この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

ネットで「高校留学 やめとけ」という言葉を見て、不安になっている…
うちの子に、高校留学は本当に合っているのかな?
そんな気持ちで、このページにたどり着いた方も多いと思います。
結論から言うと、高校留学は、誰にとっても「やめとけ」ではありません。ただ、目的が「今の環境から逃げたい」だけのままだったり、自分で決めずに周りに任せていたりすると、現地でしんどくなりやすいのは本当です。
先に、僕の立場をはっきりお伝えしますね。
僕は、高校留学がすべての子にとってベストだとは思っていません。
目的が「逃げ」のままなら、「今は行かない方がいい」と正直にお伝えすることもあります。
でも同時に、「向いていない=一生無理」だとも思っていません。
今のまま飛び込むとしんどくなりそうなサインがあるなら、それは「やめる理由」ではなく、「出発までに何を整えればいいか」を教えてくれる地図になります。
この記事では、「やめとけ」と言われる理由の本当のところ、僕が「今は行かない方がいい」と伝えるとき、向いていない5つのサイン、そして娘のエリンの話を、順番にお伝えします。

「やめとけ」と言われる理由は、本当?
ネットでよく見かける「やめとけ」の理由を、僕たちが見てきた現実と並べてみます。
よく言われる理由
英語ができないと、つらいだけ
本当のところ
つらいのは本当です。エリンも最初は授業がほとんど聞き取れず、学校帰りのバスで一人で泣いていました。ただ、途中で帰ってくる理由の上位は、英語力ではありません(下の調査)
よく言われる理由
途中で帰ってくる子が多い
本当のところ
高校時代に留学した1,088人への調査(2019年)では、途中でやめた(退学を含む)のは12.0%。「やめることを考えたことがある」の36.3%と合わせると、約半数が一度は「帰りたい」と思っています。でも、その多くは乗り越えて留学を続けています
よく言われる理由
お金がかかりすぎる
本当のところ
カナダ・NZの公立高校に1年なら、航空券と保険を除いて約334万〜557万円が目安です。高いのは事実なので、先に予算の上限を決めて、国・期間・地域を逆算することが大切です
よく言われる理由
日本の青春や受験から外れてしまう
本当のところ
卒業まで留学すれば、日本の学校行事や、日本語に触れる時間は減ります。失うものがあるのは本当です。そのかわりに、日本にいては得られない経験が手に入ります
同じ調査で、やめた・やめようと考えた理由を見ると、トップはホームシック(31.6%)。
次が学校生活の問題(23.8%)、食事になじめない(20.2%)、ホストファミリーとのトラブル(11.1%)と続きます(ディーサイド留学情報センターの調査)。
どれも、英語力そのものの問題ではないんですね。
英語が得意じゃなくても、人と関わる力や、「助けて」と言える力がある子は乗り越えていきます。
費用の考え方は「早わかり!高校留学の費用についての基礎知識」に、大学の費用との両立は「高校留学の費用と大学進学、両立できる?親がまず考えたい3つのステップ」にまとめています。
つまり、「やめとけ」の本当の中身は、「準備をしないまま行くと、つらい」なんです。
この調査のことは、noteの「「12%が途中で帰国する」高校留学のリアル ― でも、本当に怖いのは数字じゃなかった」でも詳しく書いています。
あわせて読みたい
「意味ない」「失敗したら」と迷っているときは、デメリットの裏にある価値と、夢や目的がなくても将来につながる理由をまとめたこちらの記事もどうぞ。
僕が「今は行かない方がいい」と伝えるとき
受験の結果が出る3月・4月は、留学の相談が増える時期です。
そこでよく出てくるのが、「それって、受験からの逃げじゃないの?」という言葉です。
僕の判断の基準は、シンプルです。
目の前の苦しみから楽になりたいだけなら、それは「逃げ」かもしれません。でも、どうしてもやりたいことがあるなら、それは立派な「選択」です。中学を出て寿司職人を目指す子を、「逃げ」とは言わないですよね。
それと同じです。
「逃げ」の留学がなぜ危ないのか。
それは、留学が決して楽な道ではないからです。
言葉の通じない国で、ゼロから生活をつくる。
日本の高校に行くより、ずっとハードです。
エリンも、勉強が嫌で逃げるように留学してきた子は、現地でも苦労していることが多かったと話しています。
実は僕自身、日本の大学受験で第一志望に落ちて、専門学校に進みました。
英語を学ぶうちに「英語を学ぶんじゃなくて、英語で学びたい」と思うようになり、20歳を過ぎてからアメリカの大学に進みました。
受験の失敗は「終わり」ではなく、別の扉が開くきっかけだったんです。
大事なのは、「妥協」ではなく「意志」で選べるかどうかです。
親御さんにお願いしたいのは、頭ごなしに「それは逃げだ」と決めつけないことです。
まずは「なんで、そう考えるの?」と、理由を聞いてみてください。
🎧 このテーマは、エリンとPodcastでも本音で話しています
- Podcast 第33回:高校留学って、受験からの「逃げ」なの?
- Podcast 第94回:高校受験に失敗したから留学するってどうなの?
高校留学に向いていない5つのサイン
ここからは、「このまま行くと、かなり苦労するだろうな」と僕が感じる5つのサインです。
1つでも当てはまったら即アウト、という話ではありませんよ。
「出発までに、どこを整えればいいか」のチェックリストとして読んでみてください。
サイン① 「勉強なんて意味ない。できれば楽だけしたい」と本気で思っている
「日本の勉強は受験のためだけ。だから価値がない」。
そう感じるのは、ある意味とても自然なことです。
でも、海外の高校で待っているのは、知らないことを調べて、自分なりに考えて、言葉にして相手に伝える毎日です。
「勉強が苦手」なのは大丈夫。でも、「学ぶこと自体が嫌い」だと、かなりきつい。これが正直なところです。
- 本や記事を読むのがイヤ
- 分からないことを調べるのが面倒
- 興味のあることでも、深く知ろうとする前に飽きてしまう
こうした傾向が強いなら、出発の前に「自分にとって、学ぶってどんな意味があるんだろう?」を、親子で話してみてください。

そもそも学校は、勉強をしに行くところです。
日本では、その目的が「受験」になりがちで、やり方が「暗記」に偏りがちなだけで、勉強そのものが間違っているわけではありません。
「日本で学ぶこと」が、高校留学でどれくらい役に立つのかは、こちらの動画でお話ししています。

サイン② いつも受け身で、「周りが決めてくれる」のが当たり前
日本では、空気を読む、指示に従う、目立たない、といったことが「良い子」と結びつく場面が多いですよね。
でも海外の高校では、「話さない=意見がない」「動かない=やる気がない」と受け取られてしまいます。
分からないことがあれば、自分から先生や友達に聞きに行かない限り、状況は変わりません。
- クラスや部活でも、基本的に受け身
- 分からなくても質問せず、「教えてくれないのは先生が悪い」と感じてしまう
- 自分の意見を言うのが怖くて、黙ってしまう
いきなり「積極的な人」になろうとしなくても大丈夫です。
でも少なくとも、「困ったら、自分から誰かに助けを求める練習」だけは、出発前から少しずつ始めてください。

サイン③ 何かあると、すぐ「人のせい・環境のせい」にしてしまう
「ホストファミリーが悪い」「学校のシステムが悪い」「周りの子が冷たい」。
環境が原因になることも、ゼロではありません。
でも海外では、「その環境を選んだのは自分。そこからどう動くかも自分次第」という考え方が当たり前です。
- トラブルがあると、真っ先に「誰のせいか?」を考えてしまう
- 「どうしたいか?」より、「誰が悪いか?」が気になる
- 自分の行動を振り返る前に、周りを責めたくなる
つらいときに弱音を吐くのは、悪いことではありません。
大事なのは、そこから「じゃあ、自分にできる一歩は何だろう?」に切り替えられるかどうかです。

エリンがホストファミリーとの関係に悩んだとき、どう動いたのかは、こちらの動画で話しています。

サイン④ 「できない理由」探しが得意で、まだ何も始めていない
「英語ができないから無理」「友達ができなかったらどうしよう」「失敗したら人生終わりそう」。
不安を感じるのは当たり前です。
でも、その不安を理由にして何も動かないままだと、「できなかった」のではなく「やらなかった」になってしまいます。
- 頭の中のシミュレーションばかりで、行動に移せない
- 情報を集めるだけで、いつまでも決められない
- 「失敗したらどうするの?」が口癖になっている
大事なのは、「だから、やめておこう」ではなく、「じゃあ、どんな準備をしたらチャレンジできそう?」と考えてみることです。

サイン⑤ 挨拶・返事・「ありがとう」が苦手で、直す気もあまりない
小さなことに見えるかもしれませんが、とても大切です。
海外の高校生活には、最初に声をかけてくれるホストファミリー、ゆっくり話してくれる先生、つたない英語を待ってくれるクラスメイトなど、助けてくれる人がたくさんいます。
そのときに、目を見て「Hi!」
「Thank you!」が言えるかどうかで、人間関係は想像以上に変わります。
「シャイだから」「日本人だから」で済ませてしまうと、せっかくのチャンスを取りこぼします。
逆に言えば、挨拶とお礼をしっかり言えるだけで、驚くほど多くの人が味方になってくれるんです。
エリンに聞いた「向いている人」
では反対に、どんな人が向いているのか。
エリンに聞いてみたら、答えは「目の前の状況を素直に受け入れて、知らないことに興味を持てる人」でした。
エリン自身、授業が分からないときは、先生のところへ行って「日本から来たばかりで何も分かりません。助けてください。宿題は何ですか?」と聞きに行っていたそうです。
できないことを隠さずに、助けを求める。
それが、英語力よりも大きな力になります。
「向いている人・向いていない人」は、Podcast「高校留学.fm」の第15回「あこがれだけじゃダメ!?高校留学はどんな人に向いてるの?」でも、エリンと話しています。
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「うちの子はおとなしいから」「人見知りだから」と、性格のことで迷っている方は、こちらもあわせて読んでみてください。
エリンも、最初は「向いていない」側だった
ここで、娘のエリンの話をさせてください。
エリンは15歳で、カナダの高校に留学しました。
英検2級は持っていましたが、現地ではほとんど聞き取れず、教室では「透明人間」のようだったそうです。
学校帰りのバスで、一人で泣いたこともありました。
泣きながら電話がかかってきたとき、最初に気持ちを受け止めていたのは、留学ママ(エリンの母親)です。
そのうえで、僕が言い続けたのは、この言葉です。
いい経験してるじゃん!
その経験をしたくて留学したんでしょ?
最高じゃん
留学パパ
ただ、この言葉をいきなり言うのは、おすすめしません。
僕がこう言えたのは、先に留学ママ(エリンの母親)が気持ちを受け止めてくれていたから。そして、僕自身に留学の経験があったからです。
エリンは3年間で何度も泣きました。
それでも、「日本に帰りたい」とは一度も言いませんでした。
そして、カナダの高校を卒業しました。
最初から「向いている子」なんて、いないんです。
壁にぶつかったときに、自分で次の一歩を選び直せるかどうか。
違いは、そこだけだと僕は思っています。
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泣いて電話が来たときの受け止め方と、英語でつまずいたときのことは、それぞれ詳しく書いています。
親子で話してほしい3つの問い
「行かせるべきか、やめさせるべきか」。
その答えを、親が一人で出す必要はありません。
かわりに、お子さんとこんな話をしてみてください。
留学して、どんな自分になりたい?
うまくいかなかったとき、どうする?
それは「逃げ」?
それとも「選択」?
そして最後は、「あなたはどうしたい?」。
我が家では、何かを決めるとき、いつもこの問いに戻ってきました。
親が決めた道ではなく、自分で決めた道だからこそ、壁にぶつかっても踏ん張れるんです。
親の不安の正体については、noteの「中高生の子どもを海外へ送り出すのが怖い。「親の不安」の正体と乗り越え方」でも書いています。
「失敗=ダメなこと」ではない。大切なのは「自分で決めたかどうか」
ここまで、厳しい現実もお話ししてきました。
でも実は、僕がこれまで出会ってきた留学経験者の中に、「留学なんてしなければよかった」と後悔している人は、一人もいません。
もちろん、現地で壁にぶつかって泣いた子はたくさんいます。
途中で日本に戻る決断をする子もいます。
それでも、自分で真剣に考えて出した答えなら、途中で帰ることも、次につながる前向きな選択です。
問題になるのは、親や誰かに決められた道を、納得しないまま進んだときなんです。
後悔しないために必要なのは、才能でも英語力でもありません。
自分で決めた道を進む情熱と、どんな結果も受け入れる覚悟です。
「やった後悔」と「やらなかった後悔」。
10年後に振り返ったとき、どちらを抱えていたいでしょうか?
📖 「失敗」についての考え方は、noteでも書いています
まとめ:「やめとけ」は、準備の地図になる
- 「やめとけ」の本当の中身は、「準備をしないまま行くと、つらい」
- 途中でやめるのは約12%。「帰りたい」と思っても、多くの子は乗り越えている
- 「逃げ」か「選択」かを分けるのは、目的があるかどうか
- 向いていない5つのサインは、出発までに整えることの地図
- 決めるのはお子さん自身。親は「あなたはどうしたい?」と聞く
「うちの子は、行くべき?今は待つべき?」。
まだ何も決めていない段階こそ、話してみてください。
無理な押し付けや、留学ありきの話は一切しません。
答えを渡すのではなく、一緒に考えます。
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- 本で全体像を知る
そもそもどんな留学の形があるのかを整理したい方は、公的機関の日本学生支援機構(JASSO)が運営する海外留学情報サイトの「はじめての留学」ページも参考になります。








