このブログを書いた「留学パパ」はこんな人。

高校生の「短期留学」とは?この記事で分かること
高校留学に興味はあるけれど、
「3ヶ月?半年?それとも1年?」
「どれくらいの期間行けばいいのか分からない…」という相談を、ほんとうによく頂きます。
日本の高校を卒業することを前提にしている人にとって、
3ヶ月〜1年未満の「短期留学」は、もっとも現実的で選びやすい選択肢です。
ただし、
在籍している高校の単位や進級のこと
大学受験とのバランス
費用とコスパ
留学の目的(英語力/経験/進路など)
を考えながら決めないと、「行ったのはいいけれど、何となくモヤモヤが残る」ということになりかねません。
このページでは、
- 3ヶ月未満・半年・1年留学の違いと特徴
- 学校主催プログラムと自己手配のメリット・デメリット
- 短期留学で英語力が伸びにくい理由
- 後悔しないために、出発前から意識しておきたい3つのヒント
を、留学パパの経験と、これまでたくさんの高校生を送り出してきた立場から、できるだけ分かりやすくお伝えします。
期間別に見る高校短期留学の特徴と費用感
短期留学には「3ヶ月未満」「半年」「1年」など様々な種類がありますが、経験できることも、かかる費用も大きく違います。
ここでは、ざっくりと「どんな人に向いているか」「どんなメリット・デメリットがあるか」を整理していきます。
3ヶ月未満の短期留学|部活や日本の高校への影響を最小限にしたい人向け
「3ヶ月未満」と言っても、数週間〜1ヶ月、2ヶ月…と、いろいろなパターンがあります。
- 1ヶ月未満:春休み・夏休みを使った休暇中の短期留学
- 1〜3ヶ月未満:日本の高校のプログラムや、NZ・オーストラリアの1学期間(ターム)より短い留学
実は、高校留学をする日本人のうち、かなり多くの人が「3ヶ月未満」のプログラムを選んでいると言われています。
理由はとてもシンプルで、
- 通っている高校の授業や成績への影響が少ない
- 「いきなり長期は不安だから、まずはお試しで行ってみたい」
というニーズに合っているからです。
一方で、費用面のコスパは決して良くありません。
3ヶ月の短期留学:トータルで100万円を超えることが一般的
半年〜1年の留学:条件次第では、150〜200万円前後で抑えられるケースもある
※費用は国・地域・学校(公立か私立か)によって大きく変わります。この記事では、為替レート(1ドル=約150円)を目安にした概算です。実際の費用は、最新のレートと学校の料金表で必ず確認してください。
「1日あたりのコスパ」だけで見れば、期間が長いほど有利になります。
それでも3ヶ月未満の短期留学が向いているのは、こんな人です。
- いまの高校の進級に影響を出したくない
- 部活や日本での生活も大切にしたい
- まずは「海外生活を経験してみる」ことが目的
中3〜高1あたりの春休み・夏休みに短期留学を経験して、
「ここで自信がついたら、卒業を目指した長期留学も考えたい」という生徒も多いですね。
半年(ターム留学)|単位認定も狙える「1学期間」の高校留学
半年(正確には4〜5ヶ月程度)の留学は、一般的に「ターム留学」と呼ばれます。
- 1年を前期・後期(2学期)に分けるセメスター制の学校に多い
- 1学期間で、履修した科目の成績と単位が出る
ターム留学の大きな魅力は、
現地で取得した単位を、日本の高校で認めてもらえる可能性がある
現地の生徒と同じクラスで1学期間を過ごせる
学校行事や課外活動にも、ある程度しっかり参加できる
という点です。
3ヶ月未満に比べると、
「クラスメイトと仲良くなる時間が増える」
「ホームシックやカルチャーショックを乗り越えながら、自分なりのペースを作れる」
といった意味でも、「留学生活のリアル」を味わいやすい期間だと言えます。
ただし、デメリットもあります。
英語力が足りないと、単位が認定されないリスクがある
授業の理解や課題の提出で思った以上に苦戦することもある
「現地の高校で、英語で学ぶ」ことになるので、最初は「先生が何を言っているか分からない」「何をやればいいのかも分からない…」という状態になるのが普通です。
それでも、
「半年でここまでやり切る!」という気持ちで、周りに頼りながらも自分で工夫して乗り越えようとする。
このプロセス自体が、大きな成長につながります。
1年留学|コスパと成長のバランスが一番良いおすすめ期間
「1年留学」と言っても、実際に海外で過ごすのは約10ヶ月という場合がほとんどです。
例)9月スタート → 翌年6月末に帰国(7〜8月は夏休み)
1年留学の最大の魅力は、費用と成長のバランスが非常に良いことです。
【交換留学】であれば、滞在費+学費で年間150〜200万円未満のケースも(航空券・保険・お小遣い等を除く)
【私費留学】でも、公立校を選べば、3ヶ月や半年留学に比べて「1日あたりのコスパ」はかなり良くなる
もちろん、私立高校などは年間350〜1,000万円程度かかる場合もあり、条件によって大きく変わります。
費用だけでなく、「高校生活の充実度」という意味でも、1年留学はとても魅力的です。
- 英語がだんだん聞き取れるようになり、自分の言いたいことを伝えられるようになる
- 授業・課外活動・イベント(Halloween, Christmas など)を1年を通して経験できる
- 「コミュニティの一員」として関わる時間が増え、友人関係も深くなる
気付けば、「日本に帰りたくない!まだ現地で高校生活を続けたい!」と思う生徒もたくさん出てきます。
「海外の高校生活をしっかり味わいたい」人にとって、1年留学は最低限の期間と言ってもいいくらいです。
《関連記事》
▶︎高校生の交換留学!どんなメリット・デメリットがあるの?知っておくべき5つのポイント!

▶︎多くの高校生が私費留学を選ぶ理由は?交換留学との違いと4つのタイプをやさしく解説

学校主催プログラムか、自己手配か?それぞれのメリット・デメリット
1年未満の短期留学をするとき、大きく分けて方法は2つです。
- 通っている高校のプログラムを利用する
- 自分でエージェントや団体を探して手配する(自己手配)
どちらが良い・悪いではなく、「自分に合っているかどうか」が大事になります。
日本の高校が主催する短期留学プログラムの特徴
最近は、受験時点で国際科(コース)があり、学校主催の短期留学がカリキュラムに含まれている高校を選ぶケースも増えてきました。
【メリット】
- 学校が紹介してくれるので、自分でゼロからリサーチしなくてよい
→ 治安や安全面も、ある程度は安心できる - 同じ高校の友達と一緒に行ける安心感
- 単位や進級について、学校側の枠組みの中で調整してもらえる
いわば「団体旅行型の留学」に近く、
「とにかく安心第一で行きたい」
という人にとっては、とても心強い選択肢です。
【デメリット】
- プログラムで決められた国や学校から選ぶことが多く、自由度が低い
- エージェント手数料やオプションが含まれ、費用が割高になるケースが多い
- 同じ日本人同士で固まりやすく、挑戦の機会が減ることもある
守られた環境は安心ですが、
「自分で調べて、自分で決めて、失敗しながら成長する」経験は少なくなりがちです。
学校のプログラムを選ぶときは、
✅安心・安全を最優先したいのか
✅自分で選ぶ自由度やコスパを重視したいのか
を、親子でしっかり話し合っておきたいところです。
自分で渡航先や時期を選ぶ「自己手配」の特徴
一方で、自分でエージェントや団体に相談して、「行きたい国」「通いたい高校」「出発時期・期間」を決める「自己手配」の短期留学も多くの人が選んでいます。
【メリット】
- 行きたい国・学校を、数多くの選択肢から自由に選べる
- 短期留学から「卒業留学」に切り替えたいときも、柔軟に対応しやすい
- エージェント選びやプランによっては、学校プログラムより費用を抑えられる
自分の将来の方向性が少し見えている人や、
あとで進路変更の可能性も残しておきたい人にとっては、自己手配の方が向いているケースが多いです。
【デメリット】
- 在籍校が「自己手配留学」を認めてくれない場合がある
→ 休学の扱いや単位認定が学校次第 - 自分に合ったエージェント・団体を探すのがとても大変
- 願書やビザなど、タイミングを間違えると希望の時期に渡航できない
特に、
「留年は絶対にしたくない」
という場合は、在籍校の校長先生の判断がすべてになります。
「どのくらいの期間なら進級に影響しないか」「現地の単位を認めてもらえるか」などは、早めに確認しておきましょう。
エージェント選びは本当に難しいテーマなので、別記事で詳しくまとめています。
《関連記事》
▶︎高校留学エージェント選びの基礎知識|失敗しないために親が知っておきたいポイント

▶︎日本学生支援機構(JASSO)『留学あっせん業者(留学エージェント)の利用について』
短期留学で英語力はどこまで伸びる?期待値の整え方
「留学=英語力アップ」というイメージを持っている人は多いと思います。
もちろん、日本にいるときよりも英語に触れる時間は増えるので、
何も変わらないということはありません。
ただし、「数ヶ月〜1年の短期留学で、ネイティブ並みの英語になる」と期待するのは現実的ではありません。
ここでは、短期留学で英語力が伸びにくい理由を、2つに整理しておきます。
短期留学で英語力が伸びにくい2つの理由
理由①:英語に触れる「量と時間」が圧倒的に足りない
英語はただの「ことば」です。
幼児だって、数年かけて毎日浴びるように聞いて、少しずつ話せるようになっていきます。
中学校卒業レベルの英語力の人が、
- 数週間〜3ヶ月 → あいさつ+αがスムーズになる程度
- 半年〜1年 → 必要最低限のことを理解して、自分の思いを何とか伝えられる程度
まで伸ばすことは十分可能です。
ただし、
無意識に過ごしていると、あっという間に時間が過ぎる
目的も決めずに過ごすと、「思ったほど伸びなかった」と感じやすい
ということは覚えておいてください。
理由②:日本人や他国の留学生同士で固まりやすい
短期留学では、同じ国から来た留学生や世界各国の留学生と仲良くなる機会が多くなります。
これは「世界中に友達ができる」という意味では、すばらしいことです。
一方で、
日本人同士で日本語ばかり使ってしまう
他国の留学生同士で話すと、文法的に不自然な英語が混ざりやすい
という側面もあります。
「現地で実際に使われている標準的な英語」に触れる時間が少ないと、
せっかくの留学なのに、「もったいない英語生活」になってしまうこともあるんですね。
「英語力アップ」より「経験」を重視した方が良いケース
短期留学で一番大切なのは、
「日本では絶対にできない経験をすること」
です。
ネイティブの高校生と一緒に授業を受ける
現地の家庭で生活しながら文化の違いを感じる
うまくいかなかった経験も含めて、自分で乗り越えようとする
こうした経験は、英語力という「数字」では測れませんが、その後の進路や生き方に大きな影響を与える財産になります。
英語力はもちろん大事ですが、
- 「どれくらい伸びたか」だけにこだわりすぎない
- 「どんな経験ができたか」「何を感じたか」を大事にする
このバランス感覚をもっておくと、短期留学の満足度はぐっと上がります。
短期留学で後悔しないための3つのヒント
ここからは、短期留学を「行って良かった!」と思える経験にするための3つのヒントです。
ヒント① 現地で「やりたいこと」を事前に言語化する
出発前に、
- 現地でやりたいこと
- やってみたいチャレンジ
- 会ってみたい人/話してみたいテーマ
を、ぜひ本気でリストアップしてみてください。
ポイントは、「できるかどうか」ではなく、「こういう行動をする」と決めることです。
1ヶ月の留学なら、実質3週間ほど。
その3週間のうち、
✅何回日本人以外の友達をランチに誘うのか
✅何回ホストファミリーに自分から話しかけるのか
✅何回学校のイベントに参加してみるのか
「行動の数」を決めておくだけでも、留学の満足度は大きく変わります。
ヒント② 日本語を極力使わないと決める
目的が何であっても、短期留学をする人の多くは
「英語力も今よりは伸ばしたい」
と思っていますよね。
そのためには、少しストイックなくらいでちょうどいいです。
日本語を使うのは、親との連絡と日本のニュースチェックくらい
気分転換に日本の音楽を聴くのはOK、でも「日本人同士で日本語ばかり」はNG
3ヶ月のターム留学で、「日本語を極力使わない」を本気で守れたら、
帰国後の英語力は、きっと自分でも驚くほど伸びているはずです。
ヒント③ 毎日英語でジャーナルを書く
3つ目は、短期留学を「一生の財産」に変えるためのおすすめ習慣です。
それは、毎日英語でジャーナル(簡単な日記)を書くこと。
書いてほしいのは、次の3つです。
- 高校留学の目的のために、今日どんな行動をしたか?
- 今日起きた出来事や経験について、どう感じたか?
- もっと良くするために、明日やってみたいことは何か?
大事なのは、行動できた日も思うように動けなかった日もどちらも「そのまま」書き残すことです。
「結局、自分は何のために留学しているんだっけ?」と毎日問い直すことが、限られた時間を最大限に活かすことにつながります。
英語だけで書くのが難しいときは、ところどころ日本語を混ぜても構いません。
(あくまで「時々」ですが…笑)
たとえ拙い英語でも、留学中に書き続けたジャーナルは、
数年後に読み返したとき、必ず自分の成長を実感できる「宝物」になってくれます。
まとめ:次の一歩に迷ったときは?
短期留学について、ここまで読んでみて
- もっと全体像を整理したい
- 具体的な準備のステップを知りたい
- まずは誰かに相談したい
という方のために、このページからつなげたい「次の一歩」を整理しておきます。
高校留学の全体像を整理したい人
「そもそも、高校留学ってどんな種類があって、費用はどれくらい?」
という全体像を整理したい人には、
留学パパの書籍『中高生の海外留学〜知るたび、自分と未来が広がる本〜』への導線を入れておくと良いです。

留学準備(学び)を具体的に進めたい人
留学までのスケジュールに合わせて、「英語・マインド・情報収集をどう進めていくか」を具体的に準備したい人には、「高校留学準備レッスンSLEEK」のページもチェックしてみてください。

まずは個人的に気になることを相談してみたい人
「まだ短期か長期かも決まっていない」
「うちの子の場合、どの期間が良さそう?」
自分に合った留学期間や方法について個別に相談したい方は、LINE@無料相談からメッセージを送ってください。
実際に高校留学を経験した「中高生の立場」と、子どもの高校留学を応援してきた「親の立場」を理解しているエリンと留学パパと一緒に考えていきましょう!

【関連動画】

