この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

言葉が通じない海外で、いじめられたり、差別されたりしたらどうしよう…
年頃の子だから、親の知らないところで何かあっても、気づけないかもしれない。
留学を考える中高生や親御さんから、こうした不安の声は本当によく届きます。
ニュースやSNSで、海外の差別に関するショッキングな話を目にすることもありますよね。
親元を離れた知らない場所で、子どもが深く傷つくのではないか。
心配になるのは、ごく自然なことです。
先に、結論をお伝えしますね。
現地の生徒からのいじめや差別は、必要以上に怖がらなくて大丈夫です。
僕とエリンがこれまで関わってきた数千人の留学生から、そういう話はほとんど聞きません。
ただ、トラブルがゼロなわけではありません。意外と起きやすいのは「日本人留学生同士」。
そして、嫌な思いをしたときにいちばん大切なのは、日本の「我慢」を手放して、言葉にすることです。

現地の生徒からのいじめや差別は「ほとんど聞かない」
まず、いじめそのものについて、正直にお話しします。
いじめは、日本にも海外にもあります。
中身にも、大きな違いはありません。
しかも、いじめの件数は正確には分かっていないのが現実です。
調査に出てくるのは、先生やカウンセラーに相談があった場合か、アンケートで答えた場合だけ。
「誰にも言えずに我慢している」子の数は、数字に出てきません。
そのうえで、エリンと僕がこれまで関わってきた数千人の留学生から聞いてきたことで言うと、留学生が現地の生徒からいじめや差別を受けたという話は、ほとんど聞いたことがありません。
「海外=差別がある」というのは、思い込みの部分も大きいのかもしれません。
なぜ、ほとんど起きないのか
理由は、大きく3つあります。
① まず仲良くなるのは、世界中から来た留学生
日本人留学生は、いきなり現地の生徒のグループに一人で入っていくより、同じように言葉の壁と闘っている留学生同士で仲良くなることが圧倒的に多いです。
お互いの気持ちが分かる者同士で、誰かを傷つける余裕なんて、正直ありません(笑)
② 深く付き合うのは、数人の友達
現地の生徒と友達になるときも、日本の文化に興味を持って優しくしてくれる数人と、深い関係を作るのが一般的です。
学校の中で限られた友達と濃い時間を過ごすので、知らない生徒から狙われる確率そのものが、とても低いんです。
③ ホームルームがなく、差別にとても敏感
海外の学校の多くには、日本のような「いつも一緒のクラス」がありません。
科目ごとに教室を移動して、顔ぶれも入れ替わります。
そして、差別発言やいじめにとても敏感で、授業でもくり返し指導しています。
悪意を持って暴言を浴びせれば、退学などの厳しい処分があることを、生徒たちはよく知っています。
自分の将来を棒に振ってまで、留学生を攻撃する人は、ほとんどいないというのが現実なんですね。
意外な落とし穴:トラブルが起きやすいのは「日本人同士」
「じゃあ、人間関係のトラブルはまったくないの?」
そう思いますよね。
実は、少し意外なところで揉めごとが起きることがあります。
現地の生徒とではなく、日本人留学生同士です。
なぜ、わざわざ海外まで行って、日本人同士で?
慣れない海外の生活では、誰もが言葉や文化の違いで、目に見えない大きなストレスを抱えています。
そんなとき、日本語で話せる日本人同士で固まると、言葉に不自由しない分、遠慮がなくなって「素の自分」が出やすくなるんです。
たまったストレスのはけ口を、同じ日本人に向けてしまう。
その結果、狭い日本人の輪の中で派閥のようなグループができたり、ちょっとした言葉のすれ違いから仲間外れが起きたり、という話はときどき耳にします。
海外の人を必要以上に警戒するより、
身近な日本人同士の距離感に気をつける方が大切。
日本人の友達と仲良くすること自体は、悪いことではありません。
つらいときに日本語で話せる相手がいるのは、大きな支えにもなります。
ただ、その輪の中だけで過ごさないこと。
それが、現地で心を安定させるコツなんです。
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留学先での友達のつくり方と、英語で言いたいことが言えないときのことは、こちらに書いています。
もし嫌な思いをしたら:「我慢」は美徳じゃない
人が集まる場所である以上、日本人同士でも海外の人とでも、人間関係の摩擦が「絶対にゼロ」とは言えません。
文化の違いからくるすれ違いで、相手の何気ないひと言に傷つくこともあります。
ここで、どうしても覚えておいてほしいことがあります。
「波風を立てないように、我慢する」という日本の感覚は、海外では通用しません。
日本では、嫌なことをされても「自分が耐えれば、そのうち収まる」「空気を読んで、笑ってごまかそう」と考えてしまう人が少なくありません。
でも海外で、嫌なことをされて黙っていたり、愛想笑いをしていたりすると、
「この人は、これをされてもOKな人なんだ」
と受け取られてしまうんです。
「自分は外国人だから、仕方ない」と、不当な扱いを受け入れる必要はまったくありません。
「No」と言うこと。
「嫌だった」と大人に伝えること。
それは告げ口でも逃げでもなく、自分を守る正当な行動です。
出発前に決めておく「困ったら、まず誰に言うか」
深く傷ついたとき、人は頭が真っ白になって固まってしまいます。
「自分が何か悪いことをしたのかな?」と、自分を責めてしまいがちです。
そうなってから「誰に相談しよう」と考えるのは、とてもしんどいですよね。
だから、日本にいる今のうちに、「もしものときに、まず誰に言うか」を決めておいてください。
✔ 家の中で困ったら、まずホストマザー(ホストファザー)に言う
✔ 学校で人間関係に悩んだら、留学生担当の先生(コーディネーター)のところへ行く
✔ 言いにくいことは、エージェントの担当者に相談する
ルートが決まっていれば、いざというときに「とにかく、あの人に言おう」と、体が自然に動きます。
「絶対に安全」と無防備でいるより、「もしものときはここに行けばいい」という場所を持っておく方が、心にずっと大きな余裕が生まれます。
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現地で頼れる大人のこと、先生に相談しやすい関係の作り方は、こちらに書いています。
保護者の方へ:子どもから「嫌なことがあった」と聞いたら
もし、留学中の子どもから「嫌なことを言われた」と連絡が来たら。
親としては、すぐにでも何とかしてあげたくなりますよね。
学校に連絡しようか、相手の親に言ってもらおうか…と。
でも、親がまずすることは、一つだけです。
アドバイスより先に、
子どもの話をそのまま受け止めること。
「それは嫌だったね」
「話してくれて、ありがとう」
そのうえで、「ホストマザーや、学校の先生には言えた?」と、現地の大人につなぐ方向で背中を押してあげてください。
日本から親が直接動くより、現地の生活を分かっている大人の方が、ずっと早く、正しく動けます。
そして、子どもが「自分の口で、助けを求められた」という経験そのものが、海外で生きていく大きな力になるんです。
まとめ:怖がりすぎず、「言葉にする力」を持って行く
- 現地の生徒からのいじめや差別は、ほとんど聞かない(留学生同士で仲良くなる・深く付き合うのは数人・差別にとても敏感な学校)
- 意外と起きやすいのは、日本人留学生同士のトラブル
- 嫌な思いをしたら、我慢しない。「No」と言い、大人に伝えるのは正当な行動
- 「困ったら、まず誰に言うか」を、出発前に決めておく
- 親は、アドバイスより先に受け止めて、現地の大人につなぐ
人間関係のもめごとがあったとしても、それさえも、日本ではできない経験です。
国が違う、考え方が違う人と、どう付き合っていくか。
それを10代で学べることは、きっと大きな成長につながります。
「うちの子の性格で、いざというときにSOSを出せるかな?」
「日本人同士のトラブルに巻き込まれないか心配」
そんな不安があれば、一人で抱え込まずに、気軽に相談してください。
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