この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

「高校留学をするなら、映画みたいな寮生活をしてみたい!
世界中から集まる仲間と一緒に暮らしてみたい!」
そう思って、寮のある高校を探している中高生も多いと思います。
一方で、保護者の方からはこんな声もよく届きます。
- ホームステイとどう違うの?
- 寮生活は本当に安全?子どもに合うか心配…
- せっかく高い費用を払うのだから、失敗はしたくない
この記事では、高校留学で寮生活を選ぶメリット・デメリットを整理しながら、
「どんなタイプの人に寮生活が向いているのか」
「選ぶときにどんな点に気をつけるべきか」を、できるだけ具体的にお伝えします。
寮がある高校の多くは少人数の私立高校
寮を持つ高校の多くは、いわゆる「ボーディングスクール」と呼ばれる私立高校です。
キャンパス内に学校と寮があり、
授業・食事・部活動や課外活動・自習・フリータイム
といった1日の生活が、ほとんど同じ敷地内で完結します。
公立高校+ホームステイの場合と違い、
- 生徒数が比較的少なく
- 教員の目が届きやすい
- 世界各国から留学生が集まる
といった特徴がある学校が多いですね。
1日のスケジュールと生活イメージ
寮生活では、起床時間から就寝時間まで、ある程度決められたスケジュールで動きます。
【寮生活スケジュールの一例】
7:00 起床・朝食
8:30 授業・アクティビティ
15:00 放課後のクラブ・自習
18:00 夕食
19:00 夜のスタディタイム(自習時間)
23:00 消灯
という流れが一般的です。
「自由が少ない」と感じる人もいますが、生活リズムが整いやすく、勉強に集中しやすい環境とも言えます。
【関連記事】
▶︎高校留学でホームステイを選ぶメリット・デメリット|人気の理由と注意点

高校留学で寮生活を選ぶメリット
ある程度スケジュールの決まっている寮生活ですが、メリットもあります。
メリット① 友達ができやすく、仲間に囲まれて暮らせる
高校留学で多くの人が不安に感じるのが「現地で友達ができるかどうか」です。
英語に自信がない状態で新しい環境に飛び込むわけですから、
「ちゃんと友達ができるかな…」と心配になるのは自然なことですよね。
寮生活では、寝るとき以外の多くの時間を、同じ寮の仲間と過ごします。
- 同じテーブルで食事をする
- 放課後に一緒に課題をする
- 週末のイベントに参加する
といった「一緒にいる時間」が圧倒的に多いので、自然と会話も増え、
友達ができるチャンスはとても多くなります。
しかも、寮で暮らす生徒は全員「親元を離れて一人で留学している仲間」です。
お互いに不安な気持ちや寂しさを共有しやすく、支え合いながら生活できるのは、
寮生活ならではの大きな魅力です。
メリット② 先生との距離が近く、学習・生活サポートが手厚い
少人数の私立高校では、クラスも10名前後といった少人数制のところが多く、
先生と生徒の距離がとても近いのが特徴です。
さらに、寮を持つ学校では
- 先生や寮スタッフが同じ敷地内に住んでいる
- 食堂で一緒に食事をする
- 週末のアクティビティを先生も一緒に楽しむ
といった形で、日常的に顔を合わせて会話をする機会が多くなります。
その結果、
授業の質問もしやすい
進路や勉強方法の相談もしやすい
ホームシックや人間関係の悩みも打ち明けやすい
といった、「第二の家族」のような関係になることも珍しくありません。
メリット③ 規則正しい生活の中で、自己管理力と自立心が育つ
「起床時間も就寝時間も、全部決まっている」と聞くと、
一見デメリットのように感じる人もいるかもしれません。
ただ、寮生活では
- 洗濯や部屋の片づけなど、自分のことは自分でする
- 限られた時間の中で、課題や予習復習のスケジュールを立てる
- 友達との時間と、勉強の時間のバランスを考えて行動する
ことが求められます。
最初は大変ですが、この生活に慣れてくると、
「今、自分がやるべきことは何か」を考える力
時間を管理する力
自分の生活を自分で整える力が自然と身についていきます。
結果的に、日本にいたとき以上に「自立した自分」に成長できる。
これも、寮生活の大きな魅力と言えるでしょう。
《関連記事》
▶︎実際に高校時代にイギリスの高校で寮生活を経験したShiori Kさんのブログ記事
「社会性を学ぶ場所? 英国ボーディングスクールでの一日」
▶︎4人の子ども全員を英国の有名ボーディングスクールに留学させた母として、ボーディングスクールで何が学べるのか?を記したブログ記事
「ボーディングスクールで、何を学べるの?」
高校留学で寮生活を選ぶデメリット・注意点
「こんなはずじゃなかった」「イメージと違った」とならないように、
寮生活ならではのデメリットも押さえておきましょう。
デメリット① 行動や時間が管理される窮屈さを感じることがある
スケジュールがきっちり決まっていることは、
「生活リズムが整う」という意味ではメリットです。
ただ、思春期の中高生にとっては、
- 勝手に外出できない
- 食事の時間や内容がほぼ決まっている
- 夜更かしやスマホの利用に制限がある
といった「自由の少なさ」がストレスになることもあります。
ホームステイであれば、放課後に友達と街へ出てリフレッシュしたり、
週末に外へ遊びに行ったりしやすいですが、寮生活ではそうはいきません。
敷地内でリラックスできる場所はあっても、
長期になると「毎日同じ景色」に飽きてしまうこともあります。
ちょっとずつ溜まったストレスが、ある日どっとあふれてしまうこともあるので、
寮生活を選ぶなら「自分なりのストレス発散方法」を準備しておくことが大切です。
デメリット② 留学生の比率が高く、ネイティブが少ない場合もある
これは「寮生活だけのデメリット」というより、
「私立高校を選ぶことによる特徴」に近いポイントです。
高校留学の目的の一つに「ネイティブの友達をたくさん作りたい」という目標を持っている人も多いと思います。
ところが、実際に寮のある私立高校へ行ってみると、
思ったより現地の学生が少なくて、
留学生ばかりの学校だった…
というケースもあります。
現地の高校生は、公立高校に通えば学費負担が少なく、大学進学も十分可能です。
そのため、わざわざ高い学費の私立高校に通う家庭は限られており、
学校によっては「生徒の大多数が留学生」ということもあります。
また、留学生が多い環境では、
- クラスメイトの英語も、必ずしも「ネイティブレベル」ではない
- アクセントや表現にクセがあり、それをそのまま真似てしまう
- インプットする英語の「質」がバラバラになる
といったことも起こります。
デメリット③ 人間関係のトラブルが起きた時、「逃げ場」が少ない
寮生活で一番大きなリスクは、人間関係のトラブルが起きたときです。
- 少人数の寮で、毎日顔を合わせるメンバーがほぼ固定
- 1日のほとんどを同じ仲間と過ごす
- 価値観も文化も違う生徒同士が、同じ屋根の下で暮らす
こうした環境では、どんなに仲の良いグループでも、
ちょっとしたすれ違いから関係がギクシャクすることがあります。
一度崩れた信頼関係を元に戻すのは簡単ではありません。
先生が間に入ってくれたとしても、相性の問題もあり、
「どうしても一緒にいるのがつらい」状態になることもあり得ます。
ホームステイの場合は、どうしても合わないときにホストチェンジをして住む家を変える
という選択肢がありますが、
寮生活では、基本的に友達との関係がつらくなっても、寮から出る=転校という大きな決断が必要
になります。
私立高校は学校ごとのカラーがはっきりしているため、転校すれば、環境も生活もほぼ「ゼロからのスタート」です。
保護者にとっても、費用面の負担が変わる可能性があります。
「人間関係のトラブルが起きたときに、簡単には逃げられない」
これは寮生活を選ぶうえで、必ず知っておきたいポイントです。
寮生活に向いている人・向いていない人の特徴
記事タイトルにもある「向いている人の特徴」を、ここで整理しておきますね。
寮生活に向いているタイプ
- 同年代の仲間と、にぎやかに生活するのが好き
- 多少のルールや制限があっても、その中で工夫して楽しめる
- 困ったことがあっても、先生や友達に自分から相談できる
- 勉強と生活をまとめて、しっかり管理してもらえる方が安心
- 将来、海外大学やボーディングスクール的な環境を視野に入れている
このタイプの人にとって、寮生活は「本気で学び、本気で話し、本気でぶつかり合える場所」になりやすく、一生の仲間に出会える可能性も高いです。
ホームステイの方が合いやすいタイプ
- 一人で落ち着ける時間・空間がないとしんどくなる
- 大勢での生活より、少人数の家庭的な雰囲気が安心
- 自分のペースで行動できる自由時間を大切にしたい
- 人間関係がこじれたときは、環境を変える選択肢を残しておきたい
- 現地の一般家庭の生活をじっくり味わいたい
こういったタイプの人は、寮生活よりもホームステイの方が心身ともに無理なく生活できるケースが多いです。
まとめ|どんな人間関係とも正面から向き合う覚悟がありますか?
「どちらが良い」「どちらが正解」という答えはありません。
大切なのは、
留学の目的(英語・進学・経験・人間関係など)、性格やこれまでの生活スタイル、そしてご家庭の希望や、負担できる費用感を総合的に見て考えることです。
たとえば、
- ネイティブの生徒と机を並べて、学力面でも高いレベルを目指したい
- 手厚いサポートの中で、徹底的に学びたい
という人には、寮生活のある私立高校が合うかもしれません。
一方で、
- 現地のリアルな生活を体験したい
- 週末に外へ出かけたり、コミュニティ活動に参加してみたい
という人には、ホームステイの方が向いていることもあります。
ホームステイのメリット・デメリットについては、『高校留学でホームステイを選ぶメリット・デメリット|人気の理由と注意点』で詳しくお話ししていますので、ぜひセットで読んでみてください。

最後に、寮生活を選ぶにせよ、ホームステイを選ぶにせよ、もっとも大事になるのは
自分に関わる人たちと、正面から向き合う覚悟があるかどうか
という点だと思っています。
日本では何となくごまかしていたことや、あやふやな言い方で済ませてきたことも、海外では通用しないことがたくさんあります。
それでも、逃げずに向き合おうとするとき、海外生活は「一生ものの仲間」と出会える場所にもなりますし、
自分自身が驚くほど成長できるチャンスにもなります。
留学パパからのおすすめ
もっと踏み込んで「不安・悩みを解消したい!」「高校留学の全体像を把握したい!」という方は、
ぜひ、留学パパ初の書き下ろし書籍「中高生の海外留学ー自分と未来が広がる本」をお読みください。

「寮生活にするか、ホームステイにするか。」
「どの国・どの高校を選ぶか。」
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