「今、高2なんですが、日本の高校を中退して、海外の高校に編入したいです。今からでも間に合いますか?」
留学パパのところには、こんな相談がたくさん届きます。
- 今の高校生活に違和感がある
- このまま周りと同じように進学していくのが不安
- もっと広い世界で、自分の可能性を試してみたい
そんな思いから、「高2で中退して高校留学」という選択肢を考え始める人は少なくありません。
ただし、高2からの高校留学は、
「出発のタイミング」
「卒業までの年数(最低2年)」
「年齢制限や学期制度の違い」
など、知っておかないと後悔してしまうポイントもたくさんあります。
この記事では、
- 高2で中退して高校留学する前に、必ず知っておくべきポイント
- 高2から留学を目指す人が、今からやるべき準備
をできるだけ分かりやすくお伝えします。
「本当に、高2からでも間に合うのか?」
「中退する前に、何を確認しておくべきなのか?」
そんなモヤモヤを少しでも整理するヒントになればうれしいです。


高校2年生で中退して、海外の高校へ編入したい人が必ず知っておくべき3つのこと
高校2年生の人に理由を聞くと、こんな声がよく返ってきます。
- いつか海外の高校へ行って、自分の知らない世界を体験してみたかった
- このまま日本で高校生活を続けても、周りに流されて、本当にやりたいことが見つからないまま進学しそうで怖い
「今のままじゃない人生を選びたい」という気持ちは、とても大事です。
一方で、正しい知識や準備がないまま勢いで中退してしまうと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するリスクもあります。
ここではまず、高2で中退して高校留学を目指す人が最初に知っておくべき3つのポイントを整理していきます。
《関連動画》


①いつ中退するのがベスト?高校留学できるタイミングとタイムリミット
まずは、「いつまでなら中退+高校留学を現実的に目指せるか」という話からです。
高2の夏休み頃までに「留学する」と決めた人
高2の夏休み頃までに「高校留学する」と決められれば、
高2の9月、または1月(or2月)スタートに間に合うケースが多いです。
この場合、多くの国・地域では、
現地の高校では「高2」からスタート
卒業までの目安は2年間
となります。イメージとしては、「高2をもう1回やり直す」感じですね。
もちろん、
- 日本で取得した単位がどれだけ認められるか
- 英語力
- 現地でどれだけ頑張れるか
によって、必要な在学期間は前後しますが、
「海外の高校を卒業する」という計画は十分現実的です。
高2の秋以降に「卒業留学したい」と思い立った場合
一方で、高2の秋以降になってから
「卒業を目的とした高校留学をしたい」と考え始めると、次のようなハードルが出てきます。
【卒業時の年齢制限】
卒業時に「19歳まで」「20歳まで」など、年齢制限を設けている国や州があります。
〈誕生日のタイミング〉
4〜6月生まれの人は特に注意が必要です。
9月スタートの国(イギリスや北米)の場合、学年の終わりは6月。
6月までに誕生日が来てしまうことで、年齢制限に引っかかるケースがあります。
高校留学は、「行きたい国・行きたい学校で学べるからこそ価値がある」ものです。
年齢制限のせいで希望の学校に行けない・卒業できないのであれば、留学の価値も大きく下がってしまいます。
高2をほぼ修了している人は、いったん立ち止まって考えてほしい
もう一つ、とても大事なポイントがあります。
それは、「高2を修了した(あるいは、ほぼ修了できる)段階での高校留学は、本当にベストな選択か?」ということです。
- 日本の高校なら、卒業まであと1年
- でも、多くの国では、高校卒業まで最低2年は必要
- 帰国生入試を使いたいなら「2年以上の在籍」が条件の大学も多い
つまり、
あと1年で日本の高校を卒業できる状況で
さらに2年以上、高校生活を続けるべきか?
という問いが出てきます。
ここで大切なのは、
高校留学は「目的」ではなく、
あくまで「通過点」
その後の進路(日本・海外の大学、専門、就職など)を含めて、時間の使い方を考える
という視点です。
日本の高校卒業資格は、世界的にも評価される資格で、多くの国の大学進学に使うことができます。
一方で、国や高校によっては、
- 卒業資格や単位が、日本や他国の大学出願時にそのまま認められないケース
- ニュージーランドのように、NCEAという資格をきちんと取っていないと、他国の大学では評価されにくいケース
などもあります。
ここまで高2まで頑張ってきた時間を
「どう次のステップ(大学・その先の人生)に活かすか?」という視点で、「高2からの高校留学」か、「大学での留学」にするのかを一度落ち着いて考えてみてほしいなと思います。
その上で、高2修了後の方向性としては、例えばこんな選択肢が考えられます。
選択肢1:
ニュージーランドに1年留学して、現地の卒業資格をもらう(ただし、帰国子女枠は使えない)
選択肢2:
あえて現地で学年を1つ落とし、2年間で卒業を目指す(年齢制限に注意)
選択肢3:
「卒業留学」ではなく、1年留学として経験を重ね、日本の高校を卒業する
選択肢4:
高校留学はあきらめ、大学からの留学(短期〜正規留学まで)を選択する
どれが「正解」かではなく、自分の留学の目的と、その後の進路のイメージとセットで考えていくことが大切ですね。
《関連動画》

② 最低2年間かけて卒業することのメリットを知ろう
現実的な話もしましたが、「海外の高校を卒業する」という経験の価値は本当に大きいです。
高2で中退して卒業留学を考える人には、次の3つのメリットを知っておいてほしいと思います。
メリット① 卒業後の選択肢が一気に広がる
海外に 2年以上滞在して高校を卒業した場合、多くの大学で 「帰国子女」として帰国生入試を利用できるようになります。
一般入試ではなかなか難しい有名大学でも、
- 英語
- 小論文
- 面接
などで受験できる大学が増えます。
また、そのまま留学先の国で大学進学したり、別の英語圏の国へ進学したりといった「高校留学→大学留学」へのステップも踏みやすくなります。
メリット② 10代で身につけた英語力は一生もの
言語を身につける上で一番大事なのは、実は「記憶力」ではなく、人や環境を受け入れる柔軟さです。
10代は、価値観や考え方がまだ固まりきっていない時期
違う文化・価値観の人たちと毎日過ごすことで、自然と「英語+考え方」の両方が鍛えられる
この時期に、2年以上、英語環境で生活して身につく英語力と幅広い価値観は、その後の人生にとって大きな武器になります。
メリット③ 就職活動でも強い「実績」になる
日本の高校名を伝えても、就職活動では「そうなんですね」で終わることが多いですよね。
一方で、
「カナダの○○高校を卒業しました」
「ニュージーランドの○○カレッジを卒業しました」
というのは、それだけで相手の記憶に残るインパクトがあります。
「海外の高校で卒業まで頑張った」という具体的な結果は、短期留学とは比べものにならない説得力を持ちます。
③ 高校はどこも同じじゃない!英語力に不安があるなら2学期制(セメスター制)の学校を選ぼう
高2からの高校留学には、メリットもデメリットもあります。
その中でも、できるだけリスクを減らし、2年間で卒業できる可能性を上げるために重要なのが、「学校の学期制度」です。
特に、英語力に不安がある人は、必ずここをチェックしましょう。
高2からの留学先として多い国
高2からの高校留学先として多いのは、
- カナダ
- ニュージーランド
あたりです。
◾️ニュージーランドは、年齢とともに学年が上がり、卒業資格も取りやすい
◾️カナダは、公立高校であれば入学時の英語力はあまり問われない(ただし、卒業にはしっかりした英語力が必要)
カナダで確実に2年間で卒業を目指すなら「2学期制」の学校を
カナダでは、
- 1学期制(リニア制)
- 2学期制(セメスター制)
の学校があります。
英語に不安がある人が1学期制の学校で単位を落とすと、同じ科目をもう1年取り直す必要が出てきてしまう場合があります。
一方で、「2学期制(セメスター制)」であれば、
前期でうまくいかなかった科目を、後期に取り直したり、履修科目の組み方を調整するなど、2年間で卒業するためのリカバリーがしやすいのが大きなメリットです。
いろいろな制度の違いは、別の記事で詳しくお話しますが、
「高2からカナダに留学して2年で卒業したい人は、必ず2学期制の学校を選ぶ」
このポイントだけは、しっかり覚えておいてくださいね。
《関連動画》


高校2年生で留学したい人が、今からやるべき5つのこと
ここからは「高2から高校留学したい」と決めた人が、今から具体的に何をすべきかを整理していきます。
同じ高校留学でも、
「高1の早い段階から準備を始めた人」と「高2から2年間で卒業を目指す人」では、“準備のスピード”と“考えておくことの重さ”がかなり違います。
留学パパのところに来る相談の多くも、実は
「ここをきちんと考えないまま動き始めてしまった」ことが原因です。
① 何のために高校留学するのか?という「理由」をもう一度よく考える
繰り返しになりますが、高校留学はゴールではなく、「通過点」だと僕は考えています。
特に、高2や高3から留学をスタートする場合は、
Q.何のために高校留学するのか?
Q.どうして日本の高校じゃダメなのか?
という問いに、自分なりの答えを持っておくことが大切です。
これは、自分自身の納得のためでもありますが、
それ以上に、あなたを送り出すご両親の心配を少しでも減らすためでもあります。
「自分の子どもを、言葉もよく分からない国へ送り出す」というのは、親にとっては本当に勇気のいる決断です。
だからこそ、
- どんなことにモヤモヤしているのか
- 海外の高校でどんな経験をしたいのか
- 将来、どんな方向に進みたいと思っているのか
を言葉にして伝える準備をしておきましょう。
② 2年間はあっという間!卒業後の進路の方向性を先に決めておく
中学校の3年間を振り返ってみてください。
小学校6年間と比べて、時間があっという間に過ぎたように感じませんか?
高校留学の2年間は、それ以上のスピードで過ぎていきます。
実際には、1年目が終わらないうちに、卒業後の進路の話が具体的に動き始める。
情報収集も、日本にいるときより格段に大変。
だからこそ、留学前の段階で、
- 卒業後は、日本の大学を目指すのか
- 留学先の国の大学を目指すのか
- 別の国の大学も視野に入れるのか
といった 「方向性だけは決めておく」 ことをおすすめします。
もちろん、「絶対この大学!」と決める必要はありません。
「日本に戻るのか/現地で進学するのか」レベルで構いません。
方向性が決まっているだけで、留学中に何を重視すべきか(英語・成績・科目選択・課外活動など)が変わってきます。
③ 本気が試される!高校留学に必要なレベルの英語力を身につける
高校留学を考える人の多くが、一番不安に感じるのが「英語力」です。
- 現地の授業についていけるのか
- テストに合格できるのか
- 友達とちゃんとコミュニケーションが取れるのか
結論から言えば、
特別な環境(小さい頃から海外在住/インターナショナルスクールなど)がない限り、
現地に行った瞬間、「自分の英語力は全然足りない…」と感じるのが普通です。
でも、それは決してネガティブなことではありません。
「英語力を伸ばしたいから留学する」というのは、ごく自然な動機ですよね。
大事なのは、
だからこそ、今から何をするのか?
自分には何が足りていて、何が不足しているのか?を冷静に分析して、
できる準備を先にやっておくことです。
「高校留学に必要な英語力の目安」や「日本での勉強の進め方」については、こちらの記事で詳しく解説しています。「高校留学に必要な英語力の目安とは?誰も教えてくれない準備と勉強法」
さらに、高校留学前の準備に特化した英語講座やオンラインレッスンをうまく活用するのもおすすめです。
- 高校留学に必要な英語の「型」を事前に理解しておくこと
- 現地で評価される「考え方」や「表現の仕方」を知っておくこと
これらは、2年間で卒業を目指す上で、大きなアドバンテージになります。
高校留学前に必要なスキルや知識をまとめて学びたい人は、
高校留学前準備レッスン SLEEKや英語講座MCASもチェックしてくださいね。
これらは、2年間で卒業を目指す上で、大きなアドバンテージになります。
高校留学前に必要なスキルや知識をまとめて学びたい人は、高校留学前準備レッスン SLEEKや英語講座MCASもチェックしてくださいね。

④ 焦って学校を決めない!エージェント選びには特に注意
「高2からの留学はタイミングが命」
という話をしてきました。
そうなると、どうしても気持ちが焦ります。
「早く情報を集めなきゃ」
「学校選びや入学手続きをどう進めたら良いか分からない」
「とにかく誰かに相談したい」
そんな不安の中で、
何も考えずにとりあえずエージェントに行ってしまうと、次のようなリスクがあります。
- 「今動かないと間に合いませんよ」と急かされる
- 自分に合うかどうかより、「空きのある学校」が優先される
- 十分な比較や検討をしないまま、留学先が決まってしまう
エージェント選びは、
高2からの留学ほど 「冷静な判断」が必要です。
エージェントの役割やどんなサポートが本当に必要なのか?については、別の記事で詳しく整理しています。
まずは、焦る気持ちを少し落ち着かせるためにも、
- 自分にとって本当に必要なサポートは何か?
- どんな留学の形が合っているのか?
を一緒に整理してから動き出すことをおすすめします。
「エージェントに行く前に、第三者の立場から一度話を聞きたい」という人は、
LINE@の無料相談をうまく使ってくださいね。
「高校留学を勧めるための相談窓口」ではなく、
あなたにとって納得できる選択肢を一緒に考える場として使ってもらえたらうれしいです。
⑤ 渡航までは今の高校にきちんと通い、成績「3以上」を目指そう
最後に、とても practical(現実的)な話です。
- 高校留学後、日本の大学へ帰国生入試で進学する
- 海外の大学へ進学する
どちらのケースでも、高校の成績と出席状況はすべて審査対象になります。
よくあるのが、
「もう留学することが決まったから、日本の高校はどうでもいいや…」
と気が緩んでしまうケースです。
しかし、これは本当に危険です。
欠席が多いと、「なぜそんなに休んでいるのか?」を必ず聞かれる
納得できる理由が説明できないと、入学を断られるケースもある
成績が極端に低い場合、選べる学校の幅が一気に狭くなる
だからこそ、
特別な事情がない限り、渡航まではきちんと登校する
成績はできれば全体平均で 「3以上(5段階)」 を目標にする
ことを意識してください。
もし、不登校や体調不良など「どうしても学校に行けない事情」がある場合は、一人で抱え込まずに、早めに個別相談してください。
状況に応じて、どんな選択肢があるのか一緒に考えていきましょう。

退学届を出すタイミングについて
よく聞かれる質問として、
「具体的に、いつ退学届を出せば良いですか?」
というものがあります。
結論はシンプルで、
◾️留学先の高校から正式な「受け入れOK」が出てから
◾️実際の渡航日から逆算して、日本の学校の学期の区切りが良いタイミングで
が基本です。
入学許可が下りる前に退学するのは絶対にNG
例えば、10月渡航なら「1学期終了時点での退学」はOKですが、9月渡航なのに5月退学など、あまりにも早すぎるとネガティブに受け取られる可能性もあります。
いつ誰に聞かれても、
「定められたルールに従って通学してきた」
「成績や出席にも大きな問題はなかった」
と言える状態で送り出してもらえると、その後の手続きや進学もスムーズになります。
まとめ|「高2で中退+高校留学」は、メリットとリスクを両方見て選ぼう
ここまでの話を、少し整理します。
- 高2から中退して高校留学を目指すことは不可能ではない
- ただし、タイミング(いつ決めるか/いつ出発するか)と年齢制限は非常に重要
- 卒業まで最低2年かけて学ぶことで、
- 帰国生入試の活用
- 海外大学進学
- 一生ものの英語力
- 就職での強いアピール材料
など、大きなメリットがある
一方で、
- 高2をほぼ修了している段階からの「卒業留学」は、本当に時間の使い方としてベストか?という視点も必要
高校時代は、長い人生の中で見れば「通過点」です。
「高校留学だけが正解」というわけではありません。
大事なのは、
自分が何にモヤモヤしているのか。
どんな未来を選びたいのか。
そのために、高校留学という手段が本当に自分に合っているのか。
を自分自身・ご両親・学校の先生と対話しながら決めていくことだと思っています。
「頭では分かるけど、実際に自分がどの選択肢を選ぶべきか分からない…」
そんな時は、一度LINE@で相談してくださいね。
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