
高校留学を考えるときに、いちばん気になるのはやっぱり「英語力」ですよね。
実際、留学パパの【LINE@無料相談】には、
「高校留学するには、どれくらいの英語力が必要ですか?」
という質問が、ほぼ毎日のように届きます。
英語が得意な人も、そうでない人も、とりあえず
「英検を取らなきゃ…」
「海外ドラマや洋画を観ていれば、なんとかなるかも?」
と思って、がむしゃらに頑張っていることが多いのですが、「高校留学で本当に必要な英語力」を勘違いしたまま努力してしまうと、せっかくの時間がもったいないんですね。
この記事では、
- 高校留学に「必要な英語力」の本当の意味
- 英検などの資格との付き合い方
- 文法・単語・4技能の優先順位
- 日本にいるうちにやっておきたい準備
をできるだけ分かりやすくお話していきます。
✅「英語が苦手だけど、高校留学に挑戦したい」
✅「どこまで英語力を上げたら出発していいのか知りたい」
そんな人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
英語が苦手でも高校留学できるのか心配な方は、こちらの記事も参考にしてください。


日本の学校英語では、高校留学で通用しない?その本当の理由
まずは、よくある疑問から。
「日本で学んでいる英語で、本当に留学先で通用するの?」
答えは、
日本の英語学習は決して無駄ではないけれど、ほとんどの人が留学初日から英語力不足を痛感する
というのが正直なところです。
その一番大きな理由は、シンプルに言うとこの2つです。
- 英語そのもののインプットが圧倒的に足りない
- 英語で話す「中身(情報・背景知識)」のインプットも足りない
① 言葉としてのインプットが少なすぎる
私たちが日本語を話せるのは、生まれたときから何年もかけて、毎日膨大な量の日本語を聞いてきたからですよね。
- 家族の会話
- テレビ
- 友達とのおしゃべり など
「いつの間にか話せるようになっていた」のは、とにかく量を浴び続けたからです。
一方で、普段の生活の中で、
「毎日2〜3時間以上、英語だけを聞いたり読んだりしている」
という人はどれくらいいるでしょうか?
忙しい学校生活の中で、現実的には、英語に触れられる時間は1日1〜2時間でもかなり頑張っている方 だと思います。
言語の習得は、基本的には
インプットの量に比例して、理解力・発信力が上がる
という、とてもシンプルな仕組みです。
ですから、「日本での普通の英語の授業だけ」で、いきなり「英語で授業を受けて成績も取れるレベル」を目指すのは、かなりハードモードなんですね。
② 英語で「何を話すか」という情報のインプットも不足している
もう1つ、見落とされがちな大事なポイントがあります。それは、
現地の文化やニュース、価値観などの「情報インプット」が圧倒的に足りない
ということです。
例えば、カナダへ留学したい人に、
- カナダの歴史
- 祝日・イベントの意味
- 最近ニュースで話題になっていること
をどれくらい知っていますか?と聞いてみると、ほとんど答えられないケースが多いです。
でも、カナダの高校生であれば、そういった話題は「当たり前の前提」として共有しているものですよね。
逆に、日本に来た留学生が、
- 日本の祝日や行事の意味
- 最近日本で話題のニュース
- 日本の学校生活の「あるある」
などをほとんど知らなかったら、会話はなかなか深まりません。
「言葉」はあくまで道具であって、
その前提になる「情報」が少ないと、話題についていけない
というのは、どの国でも同じです。

高校留学に「英検何級」が必要?資格と実力の関係
次に、多くの方が一番気にしている質問です。
高校留学するなら、英検は何級を持っていれば良いですか?
日本では、「学校の成績」「偏差値」「各種資格・検定」で「今どのくらいのレベルか」が見えやすくなっているので、
「英語力=英検何級・TOEIC何点」
というイメージを持ちやすいですよね。
結論:英検2級だからOK、3級だからNG…という基準はない
最初に結論をお伝えすると、
英検を持っていること自体は
とても良いこと
ただし、
「英検○級だから留学OK」
「△級だからダメ」という線引きはない
というのが現実です。
もっと言えば、英検を持っていても持っていなくても、留学生は全員「英語の壁」にぶつかります。
英検2級をギリギリで取っていた留学パパの娘・エリンも、
- ネイティブの会話はほとんど聞き取れない
- 言いたいことがすぐに出てこない
- 英文もスラスラ読めない/書けない
という状態でカナダに渡りました。
試験の点数は悪くなくても、「現地の授業についていける実力」とは別物だった、ということです。
「試験の英語力」と「現地で通用する英語力」は別物
ここで大事なのは、
試験で測られる英語力 ≠ 実際に使える英語力
だと理解しておくことです。
試験は、ある程度テクニックやパターン練習で点数を上げることができます。
一方、現地で必要な英語力は、
分からないことを聞き返す
授業中にメモを取る・質問する
課題レポートを書く
先生やホストと本音の話をする…
といった、「生きた場面」で使える力です。
もちろん、英検対策の勉強が無駄になることはありません。
ただし、
- 「英検○級を取る」ことがゴールになってしまう
- 「級を取ったから、留学しても大丈夫」と勘違いしてしまう
のは危険なんですね。
- 目安やモチベーションとして英検を使うのはOK
- でも、「英検合格=留学成功」ではない
ここだけは、しっかり分けて考えておきましょう。
「高校留学するなら英文法はいらない?」それは大きな誤解です
英語の話になると、よく耳にするのが
- 「日本の英語教育はダメだ」
- 「文法ばかりで、全然話せるようにならない」
という声です。
確かに、日本の英語教育には改善の余地もたくさんあります。
ただ、良くないのは
「日本でやってきたこと=全部ダメ」と丸ごと否定してしまうこと
です。その一番の被害者にされがちなのが、「英文法」ですね。
- 「文法なんて面倒くさい」
- 「暗記しても使えないから、必要ない」
そう思っている人もいるかもしれません。
でも、高校留学の現場で生徒たちを見てきた留学パパの結論はシンプルです。
英文法は、高校留学で最も重要な要素の1つです。
文法が分からないと、成績が取れない
現地の高校で成績を取るには、
- リーディング(課題文の読解)
- ライティング(エッセイ・レポート)
- スピーキング(発表・ディスカッション)
など、さまざまな場面で英語を使います。
これらはすべて、「英文法というルールの上」に成り立っています。
サッカーで言えば、
「手を使ってはいけない」
「オフサイドがある」
といったルールを知らないまま試合に出るようなもの。
「雰囲気でなんとなく」では、いつか必ず限界が来ます。
だからと言って、分厚い文法書を丸暗記する必要はありません。
大事なのは、
日本語と英語の考え方の違い
ネイティブがどんな感覚で文法を使っているのか
ルールを守らないと、どう誤解されてしまうのか
といった「意味や感覚」を理解することです。
🔎 留学パパの【高校留学準備講座MCAS】でも、レベルに関わらず全員に「Grammar(英文法)」のコースを受けてもらっています。
(英文法が苦手な人ほど、留学前にやっておく価値があります)

単語力は「数」よりも「使えるかどうか」が勝負
「英語力を上げる=単語を増やすこと」と考える人も多いですよね。
- 単語帳で2,000語・3,000語を目指す
- 「日常会話には○○語必要」という記事を見て焦る
といった声も、相談でよく届きます。
もちろん、言葉の数を増やすこと自体はとても大事です。
知っている単語が多いほど、自分の言いたいことを表現できたり、相手の言っていることや文章をよく理解できたりします。
ただし、留学パパが経験して感じたのは、
「意味だけ覚えた単語」は、
留学生活ではほとんど役に立たない
という現実でした。
「聞く」は英語で何と言う?数より「使い分け」が大事
日本語で「聞く」と言うとき、英語では何と訳しますか?
多くの人は
- ask
- listen
- hear
あたりを思い浮かべると思います。
でも、実際には…
「質問する」なら ask
「集中して聞く」なら listen
「自然と耳に入ってくる」なら hear
といったように、場面によって使う単語が変わります。
つまり、
「単語を知っている」だけではなく、
「いつ・どんな場面で、その単語を使うのか」まで分かっているかどうかが勝負なんですね。
高校留学で本当に必要なのは、
「翻訳した意味を覚えた単語」の数ではなく
「使い方までイメージできる単語」がどれくらいあるかです。
英語4技能のうち、高校留学前に優先したいのはどれ?
英語には、よく言われる4つの技能があります。
- 読む(リーディング)
- 書く(ライティング)
- 聞く(リスニング)
- 話す(スピーキング)
どれも大事なのは言うまでもありませんが、
「限られた時間の中で、出発前に何を優先すべきか?」という視点で考えたとき、
留学パパが一番おすすめしたいのは、
リスニングとリーディングを最優先で鍛えること
です。
なぜリスニングとリーディングが最優先なのか?
高校留学が始まると、親元を離れて暮らす生活で、友達や先生との新しい人間関係を築き、全部英語で行われる授業や課題をこなしていきます。
すべて「分からないことだらけ」の毎日がスタートします。
そんな環境でまず必要なのは、
- 周りの人が何を話しているのかを聞いて理解する力
- 配られたプリントや教科書が、何を伝えようとしているのかを読んで理解する力
つまり、
インプットの力(リスニング+リーディング) なのです。
リスニングとリーディングは、「日本にいるうちから一人でも取り組みやすいし、やった量がそのまま実力に結びつきやすい」という意味でも、留学前のトレーニングにとても向いています。
試しに、毎日1時間リスニング・毎日1時間リーディングを1年間続けてみると、英検2級レベルのリスニング・リーディング力には十分届きます。
スピーキングとライティングは、「環境」とセットで伸ばす
もちろん、スピーキング(話す)やライティング(書く)も、留学生活では欠かせないスキルです。
ただ、この2つは、
- 相手がいて、リアルタイムで練習する(スピーキング)
- 添削してくれる人がいる(ライティング)
といった「環境」がある方が、圧倒的に伸びやすいスキルでもあります。
(最近ではChatGPTなどの生成AIを活用することもできますね!)
🔎 例えば、オンライン英会話や留学パパが行っている【高校留学準備講座(MCAS)】、【高校留学前準備レッスンSLEEK】では、こうしたアウトプットの練習も含めた準備ができます。
高校留学に向けた「英語力の伸ばし方」をどう設計するか?
ここまでをまとめると、
高校留学に必要な英語力は、
- 量としてのインプット(英語そのもの+背景情報)
- 文法というルールの理解
- 使える単語を増やすこと
- リスニング・リーディングを軸にした4技能のバランス
といった要素からできています。
そして何より大事なのは、
「何のために英語を勉強するのか?」
という目的を明確にすること
です。
「英検2級を取りたいから」ではなく、
「英語で授業を理解して、レポートを書けるようになるために」
「ホストファミリーや友達と、本音で話せるようになるために」
といった、留学先での「具体的な場面」をイメージしながら学んでいくことが、遠回りに見えて一番の近道です。
短期の語学学校で英語力を伸ばす場合との違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。

🔖 もっと体系的に、高校留学の英語準備を知りたい人へ
留学パパの書籍『中高生の海外留学がよくわかる本』では、「留学のための英語力」について、さらに詳しく整理しています。

まとめ:今までの英語の学び方を見直すチャンス
最後に、この記事のポイントをもう一度整理しておきます。
- 高校留学で必要な英語力は、日本の成績や英検の級だけでは測れない
- 試験の点数と、現地で通用する英語力は別物
- 「文法はいらない」どころか、ルールを理解している人ほど留学先で伸びる
- 単語は「数」ではなく、使い方まで分かっているかどうかが大事
- 出発前は、まずリスニングとリーディングを最優先で鍛えるのがおすすめ
英語の勉強自体は、これまでの努力が無駄になることはありません。
ただ、「目的」が変われば、「やり方」も少し変えていく必要があります。
いまがまさに、「今までの英語の学び方を見直すチャンス」です。
高校留学準備をもっと具体的に知りたい方へ
「うちの子の今の英語力で、高校留学は現実的?」
「具体的に、何から手をつければいいのか教えてほしい」
そんな方のために、留学パパでは次のようなサポートを用意しています。
- トビタテ!留学JAPAN公式「保護者のための10代留学ガイド」









