この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

ある日突然、わが子から「海外の高校に留学したい」と言われたら、あなたならどうしますか?
驚いて言葉に詰まる。思わず「何言ってるの」と返してしまう。それは、親としてごく自然な反応なんですね。
僕とエリンは、8年間で5,000人以上の中高生・保護者のご相談に向き合ってきました。でも、最初から大賛成できた親御さんは、むしろ少ないくらいです。
文部科学省の調査によると、3か月以上の留学をした高校生は、令和5年度で3,174人です。周りに経験者がほとんどいない道なんですから、不安になって当然ですよね。大切なわが子だからこそ、
本当に一人でやっていけるのか
お金はどうするのか
日本の高校や大学受験はどうなるのか
と、心配が先に立つのは当然のことです。
では、どうすればいいのか? この記事では、いきなり「行かせるか、やめさせるか」の白黒をつける前に、頭の中の不安を一つずつほどいて、親子で納得できる答えを見つけるための材料をお渡しします。
14歳の娘から「行かせてください」と言われた夜、僕たち家族もみんなで泣きました
少しだけ、僕自身の話をさせてください(詳しいプロフィールは「留学パパについて」をご覧ください)。
僕は21歳でアメリカに渡り、現地の大学を卒業しました。それでも、娘のエリンに「留学しなさい」と言ったことは一度もありません。エリンは中学1年生の頃、「日本で生きていけるのに、なんで英語なんて勉強しなきゃいけないの?」と言うほど、英語が大嫌いな、ごく普通の中学生でした。
中学2年生の冬、僕は「高校留学という選択肢もあるよ。興味があれば、春休みまでに自分で調べてごらん」とだけ伝えました。背中は押しませんでした。決めるのは、本人だと思っていたからです。
転機は、中学3年生になる春休み(14歳)の家族旅行で訪れたハワイでした。現地で留学経験者に話を聞いたとき、「高校から行けるなら、絶対に行った方がいい」と即答されたのです。その日の夜、エリンは僕たちに言いました。
「高校留学に行かせてください」
親が勧めたのではなく、14歳の娘が自分の意志で、人生で初めての大きな決断をした瞬間でした。家族みんなで泣いたことを、今でもよく覚えています。

でも、正直に言いますね。そのすぐ後から、親としての現実的な不安が押し寄せてきました。
そこから数十社の留学エージェントを自分の足で回り、情報を集め始めたのが「留学パパ」としての活動の原点です。だからこそ、今お子さんから「留学したい」と言われて揺れているあなたの気持ちが、よく分かるんです。
「今の学校や受験からの“逃げ”じゃないの?」と感じたときに確認したいこと
お子さんから「留学したい」と言われたとき、こんなふうに感じませんでしたか?
今の学校の人間関係や、高校受験の勉強から逃げたいだけじゃないの?
多くの親御さんが、最初にこの疑問を持ちます。
結論から言うと、僕も「逃げ」で留学する人は全力で止めます。
言葉も文化も違う海外の高校で暮らすのは、日本の学校に通う以上にタフな経験です。「目の前の苦しみから楽になりたいだけ」で海を渡っても、現地で壁にぶつかったとき、踏ん張る理由がないんですね。
じゃあ、「逃げ」と「挑戦」はどこで分かれるのでしょうか?
「逃げ」と「挑戦」を分けるのは、本人の「意志と目的」
きっかけが「今の学校が合わない」「受験勉強に意味を見出せない」「志望校に落ちてしまった」といった、ネガティブに見える出来事だったとしても、そこに「海外でどうしてもこれをやってみたい」という本人の意志と目的があるなら、それは「逃げ」ではなく「挑戦」です。
不登校や、今の学校に息苦しさを感じている場合
お子さんが学校を休みがちだったり、日本の学校生活に強い息苦しさを感じていたりする場合は、拙著『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』でもお伝えしている、次の3つを親子で確認してみてください。
- 欠席の理由と、これからどう頑張るのか:願書では欠席の理由が大事になります。過去よりも、「これから現地でどう頑張るのか」を本人が自分の言葉で言えるかどうかです。
- 国による受け入れ方針の違い:ニュージーランドは比較的寛容、アメリカ・イギリス・オーストラリアは厳しめ、カナダは州や学区によって違います。
- 「現地で不登校にならない」という本人の覚悟:環境が変われば、気持ちも変わることがあります。それでも最後に毎日学校へ向かうのは、本人です。
このテーマは「不登校でも高校留学できる?失敗しないために知っておくべき5つのポイント」で詳しく書いています。
費用・英語・治安・進路…「理屈の不安」は、ひとつずつ確かめられる
「やっぱり無理じゃないか」と感じるとき、頭の中ではいくつもの不安が、ひとつの大きな塊になっていませんか?
でも、ちょっと分けてみてください。費用、英語力、治安、帰国後の進路。こうした不安は、実は調べれば確かめられることがほとんどなんです。
親御さんが反対したくなる理由として特に多い5つ(英語は日本でも学べる/未成年を海外に出すのは危険/挫折しないか/中卒扱いにならないか/大学からの留学で十分では)は、「なぜ高校から留学するの?大学からでは得られない「10代の海外経験」の価値」で一つずつ整理しています。気になるものから読んでみてください。
- 治安:高校留学の治安が心配。「本当に危険?」を整理する3つの視点
- 挫折:英語が得意じゃない子が高校留学して「挫折したら?」親が本当に知っておきたい現実と備え
- 費用:早わかり!高校留学の費用についての基礎知識、円安や物価高で高校留学の費用が足りないと感じたときに、諦める前に見直したい3つのこと
- 英語力:高校留学に必要な英語力の目安とは?誰も教えてくれない準備と勉強法
- 時期:中3からでも間に合う高校留学|2027年度の国別申込時期と準備スケジュール
- 親の英語力:親が英語を話せなくても、子どもの高校留学は支えられる?“通訳”より大切な親の役割
- 先生の反対:高校留学を先生に反対されたら?応援してもらえない理由と、親子でできる向き合い方
国や学校選び、安全、お金のことを公的な情報でまとめて確かめたい方は、文部科学省とJASSOが運営するトビタテ!留学JAPANの「保護者のための10代留学ガイド」も参考になります。
そのうえで、この記事でお伝えしたいのは、調べるだけでは片づかない、もうひとつの不安のことです。

「子どもの課題」と「親自身の寂しさ・恐れ」を切り分けてみる
調べて確かめられる不安を整理したら、最後にもうひとつだけ、ご自身の心に問いかけてみてほしいことがあります。
「その不安は、子どものものですか?
それとも、あなた自身のものですか?」
どうでしょう? 少しドキッとした方もいるかもしれませんね。
親が留学に反対したくなるとき、その奥には、「まだそばにいてほしい」という寂しさや、「日本の“普通”から外れることへの親自身の恐れ」が隠れていることが少なくないんです。
拙著でも、親御さんに向けて次のようにお伝えしています。
- 寂しさは、愛情の証です。でも、寂しさを理由に子どもの選択を邪魔するのは、愛情ではありません。
- 親の「期待」は、親のエゴでもあります。「いい大学に行ってほしい」「失敗してほしくない」という期待を押しつけるのではなく、「期待」を「信頼」に変えて、子どもの選択を見守ること。留学は、実質的な「子育ての卒業」でもあります。
- 子どもが一番つらいのは、失敗することよりも、大事な人(親)から信じてもらえないことです。
もちろん、心配するのは当然です。ただ、「心配だからダメ」と蓋をする代わりに、こう言ってみたらどうでしょう?
どうすればその心配をクリアできるか、一緒に調べてみようか
それだけで、親子の関係は「向かい合う」ものから「同じ方向を向く」ものに変わります。
親に一番求められているのは、英語の「通訳」ではなく、お子さんが安心して弱音を吐ける「安全基地」になることです。
【この記事を読んでいる中高生のみなさんへ】「お願い」からではなく「気持ちの共有」から始めよう

もし今、この記事を中高生のあなたが読んでくれているなら、ひとつ聞かせてください。親に留学の話をするとき、最初に何と言おうと思っていますか?
もし「留学に行かせて!」という“お願い”から入ろうとしているなら、ちょっと待ってください。情報も準備もないまま結論だけをぶつけると、親はあなたを守ろうとして、ブレーキを踏むしかなくなるんです。
大切なのは、「お願い」ではなく「今の気持ちの共有」から始めることです。
まだ絶対に行くと決めたわけじゃないんだけど、海外の高校に興味が出てきたから、一緒に調べてみてくれないかな?
なぜ日本の高校だけじゃなくて、海外も考えてみたいと思ったのか、一度聞いてほしい
親を「説得する相手」ではなく、「一緒に考えてくれる相手」にしてみてください。切り出し方や、今からできる準備は「高校生になったら留学したい!中学生の今から何をしたら良い?」のQ3でも紹介しています。
まとめ:結論を出す前に、親子で「判断材料」を揃えてみませんか?
子どもから「留学したい」と言われたこと。それは、最終的に留学するかどうかに関わらず、「これからどんな人生を生きていきたいのか」を親子で本音で語り合う、いいきっかけだと僕は思うんです。
僕たちFED Study Abroadは留学エージェントですが、無理な押しつけや、留学ありきの話はしません。対話を重ねた結果、お子さん自身が「今は日本の高校で頑張る」と納得して決めたなら、それも一つの答えだと本気で思っています。
まずは白黒を決める前に、今の親子のペースに合う方法で、判断材料を集めてみてください。
- 本で全体像を知る
費用の考え方、国ごとの特徴、親の心の持ち方まで、1冊にまとめました。リビングに置いて、親子でページをめくってみてください。書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』

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