この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

海外の学校の授業って、日本と何が違うんですか?
全部英語で勉強して、日本に帰ってきたときに通用するんでしょうか…
高校留学を考え始めた中高生や親御さんから、とてもよく聞く疑問です。
日本とまったく同じなら、わざわざ留学する意味がない。
でも、まったく違うなら「それって大丈夫?」「進路に悪影響はないの?」と心配になりますよね。
先に、結論をお伝えしますね。
学ぶ知識の中身に、大きな違いはありません。海外の高校の単位や卒業資格で、進学が不利になることもありません。違うのは「学びの質」です。覚えた答えを書く授業ではなく、「あなたはどう思う?」から始まる授業。その違いに価値を感じられるかどうかが、留学を考えるときの大きなポイントです。
まずは、海外の高校の教室を、ちょっとのぞいてみましょう。

「えっ、自分の教室がないの?」
日本の高校の授業を、思い浮かべてみてください。
黒板に向かって、机がきれいに一列に並んでいる。
チャイムが鳴るのを自分の席で待って、先生が入ってきたら、起立・礼。
僕たちにとっては、これが学校の「当たり前」ですよね。
でも、カナダやニュージーランドの高校に一歩足を踏み入れると、この当たり前がひっくり返ります。
先生の部屋に、生徒が移動する
まず、生徒の決まった教室(ホームルーム)がありません。
先生一人ひとりに自分の部屋があって、チャイムが鳴るたびに、生徒が次の授業の部屋へ移動していきます。
日本の大学をイメージすると、分かりやすいと思います。
先生の部屋なので、壁には先生の趣味のポスター。
ソファが置いてあったり、コーヒーメーカーまであったりします(笑)
机は、前を向いていない
教室に入ると、さらに驚くのが机の並びです。
4〜5人で机をくっつけて「島」を作っていたり、大きなU字に並べていたり。
教室の隅のクッションや床に座って、ノートパソコンを開いている生徒もいます。
どうして、こんな並べ方をしていると思いますか?
答えは、授業が「先生の話を静かにノートに写す時間」ではなく、「生徒同士で意見を交わす時間」として作られているからです。
すぐに話し合えるように、最初からお互いの顔が見える並びになっているんですね。
先生も生徒も、とにかくよくしゃべる
先生は、黒板に答えを書いて終わり、ということをしません。
「このテーマについて、あなたはどう思う?」
「なぜ、そう考えたの?」
生徒も、「僕はこう思う!」「いや、それは違うんじゃない?」と、どんどん口に出します。
静かにノートを取っているだけの生徒は、どんなに真面目でも「授業に参加していない」と見られてしまうことがあります。
先生は「正解を教える人」ではなく、
生徒の考えを引き出す「進行役」。
学ぶ「中身」は、日本とほとんど同じ
ここまで読むと、「そんなに自由で、ちゃんと勉強になるの?」と思った方もいるかもしれません。
安心してください。
日本では、小学校から中学校までの義務教育で、読み書き、計算、自然の法則、社会の成り立ちやルールなど、社会で生きていくために欠かせない知識を学びますよね。
これは、海外でも同じです。
国によって歴史や文化、価値観の違いはあります。
でも、「自分の国の子どもたちに何を学ばせるか」は、それぞれの国が法律などで定めています。
僕はこれまで、いろんな国の教科書や授業を見てきました。
そこで思うのは、基礎の知識については、特別に大きな違いはないということです。
「留学すると、一般教養が劣ってしまうのでは?」という心配は、いりません。
海外の高校で取った単位や資格は、日本でも世界でも認めてもらえます。
では、何が違うのか。
違うのは「学びの質」。日本の学校との3つの違い
いちばん大きな違いは、「経験できることの幅と濃さ」です。
同じことを学ぶにしても、頭と体の両方を使って、経験として学べることが多い。
それが、海外の学校の特徴です。
日本の学校と比べると、こんな違いがあります。
答え
日本の学校
先生が教えた答えを、覚える
海外の学校
「あなたはどう思う?」自分で考えて、人に伝える
授業
日本の学校
先生の話を聞いて、ノートに写す
海外の学校
グループで話し合い、意見をぶつけ合う
学ぶこと
日本の学校
教科の知識が中心
海外の学校
お金や料理、洗濯など「生きる力」も学ぶ
時間割
日本の学校
みんな同じ時間割
海外の学校
たくさんの科目から、自分で選んで組む
ひとつずつ、見ていきましょう。
違い① 答えは、教わるものではなく、自分で考えるもの
たとえば、歴史の授業。
日本なら、「何年に、誰が、何をしたか」を学んで、それを覚えることが中心になります。
海外の授業では、こんな質問が出されます。
その出来事に、どんな意味があったと思いますか?
もしあなたがその人の立場だったら、どう考えて、どう行動したと思いますか?
もちろん、正解はありません。
大事なのは、覚えることより、「自分がどう考えたかを、人に伝えること」です。
物ごとを鵜呑みにせず、いろんな角度から考える力(クリティカル・シンキング)を、小学生のころから育てていきます。
自分の意見を言うだけでなく、ほかの人の考えをしっかり理解することも求められます。
海外の人が、テレビや映画で堂々と話している姿を見たことがありますよね。
あれは国民性というより、こうした教育を小さいころから受けてきた結果のひとつなんだと思います。
「正解はどうでもいい。あなたはどう思う?」
娘のエリンが、カナダの高校で最初に面食らったのも、先生の問いかけ方でした。
ネットの答えや正解はどうでもいいから、
あなた自身はどう思うの?
ほかの子とまったく違う意見が出ても、先生は否定しません。
「なんでそう考えたの?」と、むしろ面白がって深掘りしてくれます。
でも、日本の学校で育ったエリンには、それが簡単ではありませんでした。
友達からは、こう言われたそうです。
エリンは、結局どっちなの?
いつも「Me too」ばっかりで、コピーロボットみたい。
周りの空気を読んで合わせるのが、当たり前だと思っていた。
それが、ここでは「意見がない」と受け取られる。
自分の意見を英語でうまく言えなくて、よく泣いていました。
それでも、周りの生徒たちは、完璧じゃないエリンをこう受け止めてくれました。
それも、彼女の一部でしょ。面白いじゃん!
違いを面白がってくれる文化に触れたとき、気づくことがあります。
「人と比べなくていいんだ」
「失敗だらけの、ありのままの自分でいいんだ」
エリンが変わっていったのも、そこからでした。
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ネットの内容をきれいにまとめたら、C評価。社会のテストで31点。そこからエリンが伸びていった話と、日本と海外の「成績のものさし」の違いは、こちらに書いています。
違い② 「生きる力」を、高校で学ぶ
教育の大きな目標のひとつに、「よく生きる」という考え方があります。
知識を覚えたり、筋道を立てて考えたりするだけではありません。
今の社会で生きていくのに欠かせないことを、幅広く学ぶ機会が多いんです。
たとえば、「お金」のこと。
税金のしくみや株式投資、ローンのしくみまで、生徒が自分で調べます。
そして、「自分だったら、どうやって家を買う?」といったテーマを掘り下げていきます。
料理、掃除、洗濯、服の修繕といった家庭科の授業も充実していて、男女関係なく、すぐに生活で使える力を身につけられます。
日本なら、専門の高校や専門学校で学ぶようなこと。
それが海外では、「人として自立するために必要な学び」として、どの学校に行っても学べるんです。
エリンも、定員がいっぱいだった料理のクラスに、自分から先生にお願いして入れてもらいました。
違い③ 自分の「好き」と「向き不向き」を、高校のうちに試せる
「やりたいことが分からないんです」
そう話してくれる中高生は、本当に多いです。
でも、それって本当に、その子のせいでしょうか?
僕たち日本人は、「専門的なことは、大学や社会に出てから学ぶもの」という感覚で進路を考えます。
だから、やりたいことが分からないまま、学校選びだけが先に来てしまうことが多いんですね。
海外の学校には、たくさんの選択科目や課外活動、職場体験のプログラムがあります。
プログラミング、映像制作、ロボット作り。
興味があれば、1学期から1年以上かけて学ぶことができます。
大学や専門学校に進む前に、「これは自分に向いているかな?」を、自分で確かめられるんです。
学校の外でも、地域のボランティアや企業のインターンシップで、実際に働きながら自分の「好き」を探すこともできます。
日本の学校が「日替わり定食」なら、
海外の学校は「ビュッフェ」。
日替わり定食は、出されたものを食べればいい。
ビュッフェは、自分で選ばないと、お皿に何も乗りません。
「やりたいことがない」のは、その子に何もないからではありません。
選ぶ練習を、してこなかっただけなんです。
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エリンも、学校にインターナショナル・クラブをゼロから立ち上げて、50人のメンバーを引っぱっていました。
海外の高校の、進路の授業を紹介している動画があります。
「進路に悪影響はない?」への答え
では、いちばん気になる進路の話です。
学歴(卒業資格を含めて)で、進学が有利になったり不利になったりすることはありません。
海外で現地の教育を受けるのは、本当に勇気がいる、大きなチャレンジです。
でも、それがその後の進路や人生にプラスになることはあっても、悪い影響を与えることはあり得ないと、僕は確信しています。
それでも、「進路で損をするかも」というモヤモヤが消えないのは、自然なことです。
そのモヤモヤの正体は、だいたいこの4つです。
1 学力:日本の勉強が遅れそう
2 情報:何が正しい情報なのか分からない
3 制度:学年や単位の扱いがややこしそう
4 周りの理解:学校の先生や家族が納得してくれなさそう
自分(わが子)はどれがいちばん不安なのかが分かると、やることが見えてきます。
たとえば、1年留学して日本の高校に戻る場合、進級や単位の扱いは、今通っている学校によって違います。
ネットで探して一人で想像するより、学校の先生に確認するのがいちばんの近道です。
海外の高校を卒業するまで行く場合は、日本の大学にも海外の大学にも、進学の選択肢が広がります。
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違いを知っておくと、準備が変わる
日本の「静かに聞く授業」に慣れてきた子が、いきなり発言中心の教室に入ると、最初は必ず戸惑います。
ニュージーランドの高校を視察したとき、現地の先生から、こんな話を聞きました。
日本人のいちばんの問題は、英語力ではなく、
なんとか伝えようとする姿勢がないこと。
黙っている子は、「分かっている」か「やる気がない」と受け取られます。
反対に、聞きに来る子には、先生はいくらでも時間を割いてくれます。
英語が完璧である必要はないんです。
必要なのは、「分からない」と言えることと、「自分はこう思う」を伝えようとすることです。
だからこそ、日本にいる今から、できることがあります。
おうちの会話で、ときどき聞いてみてください。
あなたはどう思う? それは、なぜ?
答えを先に言わずに、子どもの言葉を待って、受け止める。
それだけで、海外の教室に入ったときの戸惑いは、ずいぶん変わります。
エリンが作った留学準備講座「SLEEK」では、発言のタイミングや質問のしかたなど、海外の授業の受け方を、渡航前に練習します。
まとめ:違いを「怖さ」ではなく「価値」として見る
- 学ぶ知識の中身は、日本とほとんど同じ。一般教養が劣る心配はいらない
- 海外の高校の単位や卒業資格で、進学が不利になることはない
- 違うのは「学びの質」。経験できることの幅と濃さ
- 答えを覚えるのではなく、「あなたはどう思う?」に自分の言葉で答える
- お金や料理など、「生きる力」も高校で学ぶ
- 選択科目や課外活動で、自分の「好き」と「向き不向き」を試せる
- 準備で大切なのは、「分からない」と言えることと、自分の考えを伝えようとすること
日本の学校が悪くて、海外の学校がいい、という話ではありません。
違いを知ったうえで、「この学び方を、わが子に経験させたいか」。
それを親子で話し合ってみてください。
「うちの子に、この授業スタイルが合うのか分からない」
「進路のことを、もう少し具体的に聞きたい」
そんなときは、一人で抱え込まずに、気軽に相談してください。
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