
為替レートが大きく動いたり、物価が上がったりすると、「もう高校留学は現実的じゃないかもしれない…」と感じてしまうのは、ごく自然なことです。
でも実は、
- 行き先の国やエリア
- 留学期間やタイミング
- 費用の出し方や準備のしかた
を少し見直すだけで、「完全に諦める」前に取れる選択肢が、いくつも見えてくることがあります。
このページでは、円安などの影響で不安になったときに、親として冷静に見直したい3つのポイントを整理してお伝えします。
一人で「もう無理かも」と結論を出してしまう前に、一度、一緒に状況を棚卸ししてみましょう。
関連の動画と合わせて、じっくりとご覧ください。個別のご質問やご相談については、LINE@でメッセージくださいね。


円安でも高校留学を諦める前に知っておきたい3つのヒント①
留学する「国」を見直す
高校留学と一言で言っても、どの国・どのエリアに留学するかで、かかる費用は大きく変わります。
渡航先を見直すだけで、予算内で現実的なプランが見えてくるケースも少なくありません。
アメリカ・イギリス・アイルランドの「私立高校」は、いまや超高額帯
最も費用が高いのは、アメリカの私立高校(ボーディングスクール)です。
円安の影響もあり、少し前まで「年間500万円くらいなら…」と言えていた学校が、今では最低でも年間600〜700万円。高いところでは年間1,000万円を超える学校も珍しくありません。
3〜4年間通うとなると、一軒家やマンションが買えてしまうレベルの金額です。
また、どの国であっても「私立高校の費用が高い」のは共通です。
特に、アメリカ・イギリス・アイルランドで卒業を目的とした高校留学をする場合は、実質的に私立高校しか選択肢がありません。
「できるだけ費用を抑えたい」というご家庭は、必然的に公立高校の留学プログラムが現実的な選択肢になります。
費用を抑えたいなら「公立高校 × カナダ・ニュージーランド」を軸に検討
公立高校でも卒業ができる主な国は、カナダ・ニュージーランド・オーストラリアです。
- 最も安いのはカナダ(特にマニトバ州など)
- 次いでニュージーランド
- オーストラリアは、公立・私立ともにかなり高額(年間500万円以上が一般的)
記事執筆時点(2025年11月)の概算では、
◾️カナダ・マニトバ州の公立高校
→ 学費+滞在費+手数料+保険などで 約280万円/年
→ 航空券・海外留学保険・お小遣い・エージェント費用なども含めると、
年間330万円前後を目安にしておくと安心です。
◾️ニュージーランドの高校
→ 学費・滞在費などの概算で、約350〜400万円/年程度(学校によって差あり)
もちろん、為替や物価、自治体・学校によって変動はありますが、
「どの国を選ぶか」だけで、数十万〜数百万円単位で差が出るのは確かです。
「国を見直すことで、まだ手が届くプランはないか?」という視点で、もう一度候補を洗い直してみてください。
高校留学の費用全体のイメージをつかみたい方は、
こちらの記事で基礎知識と全体像もチェックしておくと安心です。

高校留学と一言で言っても、
まず「どの国に留学するのか?」によって、かかる費用も全く違います。
渡航先の国を見直すことで、予算内で留学することができるかも知れませんね。
《関連動画》

円安でも高校留学を諦める前に知っておきたい3つのヒント②
「留学期間」を変更する。
留学パパのところに相談をくださる方は、短期留学ではなく、1年以上の長期留学、特に「海外の高校を卒業したい」という人が多いです。
ただ、海外の高校を卒業するとなると、
- 最低でも2年間
- 一般的には3年間
海外で生活することになります。
当然、滞在期間が長くなればなるほど、トータル費用は大きくなります。
ヒント①でお伝えした「年間でかかる費用」を、そのまま2倍・3倍にした金額をイメージしなければならないので、「卒業までフルで行かせるのは、さすがに厳しい…」という声もとても多いです。
パターン1:日本高1年+海外2年の「2年留学」に切り替える
「海外の高校を卒業はしたい。でも、最長でも2年分の予算しか出せない」
というご家庭は、高1までは日本の高校で過ごし、高2から海外の高校へ留学するパターンが、現実的な選択肢になります。
海外での生活期間を2年に短縮
その分、必要な総額も圧縮
「日本と海外の両方の高校生活を経験できる」というメリットもある
実際、予算に関係なく、検討時期の関係で「高2からの留学」を選んでいるケースもかなり多いです。
詳しいパターンは、こちらの記事でも解説しています。

パターン2:卒業にこだわらず「1年未満の留学」を選ぶ
「海外高校の卒業は日本でもOK」
「まずは高校時代のうちに、本物の海外生活を経験させたい」
という場合は、1年未満の留学に切り替えるのも選択肢です。
高校時代は「経験重視」で海外へ出る
その後、大学や社会人になってから、改めて長期留学や海外進学を検討する
という流れも、決して珍しくありません。
僕自身も「高校留学が誰にとってもベストな選択」だとは思っていません。
日本の高校を卒業し、そのあと大学から留学する道でも、十分に世界は広がります。
大事なのは、留学する本人と家族でしっかり話し合い、「これなら納得して続けられる」と思える形を選ぶことです。
「卒業留学」か「1年留学」か、ではなく、
「今の家計と心の余裕をふまえて、どこまでなら前向きなチャレンジにできるか?」
という視点で話し合ってみてくださいね。
《関連記事》

円安でも高校留学を諦める前に知っておきたい3つのヒント③
お金を「借りる」
高校留学に限らず、教育や生活に関するお金が足りないときにできることは、基本的に2つしかありません。
自分で「稼ぐ」
誰かから「借りる・もらう」
理想は「自分で稼ぐ」ことですが、未成年の中高生には現実的ではありません。
親御さんが収入を増やすという選択肢もありますが、それが簡単にできるなら、そもそもここまで悩んでいないはずです。
そこで、現実的な方法として出てくるのが、
奨学金・教育ローンなどの「借りる」「もらう」選択肢を上手く組み合わせる
という考え方です。
1)奨学金をチェックする
まず多くの方が思いつくのが「奨学金」です。
高校生向けの奨学金は、自治体や民間団体が出しているものもありますが、
- 募集人数が限られている
- 金額が数十万円程度のものも多い
- そもそも自分の自治体には制度がない
など、「それだけで留学費用の大部分をまかなう」のは難しいのが現実です。
ただし、文部科学省から「トビタテ!留学JAPAN」の公式HPから、海外体験プログラムや留学の奨学金、公的支援のあるプログラム情報を得ることができます。
詳しくはこちらから確認してみてください。
2)日本政策金融公庫「国の教育ローン」を検討する
僕自身も利用した、最も現実的な方法の一つが、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」です。
海外留学の場合、条件を満たせば1人あたり最大450万円まで借りられます(審査あり)。
返済期間は最長15年程度と長めに設定することができ、月々の返済も数万円台に抑えやすいのが特徴です。
- 海外での学費や滞在費の一部を教育ローンで補う
- 残りを貯蓄や奨学金などで組み合わせる
といった形で、「今まとまった現金がない」ご家庭でも、選択肢を広げることができます。
制度の詳細・条件・最新の金利などは、必ず公式サイトで確認してください。
「借金」という言葉にネガティブなイメージを持つ方も多いと思いますが、
教育に対する投資として計画的に利用するなら、人生の選択肢を広げるための道具にもなります。
海外留学への教育ローンの使い方や注意点については、別の記事でも詳しく解説しています。
《関連記事》

まとめ:円安に負けない考え方〜教育にかける費用は「消費」ではなく、「投資」
日本の高校に通う場合と比べると、高校留学にはどうしても大きな費用がかかります。
そこに円安や物価高が重なると、「うちには無理かもしれない」と感じてしまうのは当然です。
正直なところ、娘のエリンを高校留学させた僕自身、今の為替レートで同じ決断をするなら、かなり悩むだろうなと思います。
ただ、個人的には、
教育にかける費用は「消費」ではなく、「投資」だと思っています。
「消費」というのは、使ったらなくなるものですね。
例えば、食事をしたり、洋服やアクセサリー、化粧品などを買ったりするのは、
快適な生活をするためには必要不可欠ですが、使った後に何かが残るわけでもありませんし、
お金を生み出してくれることもありまん。
けれども、「教育」にかけるお金は、「投資」なので、必ず何らかの「リターン」があります。
もちろん、本人の努力次第という側面はありますが、その場限りの学校へ通う費用ではなく、
「人間的な成長と未来を創る」ことにつながっています。
単に別に学歴を積んで、良い仕事に就こうとか、そういう表面的な話だけではありません。
日本では決してできない「経験」を通じて、
「学ぶ」とはどういうことなのか?や、自分の「生き方」はどうあるべきか?など、
今後の人生を左右する「財産」を手にすることができます。
僕の個人的な考え方ですが、
「教育に関しては、借金をしてでも投資する価値がある」と思っています。
もし皆さんや皆さんのお子さんが
「本気で」海外でチャレンジしたい!という情熱や覚悟があるのであれば、
簡単に諦めるのではなく、将来を見据えた上で、
数ある選択肢の中から「納得できる選択」をして欲しいと思います。
本で全体像をつかみたい方へ
「高校留学の費用・準備・安全面などを、一度体系的に整理しておきたい」
という方には、拙著も参考になると思います。
費用だけでなく、「なぜ留学をするのか」「どんな準備が必要か」といった根本の部分も含めて整理しています。

個別の状況を踏まえた相談が必要なときは、気軽にLINE@からメッセージくださいね。

《関連記事》






