
「高校留学には行かせてあげたい。でも、その後の大学進学の費用が心配…。」
ご相談の中でも、とくに多いのがこのお悩みです。
高校留学は、たしかに安い選択ではありません。
けれども、「家計全体の中で、教育費をどう配分するか」という視点を持つと、ただ「高い・安い」だけではない、現実的な選択肢が見えてきます。
このページでは、
1)我が家は年間どれくらい教育費をかけられるのか
2)希望する留学にはいくら必要なのか
3)その差をどう埋めるか
という 3つのステップで、一緒に考えていきます。
「無理をしてでも行かせる」
「お金がないから諦める」
その二択ではない、第3の選び方を一緒に探してみませんか。
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高校留学のお金が不安…その前に整理しておきたいこと
高校留学のお金の話になると、
- ざっくり「高そう」というイメージだけが先に立つ
- 「留学にお金を使ったら、大学に行けなくなるのでは?」と心配になる
こんな「漠然とした不安」が、親御さん・中高生のどちらにもあります。
でも、まずやるべきことは、
感覚ではなく「数字」で現実を把握する
「高校~大学までの教育費」を長いスパンで見てみる
この2つだけです。
そのために、この記事では次の3ステップで考えていきます。
ステップ① 年間いくらまでなら教育費をかけられるか?
ステップ② 希望する高校留学の1年間の費用はいくらか?
ステップ③ 足りない分をどう補うか?(留学の種類・期間、奨学金・教育ローン)
高校留学の費用はどれくらい?種類・期間別の目安
まずは「そもそも高校留学って、どれくらいお金がかかるの?」という疑問から整理しましょう。
※この記事では、学費+滞在費をUS1ドル=150円前後 のレートで計算した概算です。
航空券・保険・お小遣いなどは含みません。
為替によって変動するので、最新レートで換算してください。
高校留学と一口に言っても、期間やプログラムによって費用は大きく変わります。
- 1ヶ月未満の短期留学語学学校・ホームステイ・サマースクールなど
40〜100万円程度 - 3ヶ月〜半年のターム留学(体験留学)現地高校での授業+ホームステイなど
120〜180万円程度 - 1年間の交換留学(公立高校)
200〜250万円程度 - 1年間の私費留学(公立高校)
300〜450万円程度 - 1年間の私費留学(私立・ボーディングスクール)
500〜800万円程度(それ以上の学校もあり) - 2年以上の卒業留学(正規留学)
上記の年間費用 × 在籍年数が基本のイメージ
同じ「1年間の高校留学」でも、
- 国・地域(カナダ・アメリカ・ニュージーランドなど)
- 公立か私立か
- 寮かホームステイか
- エージェントの手数料
によって、総額は大きく変わってきます。
💡高校留学の費用の基礎は、こちらの記事も参考にしてください。
💡為替レートによっては、こちらの記事も参考にしてください。

限られた予算で高校留学を考える3つのステップ
ステップ① 年間いくらまでなら教育費をかけられるか整理する
まずは、「我が家は年間いくらまでなら教育費+生活費を支払えるのか?」を数字で把握しましょう。
- なんとなく「お金がない気がする…」
- なんとなく「ギリギリだけど頑張れば…?」
という「なんとなく」から、一度離れるのが大事です。
中高生の皆さんがこの記事を読んでいるなら、必ずご両親と一緒に相談してください。
親御さんの立場で読んでくださっているなら、
- 今後の家計の見通し
- すでに想定している高校・大学までの教育費
- 生活費や住宅ローンとのバランス
などをざっくりで良いので出してみてください。
ここで大切なのは、
「多い/少ない」を気にするのではなく、まず“現実を知る”ところからスタートする
ということです。
ステップ② 希望する高校留学の1年間の費用を把握する
次に、「どんな高校留学をしたいのか」をイメージしながら、その費用を調べていきます。
期間:
短期/ターム留学/1年間/卒業留学
行きたい国:
カナダ・アメリカ・ニュージーランドなど
公立か私立か
寮かホームステイか
これらによって、必要な費用は変わります。
とはいえ、まだ留学を決めたわけでもない段階で「具体的な学校を1校に絞り込む」のは、正直かなりハードルが高いですよね。
そんなときは、
- 先ほどの費用一覧の「最低ライン」を仮の金額にする
- ある程度幅を持たせて「中央値」を仮の費用にする
など、「仮の数字」で構いません。
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ステップ③ 足りない分をどう補うか考える
ステップ①・②で、
- 「年間の予算」
- 「希望する留学に必要な費用」
がおおよそ見えてきたら、その差をどう埋めるかを考えます。
多くのご家庭では、最初はどうしても「予算オーバー」になりがちです。
そのときの選択肢は大きく分けて3つあります。
1. 留学の種類や期間を調整する
一番シンプルなのは、
1年の私費留学 → 交換留学に変更
卒業留学 → まずは1年留学
1年 → ターム留学にしてみる
など、留学の「形」や「長さ」を変える ことです。
もちろん、これは留学の目的や、得たい経験の濃さにも直結するため、簡単な決断ではありません。
ただし、
「期間を少し短くしてでも、
高校のうちに海外で生活する経験を持たせたい」
という価値観も、1つの正解です。
2. 奨学金を活用する
もう1つの方法は、返済不要/給付型の奨学金を含めて、情報を集めることです。
- 自治体や民間財団の奨学金
- 学校や団体が独自に行っている助成
- 将来の大学進学も見据えた奨学金制度
など、少し調べるだけでも、選択肢は意外とあります。
💡奨学金の種類や最新情報は、日本学生支援機構(JASSO)の『留学のための奨学金』ページも参考になります。
3. 教育ローンを検討する
それでもなお、自己資金と奨学金だけでは足りない場合、教育ローンをどう考えるかというテーマが出てきます。
中でも、
- 銀行や信金などの教育ローン
- 国(行政)が行っている教育ローン
などが代表的です。
特に、日本政策金融公庫の「国の教育ローン・海外留学資金」は、海外留学にも使える公的ローンとして代表的な選択肢です。
ここで大事なのは、
高校留学は「消費」ではなく、
その子の人生への“投資”だ
という視点を持てるかどうか
です。
親御さんが少しずつ返済する方法もあれば、将来、子ども本人が社会に出てから返済していく方法など、「家族としてどう向き合うか」を話し合うきっかけにもなります。
高校留学と大学進学、両立させるための「ものさし」を持つ
「高校留学でお金を使い切ってしまったら、大学に行くお金が無くなりませんか?」
という相談も、本当によく頂きます。
もちろん、
「どうしても行きたい大学が明確にある」
「その大学に行くことが将来の目標に直結している」
という場合、大学進学資金がゼロになってしまうのは本末転倒です。
けれども、高校留学という選択肢について考え始めた皆さんには、一度立ち止まって、こんな問いも投げかけたいと思っています。
一生に一度しかない高校時代をどこで過ごしたいか?
どんな学びや経験を積み重ねたいか?
その経験を経て、どんな大人になりたいのか?
この順番で考えていくと、
「大学は何のために行くのか?」
「今すぐ行く必要があるのか?」
という問いも、自然と見えてきます。
インターネットやオンライン教育が当たり前になった今、
- 18歳で大学に行く人
- 一度働いてから、学び直しとして大学や専門学校に進む人
- 海外大学・オンライン大学を選ぶ人
など、学びのルートはどんどん多様化しています。
高校留学を考えるということは、すでに「周りと同じレール」から、一歩外に出ようとしているということです。
だからこそ、
「高校留学にどれくらい投資するのが、うちの子にとってベストか」を家族でじっくり対話しながら決めていくこと
が一番大事なポイントだと感じています。
まとめ:「お金がないから無理」と決めつける前にできること
ここまで、
- 高校留学の費用の目安
- 家計の年間予算との付き合い方
- 奨学金・教育ローンという選択肢
- 大学進学とのバランスの考え方
についてお話してきました。
現実として、
「どう頑張っても、今回は高校留学は難しい」という結論になるご家庭
条件や期間を変えれば、高校留学に挑戦できるご家庭
どちらのケースもあります。
大切なのは、
「お金がないから、はい終わり」ではなく、
できる限りの情報と選択肢を知ったうえで、家族として納得できる決断をすること
だと思っています。
この記事を読んで「もっと具体的に相談したい」と思ったら
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