この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

英語も成績も自信がない。
それでもニュージーランドなら、高校留学できるの?
欠席が多かった時期や、不登校の時期があっても大丈夫?
保護者の方から、本当によくいただく質問です。
先に、僕の考えをお伝えしますね。
ニュージーランドは、英語力・成績・出席日数に不安がある中高生にとって、チャンスの多い国です。
留学生を受け入れるかどうかを学校ごとに決めるので、過去の数字だけでなく、「これからどうしたいか」を見てくれる学校が少なくないからです。
ただ、正直にお伝えしておきたいこともあります。
「入学できる」ことと、「現地でやっていける」ことは別の話です。
英語力ゼロでカナダに渡った娘のエリンは、こう話しています。
私は英語力ゼロで飛び込んで、毎日泣きました。でも、事前に「何を学ぶか」を知っていれば、その涙は半分に減らせたはずです
エリン
僕は2023年2月に2週間かけてニュージーランドの学校を回り、2025年11月にはエリンが北島の学校を15校、自分の目で見てきました。
この記事では、パンフレットだけでは分からないことも交えて、ニュージーランドの高校留学の3つのメリットと、正直に伝えておきたい注意点、そして日本にいるうちにできる準備をお伝えします。


ニュージーランドの高校留学 3つのメリット
メリット① 英語力・成績・出席日数に合わせて、学校を選びやすい
カナダでは、留学生の受け入れを学区(教育委員会)がまとめて決めるのが基本です。
一方、ニュージーランドでは、学校ごとに受け入れを決めます。
そのため、A校では「今回は難しい」と言われても、B校では「この子なら、サポートしながら受け入れたい」となることが、現実に起こります。
たとえば、こんな中高生をイメージしてみてください。
✔ 英語は中学校レベル。長文や英作文は、まだまだ苦手
✔ 成績は、オール3くらい
✔ 日本の学校では、欠席が多い時期があった
国や学校によっては、書類の段階で「厳しい」と言われることもあります。
でもニュージーランドには、「これから、ちゃんと通えるか」「学校生活を続ける意欲があるか」「サポートがあれば、伸びていけそうか」を見てくれる学校が少なくありません。
とはいえ、どの学校でもOKというわけではありません。
日本の学校の成績表は、出願のときに見られます。
学校によっては成績表を重視して、1や2があると入学を認めないところもあります。
目安としては、評定平均が3以上あれば、多くの場合は問題ありません。
英語の試験のスコアは、必ずしも求められるわけではありませんが、学校によって違います。
欠席が多かった場合は、「なぜ欠席が多かったのか」と「これから、どう頑張りたいのか」を自分の言葉で説明できることが大切です。
そして何より、現地で同じことを繰り返さない覚悟が必要です。
くわしくは「不登校でも高校留学できる?失敗しないために知っておくべき5つのポイント」と、noteの「日本の学校が合わなかっただけ。不登校で悩む皆さんに知ってほしい、我が子が“笑顔”を取り戻すための環境選び」で書いています。
メリット② 国のルールで、留学生が守られている
ニュージーランドには、留学生を受け入れる学校が必ず守らなければならない国のルール(Code of Practice)があります。
これに登録していない学校は、そもそも留学生を受け入れられません。
学校には、身体と心の安全を守ること、学習面・生活面をサポートすること、ホームステイなどの住まいが安心して過ごせる環境であることなどが義務づけられています。
学校がこれを守っていないと感じたときは、国の機関(NZQA)に相談や苦情を申し立てることもできます。
「誰かの善意」ではなく、国の仕組みとして、留学生が守られているんです。
治安の面でも、国の平和度・治安を数字にした「世界平和度指数」の2026年版で、ニュージーランドは世界2位(日本は10位)でした(Global Peace Index 2026)。
この「国が守る仕組み」については、noteの「ニュージーランド留学の魅力。留学生を国が守る「世界最高水準」の安全な留学先」でも書いています。
メリット③ 一発勝負のテストがない、コツコツ型の学び
ニュージーランドの高校は、NCEAという国の評価制度で動いています。
ふだんの授業の課題やレポート、プレゼンでの評価と、学年末(11月〜12月)の全国統一の試験を組み合わせて、単位をコツコツ積み上げていく仕組みです。
日本のように、たまたま体調が悪かった一日の試験で、未来が決まってしまうことはありません。
学年は、成績ではなく年齢で上がっていきます。
取りこぼした単位も、翌年の科目の取り方で取り直せることが多く、「やり直しがきく」のも日本との大きな違いです。
英語が苦手なうちは、留学生向けの英語の授業(ESOL)で基礎を固めながら、得意な数学や実技の科目で単位を取っていくこともできます。
「テスト本番には弱いけれど、真面目にコツコツ取り組むのは得意」。
そんなタイプの子には、とても合っている仕組みだと思います。
そのうえで、卒業後の進路も選べる
ニュージーランドの高校を卒業して、NCEAの一番上のレベルと大学入学資格(UE)を取ると、ニュージーランドやオーストラリア、イギリスなどの大学に出願できます。
日本の大学に進む場合は、帰国生入試や総合型選抜を使う道があります。
ただ、帰国生入試の募集は「若干名」のところが多く、「帰国生だから有利」とは言い切れなくなってきました。
問われるのは、留学で何をつかんで帰ってきたか、です。
卒業までの留学については「卒業留学(正規留学)とは?海外の高校を卒業するメリット・デメリットと費用・進路」で詳しく書いています。
正直に伝えたい、ニュージーランドの注意点
いいことばかりではありません。
ニュージーランドを選ぶ前に、知っておいてほしいことがあります。
注意① 「入学できる」と「やっていける」は別。
英検準2級や2級を持っていても、現地ではほぼ全員が「聞き取れない、話せない」という壁にぶつかります。受け入れが手厚いことは、「楽をさせてくれる」という意味ではありません。
注意② 自由度が高いぶん、自分で計画しないと単位が足りなくなる。
必修の縛りが少なく、科目を選ぶ自由があります。そのぶん、本人のやる気と計画性が、そのまま結果に出ます。
注意③ 評価の仕組みが、切り替わる途中。
NCEAは、2028年に11年生(Year 11)、2029年に12年生、2030年に13年生と、学年ごとに新しい資格に切り替わることが決まっています。2024年からは、どのレベルの資格を取るにも、読み書きと計算の基礎の単位が必要になりました。
注意④ 授業料だけ見ると、安く見えることがある。
学校に払う1年間の費用は約326万〜429万円が目安ですが、現地の医療保険・空港送迎・後見人費・滞在手配料・制服・課外活動などが別立てで、合わせて年間数万〜40万円ほどかかります(2026年10月時点)
注意⑤ 学年の始まりが、日本とずれる。
南半球なので、学年は1月末〜2月初めに始まります(2027年は1月28日〜2月3日のあいだ)。4月や7月のタームから途中で入ることもできますが、日本の3月の卒業とのつなぎ方を考えておく必要があります。
注意⑥ 学校が何百校もあり、情報が少ない学校も多い。
費用や受け入れの条件をホームページに載せていない学校も多く、自分たちだけで比べて選ぶのは、正直とても大変です。
注意⑦ 日本人のコミュニティが小さい。
英語の環境に飛び込まざるを得ないのは良いことです。そのかわり、刺激を求めるタイプの子は、「退屈」と感じる時期があるかもしれません。
2028年からの切り替えについては、ニュージーランド教育省の発表に詳しく載っています。
出願のときに、学校に確認しておくと安心です。
評価の仕組みと大学進学への道は、noteの「【全5回でわかるNZ公立高校留学】第3回:ニュージーランドの高校の成績評価の仕組みと「大学進学」への道(2026年最新版)」でも書いています。
ニュージーランドの高校に「偏差値」や「ランキング」はある?
「ニュージーランド 高校 偏差値」と検索する方もいるので、お答えしますね。
ニュージーランドの高校に、日本のような偏差値はありません。
ネットで、学校ごとの「decile(ディサイル)」という1〜10の数字を見かけることがあります。
これは学校の教育の質ではなく、地域の社会経済的な状況をもとに、国の補助金を配るための指標でした。
そして、2023年1月に廃止されています(ニュージーランド教育省)。
今も古い情報が残っているので、気をつけてください。
ランキングや数字が教えてくれるのは、その学校が「うちの子に合うかどうか」ではありません。
やりたい科目があるか、留学生のサポートがどれだけ手厚いか、街の雰囲気が合いそうか。
「いい学校」の基準は、お子さんの目的の中にあります。
現地の先生に言われた、日本人留学生の「本当の課題」
2023年2月にニュージーランドの学校を回ったとき、ある先生から、こんな話を聞きました。
日本人の最大の問題は、英語力ではない。なんとか伝えようとする態度がないことだ。黙っている子は、放っておくしかない
ニュージーランドの高校の先生
ドキッとしますよね。
でも、これは裏を返せば、英語がつたなくても、伝えようとする子は必ず助けてもらえるということです。
ニュージーランドの先生や人々は、とても穏やかで、失敗しても笑って受け止めてくれます。
そのやさしさを生かせるかどうかは、自分から一歩踏み出せるかどうかにかかっています。
2025年11月に北島の学校を見て回ったエリンは、こんな感想を話していました。
✔ 英語はイギリス英語の影響があるけれど、違いは「関西弁と標準語」くらい。すぐに慣れる
✔ どこにいても海が近くて、時間がゆっくり流れている
✔ 公立校でも建物がきれいで、選択科目も豊富。取る科目の数がカナダより少なく、先生も生徒も余裕がある
✔ 落ち着いた、まっすぐな子が多い
そしてエリンは、日本での毎日が忙しすぎる子や、一度立ち止まって考えたい子、心を休ませてから再スタートしたい子に、ニュージーランドを勧めたいと話していました。
🎧 ニュージーランドの学校のことは、エリンとPodcastでも話しています
- Podcast 第131回:エリン、NZを初訪問!カナダとの違いは?
- Podcast 第134回:カナダやニュージーランドは英語力が低くても大丈夫!というのは本当?
日本にいるうちにできる3つの準備
準備① 英語「を」学ぶから、英語「で」学ぶへ
単語や文法の基礎を固めることは、もちろん大切です。
でもそれ以上に、現地の教科書が「何を語っているか」を知っておくこと。
たとえば、数学の文章題を英語で読んでみる、ニュージーランドの先住民マオリの文化を日本語で読んでおく。
そして、「あなたはどう思う?」と聞かれたときに、まずは日本語で答えられるようにしておくことです。
英語の準備の考え方は「英語が苦手でも高校留学できる?不安な人のための国選びと準備ガイド」と「高校留学に必要な英語力の目安とは?誰も教えてくれない準備と勉強法」にまとめています。
出発前に「英語で学ぶ」練習をしておきたい人には、エリンが作った「高校留学準備レッスンSLEEK」もあります。
準備② 自分の気持ちを、言葉にしておく
なぜ留学したいのか。
何に興味があるのか。
どんな自分になれたら、うれしいのか。
日本語でも英語でもいいので、少しずつ言葉にしておくと、出願の書類や面談、ホームステイでの会話が、ぐっと楽になります。
準備③ 家族で、じっくり話す
子どもは何が不安なのか。
親はどこが心配なのか。
帰国のタイミングや、その後の進路をどう考えているのか。
お互いの本音を、少しずつでも言葉にしておくことが、「行ってよかった」と思える留学の土台になります。
親子で話してほしい3つの問い
なぜ、ニュージーランドがいいと思った?
日本の学校でうまくいかなかったことは、環境が変われば変わりそう?
ニュージーランドで、どんな自分になりたい?
そして最後は、「あなたはどうしたい?」。
「とりあえず日本から離れたい」だけでは、どの国に行っても、同じ壁にぶつかります。
でも、「環境を変えて、もう一度やり直したい」という気持ちがあるなら、ニュージーランドは、その気持ちに応えてくれる国です。
カナダとも迷っている方は「カナダの高校留学がなぜ最も人気があるの?5つの理由を教えます!」を、留学そのものが合うか気になる方は「高校留学はやめた方が良い?親が知っておきたい「向いてないタイプ」の5つの特徴」も読んでみてください。
カナダとニュージーランドを6つの視点で並べて比べたい方は「高校留学はカナダ?ニュージーランド?迷ったときに比べたい6つの違い(BC州・マニトバ州・NZ)」を、ニュージーランドの公立高校1年間の費用の内訳は「高校留学の費用は1年間でいくら?カナダ・NZ公立高校の内訳と支払いの流れ」をご覧ください。
まとめ:「これから」を伸ばしたい子に、チャンスが大きい国
- 学校ごとに受け入れを決めるので、英語力・成績・出席日数に不安があってもチャンスがある
- 国のルール(Code of Practice)で、留学生が守られている
- 一発勝負のテストがなく、コツコツ型の子に合う。ただし評価の仕組みは2028年から切り替わる
- 「入学できる」と「やっていける」は別。英語「で」学ぶ準備が大切
- 偏差値はなく、decileも廃止。「いい学校」の基準は、お子さんの目的の中にある
「うちの子に、ニュージーランドは合う?」「欠席や成績のことを、正直に相談したい」。
そんな段階でも、気軽に相談してください。
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