この記事を書いた「留学パパ」はこんな人
「高校留学はしたい(させてあげたい)とは思うけど、費用がたくさんかかると予算的に厳しいんです」という相談はかなり多いんですね。
特に「高校留学でお金を使い果たしてしまうと、大学進学に使える費用がなくなってしまう」という点については、切実な問題としてよくメッセージをいただきます。
確かに、日本の高校や大学へ進学するのに比べると、学費はもちろん、海外での生活費を足すと、ビックリするような金額になることも多いです。
3ヶ月未満の短期留学であれば、まだ何とかできるという人でも、年単位での卒業を目的とした留学になると、かなりまとまったお金が必要ですよね。
今回は、「限られた予算で、どういった留学が可能なのか?」「ひょっとしたら高校留学は諦めた方が良いのでは?」といった視点で、高校留学の費用・お金のことについてヒントをお伝えしたいと思います。
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【重要なお知らせ】
この記事で紹介している費用については、US1ドル=約105円で計算しています。ご覧いただく時点での各国の為替レートに換算してご理解ください。
高校留学って、一体いくら費用がかかるの?
留学パパにLINE@で、単刀直入な質問が送られてくることがあります。
その代表的な質問の1つが「高校留学って、一体いくら費用がかかりますか?」というものです。
僕からの答えを先に言うと、「どんな留学を選択するか?によって費用は異なります」ということです。
考えてみれば当たり前のことなんですが、高校留学と一言で言っても、色んな種類がありますよね?
代表的な例を挙げると・・・
そして、国やエリアによっても違えば、私立高校(ボーディングスクール)と公立高校によっても費用は全く違ってきます。
まずは、それぞれについて違いを理解するところからのスタートになります。
その上で、自分が希望する留学がいくら費用がかかるか?というリサーチをすることになりますね!
あまりに沢山の種類がある高校留学ですから、正確な金額をお伝えすることは不可能なんですが、ここでは一般的な相場としての概算費用をお伝えしたいと思います。
※学費と滞在費の目安です。航空券代や保険代、現地でのお小遣いは除きます。。
【円相場がUS1ドル=110円での計算です。現在の為替相場と合わせて計算してくださいね】
かなりザックリとした目安金額ですね。
円相場によっても変動しますし、留学エージェントの手数料にも大きな差があるため、同じ学校でも費用の総額が異なりますね。
発展途上国への留学だと、もう少し費用を抑えることができる場合もありますが、留学パパが情報提供しているのは主に欧米英語圏なので、少なくとも上記のような年間費用がかかると思ってくださいね。(繰り返しになりますが、同じ期間であっても、国やエリア・学校によっても費用は全く異なります。)
気付いた人も多いと思いますが、「短い期間の留学の方が総額の費用は安い」ということは言えますが、1日当たりのコスパで考えてみると、実は「長期間の留学の方が安い」とも言えるんですね!
限られた予算でどうすれば高校留学できるの?
お金に余裕がある家庭であれば、どんな留学を選んでも費用の心配をすることはないと思いますが、我が家も含めて一般的な家庭で、留学費用を捻出するのは簡単なことではありませんよね。
「あまり裕福ではないんですが、どうすれば高校留学できますか?」という相談を本当に沢山いただくので、高校留学の費用を考えるための手順・ステップを3つに分けて説明したいと思います。
高校留学の費用を考えるステップ① 年間いくらまでなら用意できるか?
まずは、感覚的というか、抽象的に(漠然と)物事を考えるのを止めて、「具体的な数字」を挙げながら、現実的に考えていきましょう。
「中卒で働く」という人を除けば、ほとんどの人が日本の高校へ進学しますよね?
ということは、どの家庭でもある程度「高校からの教育費」については検討していると思いますし、決して多くはなくても「予算」があるはずです。
なので、「一体、年間いくらまでなら費用を用意できるのか?」を把握しましょう。
この記事を読んでいるのが中高生であれば、ご両親と向き合って相談しなければいけませんし、親の立場で読んでくれている人であれば、「いくらの教育費+生活費なら支払いが可能なのか?」を計算してみます。
この金額は各家庭によって違うと思うので、多い少ないは気にしなくても大丈夫です。「現実を把握する」ということからスタートするわけですね。
高校留学の費用を考えるステップ② 高校留学に必要な1年間の費用はいくらか?を把握する。
次に、子供たちが希望する「留学の種類」から、その留学でかかる費用について把握していきます。
ザックリとした目安金額は先ほどお伝えしましたが、実際には国や学校によって全く異なるため、ここはネット検索したり、留学エージェントに相談するなどして、おおよその目安金額を把握しましょう。
短期留学の場合は1年間の費用ではないので、その滞在期間における総額を調べると良いですね。
ここで一つ問題になることがあります。
そもそも高校留学を決めたわけじゃないという段階の人が、「具体的な学校を絞り込む」というのは、タイミング的にも早すぎて、「何が自分の希望なのか?」も分からない状態ですよね。
「卵が先か、鶏が先か」というような話になってしまい、ここで立ち止まってしまう人も多いんですね。
そういう人は、とりあえず先ほどお伝えした目安金額の最低金額を「仮の留学費用」としておいてもOKです。
少し選択肢に幅を持たせたいという人は、目安金額の中間くらいの金額を仮の費用としても良いですね。
高校留学の費用を考えるステップ③ 予算で足りない分をどう補うべきか?
おおよそ把握できた年間の留学費用について、ステップ①で計算した自分の家計の予算と見比べてみましょう。
多くの人にとっては、「予算オーバー」だと思います。(「予算内だった」という人は、この後の内容はすべて無視してもらって大丈夫ですよ!)
さて、予算オーバーしてしまった場合はどうするべきでしょうか?
最も簡単な解決方法は、「留学の種類を変更すること」です。
例えば、1年留学で私費留学を考えていた人が、予算が足りないという状況になっているのであれば、交換留学に変更するとか、半年未満の留学に変更するといった感じですね。
もちろん、これは「留学の目的」にも影響するので、簡単な話ではないと思います。
特に中高生の皆さんにとっては、「自分の希望する留学をしたい!」という思いが強いでしょうから、留学期間が短くなれば、当初の目的が達成できないということになるので、辛い決断になりますよね。
では、留学の種類を変更する以外に、何か良い方法はないのでしょうか?
ここからは「誰でも使える方法ではない」という前提でお話しますね。
最もシンプルな解決方法は、「人からお金を借りる」という方法です。
「人から」というのは、親戚(祖父母)や友人・知人という意味の他に、金融機関からの「借り入れ」という方法です。
他人からの借金というのは、かなりハードルが高いですよね・・・。
そうなると、最も現実的な方法は「金融機関からの借り入れ」です。
多くの信用金庫や銀行などで「教育ローン」というサービスを提供していますが、一番金利が安く借りられるのは、国(行政)がやっている「日本政策金融公庫」の海外留学ローンです。
事前の審査はありますが、海外留学の場合は、最大で450万円まで借りられます。(最長15年払いの低金利・固定金利で利用できます。)
これは毎月の返済金額で言うと、約3万円/月です。学生のアルバイトでも返済できる金額ですよね?
実はこの教育ローンを使うことができれば、一番費用のかかる「2年以上の卒業留学」が現実的なものになります。
極端な例を挙げると、「全く自己資金を使わない」という人であっても、海外の公立高校で比較的費用のかからない高校へ留学した場合、高1まで日本の高校に通って、高2から現地の高校へ編入し、2年間かけて卒業をするということが可能になります。
実際にこの方法で卒業留学をしている人は少なくありません。
もちろん、「借金する」ということは「返さなければならない」ということが前提ですから、二の足を踏む人もいるでしょう。
しかし、長く乗れない高級車を買うとか、世界旅行をしようというような、使えば消えて無くなるお金、つまり、「消費や浪費」とは違って、高校留学は「人生の投資」です。
親が少しずつ返していくという方法もあれば、子供が社会に出てから稼いだお金で返していくことだってできるわけですね。
あまり説明し過ぎると、「借金のススメ」みたいな話になってしまいそうですが、「無い袖は振れない」わけですし、「今、何が子供たちにとって一番大事な教育環境か?」という、本質的な問いに対して、人生を長い目で考えた時には、決して無謀な方法ではないと思います。
大学進学で必要なお金まで高校留学で使ってしまうことは本当に問題?
「持っているお金をすべて使って、しかも借金までして高校留学できたとしても、その後の進路で必要なお金はどうしたら良いんですか?」
という相談も少なくありません。
確かに、「高校留学がゴールで、その後は就職します!」という人を除けば、大抵の人は大学や専門学校などへの進学を考えているはずです。当然、お金も必要ですよね?
この問題については、皆さん一人一人が「どのような人生設計をシミュレーションしているか?」によって変わってきますから、正解はありません。
もし「希望する大学へ行くこと」を目標としている人がいれば、その大学へ行く費用がなくなってしまっては本末転倒ですね。
けれども、せっかく高校留学という選択肢について考え始めた皆さんなので、ここでもう一度「頭の中の交通整理」をしてみることをおすすめします。
これは「進路を変えよう!」とか、「夢を諦めよう」という話ではないですよ。ましてや、「お金を使い果たしても、高校留学すべき」というような話でもありません(笑)。
高校留学という選択肢は、これまでの皆さん(親も子も両方です)の教育システムの概念から、かなり外れた選択だと思います。
周りには留学を勧める先生もいなければ、実際に高校留学した経験があるという人もほとんどいない環境ですよね?
そんな中で「高校留学をする」ということは、すでに「規格外」なんです。
簡単に言えば、「他人と同じ道を歩かない」という選択をする「変わり者」なわけです。
僕のように留学経験があって、海外の学校を卒業したという人なら、何の問題もない自然なこととして受け入れられる選択ですが、多くの人にとっては不安ばかりが先に立ってしまいます。
「できるなら、ほんの少しだけ海外で揉まれて成長して、また日本に帰って来て、周りと同じレールに乗りたい(そうであって欲しい)」と考えてしまう人が多いんですね。
それが悪いという話ではなくて、「自分は何のために高校留学するのか?(させるのか?)」という根本的な目的を深く考えて欲しいんですね。
一生に一度しかない高校時代を、どこで過ごすのか?
何を学ぶのか?
誰と過ごすのか?
どんな経験を積み上げたいのか?
そのことを深く考えれば考えるほど、「じゃあ、卒業したらどんな人間になりたいのか?」「さらにどんな経験をして、どんな大人になりたいのか?」を考えることにつながります。
その時になって初めて、「大学は何のために行くのか?」も視野に入って来ます。
一般的な日本人の価値観からすると、「できれば高卒じゃなくて、大学を卒業して、少しでも名の知れた会社に就職する」というのが、多くの人が考える理想(?)なのかも知れません。
しかし、アメリカの大学を卒業して、日本社会で20年以上働いてきた僕の感覚からは少しズレています。
大学は学問を極めるために行くところであって、「学校歴」を求めて行くところじゃない。
大学は行く必要があると思った時に、「(年齢を問わず)いつでも行ける」ところ。
残念ながら、今の日本の環境は、まだまだ「昭和や平成の価値観」が根強く残っているので、ピンと来ない人が多いかも知れません。
しかし、インターネットが発達し、オンラインで人や情報が繋がれてきた時代です。
「何のために学ぶのか?」「どんな経験をして自分を磨きたいのか?」がもっともっと重要視される時代になり、「学校(大学)」という概念ですら変わっていこうとしているんですね。
18歳で大学へ進学したい人はすれば良いし、働きながらオンラインで学ぶという人がいても良いですよね。
僕のように20歳を超えてから海外の大学へチャレンジするという人がいたって全く問題ありません。
繰り返しになりますが、「高校留学する人は、すでに規格外の道を歩いている人」なんです。
話は随分逸れてしまいましたが、「高校留学で有り金をすべて使おう!」という話ではなくて、「自分は何のために留学をするのか?」から始まって、その先の「人生の歩き方」を考えた時に、「今、どれくらいの時間とお金をここで投資すべきか?」を家族みんなで話し合うきっかけにしてもらいたいというのが、僕の正直な思いです。
まとめ:「お金の問題」は人それぞれ。やむを得ず高校留学を諦めるという選択も必要な時がある。
ここまで「高校留学にかかる費用の問題とその考え方」について、色々とお話してきました。
「お金を借りたくても借りられない」という状況の人もいると思いますし、結果的に「高校留学を諦めなければいけなくなった」という人も出てくるでしょう。
特に未成年である中高生にとっては、「自分ではどうすることもできない現実」があって、心が折れそうになる人もいるかもしれませんね。
親の立場としても「応援できるものならしてあげたいけど・・・」と辛い告白をしなければいけないこともあります。
「お金の問題」というのは、解決できる場合とできない場合があるので、ここまでお話してきたことが、全く参考やヒントにならないということがあるのも重々理解しています。
けれども、どんな決断になったとしても、高校留学という選択肢について、家族みんなで前向き深く考えて議論したことが、今後の人生につながることは間違いありません。
いずれの結果になるにせよ、まずは「お金がないから留学できない(させられない)」と簡単に答えを出す前に、様々な角度から高校留学の選択肢を知ってもらって、さらにその先にある進路や人生の歩き方について考えて、納得のいく選択をしてもらえたら良いなと願っています。
個別のお悩みや相談にもLINE@で無料でお答えしています。ぜひ、気軽にメッセージくださいね。
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