するケース

どちらが絶対に良い/悪いということはありませんが、
教育委員会や学校が主体的に管理しているプログラムのほうが、生徒の立場に立った対応をしてくれる傾向があると言われることもあります。(もちろん、担当者や組織による差はあります。)

短期の語学学校留学の場合は、ホームステイ専門会社がホストの割り当てからトラブル対応まで一括して行うケースも多いですね。

 

希望条件はどこまで出せる?申込タイミングの重要性

よくある質問が「ホストファミリーの希望は出せますか?」というものです。

答えは、「Yesでもあり、Noでもある」という少しグレーなところです。

希望が出せる例

  • アレルギーがあるのでペットはNG
  • タバコはNG
  • 子どもがいる/いない家庭を希望 など

希望が出せない例

  • 「白人家庭がいい」「離婚していない夫婦がいい」など
    人種や家族構成に関わる希望は人権上の理由から受け付けてもらえません。

そして何より大事なのは、

「希望を出せても、100%叶うわけではない」

という現実です。

もう一つのポイントが、ホストファミリーの割り当ては“先着順”になることが多いという点です。

特に年度末〜新学期の前後は、新しいホスト希望家庭が増える時期でもあり、申込みが早いほど、「自分の条件に近いホスト」を割り当ててもらいやすいです。

逆に、ギリギリの申込みだと「ホストが足りず受け入れ停止」というケースもあり得ます。

「学校には空きがあるけれど、ホストファミリーが見つからないので今年の受け入れはストップします」
という教育委員会からのアナウンスは、実際に起こり得る話です。

 

高校留学でホームステイを選ぶ4つのメリット

では、高校留学の滞在方法としてホームステイを選ぶメリットには、どんなものがあるのでしょうか。
ここでは、特に押さえておきたい4つのポイントに絞ってお伝えします。

 

メリット① 寮に比べて滞在費を抑えやすい

ホームステイは、寮生活と比べると滞在費が安くなりやすいというメリットがあります。

  • 寮を持っているのは、主に私立高校(ボーディングスクール)が中心
  • 学費+寮費を合わせると、ホームステイよりも総額が高くなりやすい

私費留学でホームステイを利用する場合、滞在費には以下のような費用が含まれています。

☑️ホスト家庭の食費・光熱費などの実費
☑️プログラムを管理する教育委員会や斡旋会社の手数料や運営費

地域によって物価の差はありますが、「寮よりは安い」という傾向はどの国でも共通です。

 

メリット② 現地のリアルな生活・価値観に触れられる

高校留学の醍醐味は、学校で勉強するだけでなく、
現地の人たちと関わりながら、その土地の文化や考え方を肌で感じられることです。

ホストファミリーとの会話
近所の人たちやコミュニティとのつながり
その家ならではのルールや暮らし方

ニュースやSNSで見る情報だけでは、その国の本当の姿は分かりません。
「どんなことを大切にしている国なのか」「どんな悩みや喜びを抱えながら生きているのか」は、そこで暮らす人たちと一緒に時間を過ごして初めて見えてきます。

寮生活でも友達はたくさんできますが、“現地の家庭の一員として暮らす”という経験は、ホームステイならではです。

 

メリット③ プライベートの時間・行動の自由度が高い

ホームステイでは、基本的な生活の流れはありつつも、
自分で使える時間の自由度が比較的高いという特徴があります。

  • 朝起きてから登校するまでの時間
  • 放課後に友達と過ごす時間
  • 週末に出かける時間 など

もちろん、

「門限が決まっている家庭」や「夕食時間がほぼ固定されている家庭」もありますが、寮のように細かくスケジュールが組まれているわけではありません。

「学校以外の時間をどう使うか?」は、高校留学を充実させるうえでとても大切です。
自分で時間をデザインしたいタイプの人にとって、ホームステイは大きな魅力になりやすい滞在方法です。

 

メリット④ 合わないときはホストチェンジという選択肢も

人と人が一つ屋根の下で暮らす以上、
どうしても「相性が合わない」「一緒に生活するのがつらい」と感じる場合もあります。

そのとき、一定の条件を満たせばホストファミリーを変更(ホストチェンジ)できるのも、ホームステイの大きな安心材料です。

まずは話し合いやルール確認など、できる限りの努力をする

それでも改善が難しく、正当な理由があると判断された場合にホストチェンジが検討される

寮生活では、ルームメイトが変わることはあっても、「寮をやめる=学校をやめる」ことにつながりやすく、簡単には動けません。

「どうしても無理なときには環境を変える選択肢がある」という点は、ホームステイに不安を感じている人にとって大きな安心材料になるはずです。

《関連記事》

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「当たり・はずれ」が不安?ホームステイの3つのデメリット

一方で、ホームステイについてよく聞く声が、

「ホストファミリーには当たり・はずれがあるのでは?」

という不安です。

学校は自分たちで比較・検討できますが、
ホストファミリーは行ってみるまで分からない要素が多いのも事実です。

ここでは、ホームステイの背景も踏まえながら、注意しておきたい3つのデメリットを整理します。

 

デメリット① 学校までの距離が遠くなる場合がある

ホームステイ先と学校との距離は、ホストの家がどこにあるか次第です。

  • 都市部:公共交通機関が発達している一方で、家賃が高く、少し郊外になることも多い
  • 地方:スクールバスがある地域もあれば、徒歩とバスを乗り継ぐ必要がある地域もある

中には、

「徒歩だと40分以上かかる」
「バスの本数が少なく、時間のやりくりが大変」

といったケースもあり得ます。

そして、「通学に時間がかかる」という理由だけでは、ホストチェンジの正当な理由になりにくいのが現実です。

「学校との距離」はある意味、ホームステイの“当たり外れ”に入る部分かもしれません。
それも含めて、「こういう可能性もある」と想定しておくことが大切です。

 

デメリット② 食事や生活習慣のギャップに慣れる必要がある

国が違えば文化も違い、同じ国の中でも家庭によって生活スタイルはバラバラです。
特に違いが出やすいのが食文化と生活習慣です。

  • 肉中心で野菜がほとんど出てこない家庭
  • 夕食は簡単なものが多く、週末は自分で用意する家庭
  • シャワーの時間や洗濯の回数に細かなルールがある家庭

留学パパの娘・エリンのホストファミリーはフィリピン系の家庭で、
「野菜をほとんど食べない」という文化の違いから、最初はかなり苦労していました。

大事なのは、

「全部自分が合わせなきゃ…」と我慢しすぎないこと

でも、「日本と同じ生活」を期待しすぎないこと

です。

嫌なことは「嫌だ」と伝えてよいですし、
話し合いを通じてお互いの考え方をすり合わせていくこと自体が、ホームステイの大きな学びになります。

 

デメリット③ 一つ屋根の下でも、すぐに家族にはなれない

私費留学の場合、ホストファミリーはボランティアではなく“有償の受け入れ”です。
住宅ローンの一部を補うなど、経済的な理由でホストをしている家庭も少なくありません。

それ自体は決して悪いことではありませんが、その分、ホスト側の受け止め方もさまざまです。

  • 「受け入れは仕事。仲良くなるかどうかは別」と考える家庭
  • ルールを重視し、距離感を保ちながら関わる家庭

日本人の感覚では、「親代わりになってあげたい」「第二の家族になりたい」と考える人も多いですが、
移民社会がベースになっている国では、

「最初から他人を完全には信用しない」という感覚が当たり前のこともあります。

つまり、

「最初から家族のように受け入れてもらえる」と期待しすぎない

時間をかけて少しずつ信頼関係を築いていく

それでも合わないと感じたら、第三者にも相談する

という姿勢でいた方が、心が折れにくくなります。

【関連動画】

「ホストファミリーがどんな家庭なのか心配です。当たり外れってあるの?」高校留学で最も大切なことをお伝えします![#130]
ホストファミリーに「当たり・はずれ」はあるの?

  

ホームステイが向いている人・寮生活が向いている人

ホームステイと寮生活、どちらが「正解」ということはありません。
大事なのは、自分の性格や目的に合った滞在方法を選ぶことです。 

ホームステイに向いているタイプ

  • 現地の家庭の暮らしや価値観に興味がある
  • 自分で時間の使い方を考えるのが好き
  • 多少の不便やギャップも、「経験」として受け止められる
  • コミュニケーションを取りながら関係づくりをしていきたい

 

寮生活のほうが合うかもしれないタイプ

  • 学校中心の生活リズムで、友達と過ごす時間を増やしたい
  • 食事やスケジュールがある程度決まっているほうが安心
  • 「みんなと同じ環境で頑張りたい」という気持ちが強い

寮生活については、別記事でメリット・デメリットを詳しくまとめています。
ホームステイと比較しながら読むと、自分に合う滞在方法が見えやすくなります。

《関連記事》

   ▶︎高校留学で寮生活を選ぶメリット・デメリット|向いている人の特徴と注意点

高校留学の寮生活の基礎知識

 

まとめ|良いことも大変なことも、「経験」に変えられるかが鍵

ここまで読んで、

「思ったよりホームステイって大変そう…」

と感じた方もいるかもしれません。

留学パパがいつもお伝えしているのは、
「高校留学は何のためにするのか?」という目的意識を持てるかどうかが一番大事だということです。

日本とは全く違う価値観を持つ「他人の家」で暮らすわけですから、
もし「日本の家と同じような快適さ」を求めるのであれば、
高校留学そのものがつらくなってしまうかもしれません。

相性がぴったりのホストファミリーに出会えることもある
逆に、考え方も生活習慣も全く違う家庭になることもある

どちらになったとしても、

「日本では絶対にできなかった経験をしに来ている」という原点を忘れなければ、
良いことも大変なことも、すべてが自分の糧になります。

娘・エリンがホストファミリーのことで悩んでいたとき、留学パパが彼女に伝えたのは、こんな言葉でした。

「雨風がしのげて、朝・昼・晩の食事を用意してもらうために滞在費を払っている。
それ以外のことは、“オマケ”くらいに思っておこう。」

「第二の家族になりたい」「毎週末、一緒に出かけたい」といった理想を持つのは素敵なことです。
でも、そこを“絶対条件”にしてしまうと、現実とのギャップに苦しみやすくなります。

 

高校留学の全体像を把握して、「本当に大事なことを知りたい」「不安や迷いを解消したい!」という方は、ぜひ留学パパ初めての書き下ろし書籍『中高生の海外留学ー知るたび、自分と未来が広がる本」を手にしてください。

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読めば読むほど、ワクワクした気持ちになれると思います。

 

「自分にはホームステイと寮生活、どちらが合ってる?」「そもそも何から始めたら良いか分からない」という方は、気軽にLINE@無料相談にメッセージください。

実際に高校留学を経験し「中高生の立場」が分かるエリン、そして、娘の留学を応援して「親の立場」が理解できる留学パパが、皆さんの疑問や不安を一緒になって考えていきます。

LINE@無料相談「高校留学のお悩み相談は留学パパとエリンに!」

 

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