この記事を書いた「留学パパ」はこんな人

高校留学を調べていると、「交換留学」と「私費留学」という言葉をよく目にしますよね。
でも実は、この2つの違いがよく分からないまま、
なんとなく“私費留学の方が高そう”
交換留学の方が“ちゃんとしてそう”
とイメージだけで判断してしまう人も少なくありません。
この記事では、
- 私費留学と交換留学の違い
- 私費留学の4つのタイプ
- 私費留学のメリット・デメリット
- 費用の考え方と準備ステップ
を、保護者の目線も交えながら、できるだけ分かりやすく整理していきます。
私費留学とは?高校留学でよく聞く「交換留学」との違い
まずは、言葉の整理から始めましょう。
- 交換留学
- 日本の高校と「提携」している海外の学校、または斡旋団体が提携している学校へ留学する
- 日本の高校に在籍したまま、1年以内を目安に派遣される
- 受け入れ先の高校や地域は、基本的に「おまかせ」(転校はできない)
- 参加費用は比較的抑えられるが、募集人数は少なめ
- 私費留学
- 授業料や滞在費を自分で負担する留学
- 国・学校・期間・滞在方法などを、自分たちで選びやすい
- 数週間の留学から、卒業を目的とした長期留学まで幅広い
- 費用は「自分たちの選び方」で大きく変わる
分かりやすく表にまとめてみました。

「私費留学だから高い」「交換留学だから安い」と単純には言えません。
どんな国・学校・期間を選ぶかで、トータル費用は大きく変わってきます。
交換留学の仕組みやメリット・デメリットを、まず知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
▶︎ 高校生の交換留学!どんなメリット・デメリットがあるの?知っておくべき5つのポイント

《関連動画》
私費留学の4つのタイプ
一口に「私費留学」と言っても、実際にはいくつかのパターンがあります。
高校生が選びやすい私費留学は、大きく分けて次の4タイプです。
- 数週間〜数ヶ月の短期留学(春休み・夏休み利用)
- 3ヶ月〜半年ほどのターム留学
- 1年間の留学(1年留学)
- 海外の高校を卒業することを目的とした卒業留学(正規留学)
ここからは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
タイプ① 数週間〜数ヶ月の短期私費留学
春休み・夏休みを使って「まずはお試しで海外生活を体験したい人」が選ぶ私費留学です。
こんな人に向いています
- 海外には憧れがあるけれど、いきなり長期間の留学は不安
- 日本の高校を休まずに、休みの期間だけで留学してみたい
- 本格的な留学は大学生になってから考えたい
- まずは「海外の雰囲気」を知るのが目的
短期留学は、旅行も含めて一度も海外に行ったことがない人にとって、とても良い「初めの一歩」になります。
メリット
好きな国や興味のある地域を自由に選びやすい
留学期間を、自分や家族の予定に合わせて調整できる
英語力が低くても参加しやすい
プログラムの種類が豊富(語学学校・現地校体験・アクティビティ系 など)
今通っている高校を欠席せずに海外経験ができる
デメリット・注意点
期間が短いため、英語力アップはあまり期待しすぎない方が良い
一緒に学ぶのは、アジア人を中心とした留学生が多く、日本人も多い
ネイティブの友達ができる可能性は低い
滞在期間の割に費用が高くなりやすく、「コスパ」はあまり良くない
留学パパのイメージでは、短期留学は「経験留学」。
「英語力を上げたい」というより、「一度海外に出てみる」「世界の広さを肌で感じる」ための留学です。
短期〜1年未満の留学だけを詳しく知りたい人向けの記事はこちらです。
▶︎3ヶ月・半年・1年未満の高校留学をしたい人が後悔しないために知っておくべきこと

《関連動画》
短期留学の選び方のポイントは、この動画で詳しく話しています。
タイプ② 海外の高校生活をしっかり味わいたいターム留学
3ヶ月〜半年の「1学期間」を現地の高校で過ごすプランです。
こんな人に向いています
- 「現地の高校生として学校に通ってみたい!」
- できるだけ日本の高校を休学せずに、高校生活も大事にしたい
- 短期留学より、もう一歩踏み込んだ経験をしたい
ターム留学の場合、現地の高校に正式な留学生として在籍します。
語学学校ではなく、ネイティブの高校生たちと同じ教室で授業を受けるイメージです。
メリット
海外の高校生として学校に通い、リアルな高校生活を体験できる
現地の友達を作りやすく、学校行事や部活動にも参加できる
英語漬けの環境になるので、リスニング力・スピーキング力の土台づくりに最適
科目によっては、現地で取得した単位を日本の高校で認めてもらえるケースもある
1年以上の長期留学に比べて、費用を抑えやすい
特に、カナダやニュージーランドは、公立高校の受け入れ体制が整っており、私費留学でも比較的費用を抑えやすい国として人気があります。
デメリット・注意点
ネイティブのスピードや授業レベルに、最初は圧倒される可能性も
英語力が飛躍的に伸びる」ところまでは、3〜6ヶ月だと時間が足りない
在籍高校が、現地の単位認定に慎重なケースもあり、場合によっては「留年」の可能性がゼロではない
ターム留学は、「現地の高校生活を体験する」「英語で学ぶことの現実を知る」という意味で、とても価値のある経験です。
その上で「もっと長く行きたい」「卒業したい」と感じたら、次のステップとして長期留学を検討していくイメージですね。
《関連動画》
高校留学で英語力はどのくらい伸びるのか」について、動画で詳しく話しています。
タイプ③ 1年間の私費留学
英語力と人間的な成長を大きく伸ばしたい人向けの私費留学です。
こんな人に向いています
- 高校生活のどこか1年を、海外で過ごす決意がある
- 「英語力をしっかり伸ばしたい」「自立したい」という気持ちが強い
- 将来、大学進学やキャリアの選択肢を広げたい
1年間海外で過ごすと、日常会話に躊躇がなくなったり、英語で授業を受けることに慣れてきたり、海外でのさまざまな人間関係やトラブルへの対応力など、
短期やターム留学では得にくい「生活力」や「心の土台」が育ちます。
メリット
英語力だけでなく、自立心やメンタルの成長が大きい
帰国生入試や、海外大学進学の下地づくりになる
現地の学校生活に馴染みやすく、友達関係も深まりやすい
デメリット・注意点
日本の高校での学年・単位の取り扱いをどうするか、事前の確認が必須
場合によっては、休学や留年を選択せざるを得ないこともある
費用は、国や学校によって大きく変わるが、年間で見るとそれなりの負担
「費用面から、“どの国・どの期間”が現実的かを整理したい方はこちらの記事をご覧ください。
▶︎費用から逆算!どのくらいの予算で、どんな高校留学ができるの?

タイプ④ 卒業留学(正規留学・長期留学)
海外の高校を卒業し、進路の選択肢を大きく広げたい人向けの私費留学です。
こんな人に向いています
- 将来、海外大学や英語を使う仕事を本格的に考えている
- 「高校から海外で学ぶ」ことにワクワクする気持ちがある
- 親子でよく話し合い、費用や進路についての覚悟もある
卒業留学は、2〜3年かけて現地の高校を卒業する留学です。
メリット
帰国生入試・海外大学進学など、進路の選択肢が一気に広がる
英語で学び、考え、プレゼンやレポートを書く力が身につく
海外での人間関係や経験が、そのまま将来の財産になる
デメリット・注意点
費用負担は大きく、長期的な計画が必要
日本の高校に戻る前提ではないため、「日本の学歴」は高校までとは別のルートになる
思春期の数年間を海外で過ごすことについて、親子でしっかり話し合っておく必要がある
卒業留学は、「特別な人だけが行くもの」ではありません。
ただし、準備と覚悟が必要なチャレンジであることは事実です。
その意味でも、まずは情報を集めて、「本当に自分たちに合っているのか」を考えることが大切です。
卒業留学(正規留学)のメリットだけを詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
▶︎卒業留学(正規留学)のメリット3選|高校留学で広がる大学進学と将来の選択肢

私費留学は本当に高い?
交換留学との費用比較と、予算の考え方よくある誤解が、
「交換留学=安い」「私費留学=高い」
というイメージです。
実際には、行き先の国、公立か私立か、滞在方法(ホームステイ/寮)、そして期間などによって、費用は大きく変わります。
では、具体的にどのように考えて向き合っていけば良いかについて、説明しますね。
「金額そのもの」だけでなく、「費用対効果」で考える
例えば、
- 夏休み3〜4週間の短期留学で80〜120万円
- カナダやニュージーランドの公立高校で、1学期間〜半年のターム留学が150万円前後〜
というケースも珍しくありません。
「とにかく安く行ければいい」という視点だけで見ると、かけたお金に対して得られる経験が思ったほどではなかった、と感じることもあります。
費用は「安いか高いか」だけでなく、その金額で「何が得られるのか」という視点で考えてみてください。
高校留学の費用の全体像についてわかる記事は、こちらからご覧ください。

以下は、公的な奨学金情報として、文部科学省から出ている情報ページになります。ぜひ読んでみてくださいね。
▶︎文部科学省 トビタテ!留学JAPAN 「留学奨学金検索」
私費留学が向いている人・向いていない人チェックリスト
「うちの子に、私費留学は合っているのかな?」と悩んでいる保護者の方も多いと思います。
ここでは、あくまで目安としてのチェックリストを用意しました。
向いている可能性が高い人
- 自分で国や学校を選んでみたい
- 短期だけでなく、ある程度の期間、海外で生活してみたい
- 英語力に不安はあっても、「準備して挑戦したい」という気持ちがある
- 将来の選択肢(日本の大学・海外大学・仕事)を広げたい
向いていない可能性がある人
- できるだけ安いプランだけで決めたい
- 自分で調べたり考えたりするのが極端に苦手で「全部お任せ」が安心
- 日本の高校での学年や成績を、何よりも最優先にしたい
もちろん、これはあくまで目安です。
大事なのは、本人の気持ちと、親の想いをじっくり言葉にしていくこと。
その対話の中で、「自分たちにとってちょうど良い留学の形」が見えてきます。
まとめ:失敗しない私費留学の準備ステップ
最後に、「正解の留学」ではなく、「自分に合った留学」を選ぶために、私費留学を前向きに検討したい方に向けて、準備のステップを3つに分けて整理しておきます。
ステップ1:目的と条件を整理する
- どのくらいの期間、どんなタイミングで行きたいか
- 予算の目安(ざっくりでOK)
- 英語や勉強の不安、生活面の心配ごと
これらを書き出してみることで、「短期が合っているのか」「ターム留学が良さそうか」「卒業留学も選択肢に入れるか」が見えやすくなります。
ステップ2:留学に必要な基礎知識を得る
私費留学では、「選べる自由」がある分、いろんな情報に触れると頭が混乱してしまうこともあります。
留学パパのブログ記事やYouTube動画などをご覧いただくことに加えて、皆さんの不安や疑問を40個に絞ってまとめた一冊の本を書き下ろしました。
留学パパの最新刊「中高生の海外留学ー知るたび、自分と未来が広がる本」
高校留学の価値がさらによく理解でき、「やってみたい!(応援したい!)」というワクワクした気持ちになれると思います。
ステップ3:エージェントに相談する前に、LINE@無料相談を活用しよう!
全体像がつかめてくると、次は「どんなステップを踏めば良いの?」「個人的なことを相談したい!」と感じるようになります。
この段階でいきなり留学エージェントに相談すると、「おすすめされるままに…」となってしまい、後で後悔することも少なくありません。
「次の一歩」を探している方のために、LINE@からの無料相談にお答えしています。
実際に娘を高校留学させた「親の立場」、そして自分自身が高校留学を経験した「留学する中高生の立場」で、お一人お一人の悩みを一緒に考えていきます。
ぜひ気軽にメッセージくださいね。

この記事が、「私費留学ってどんなものなんだろう?」と情報収集を始めた中高生や保護者の方にとって、最初の一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。

