この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

うちの子はおとなしくて積極的じゃないから、留学なんて向いていないですよね…?
自分は人見知りで、日本でも友達が少ない。海外なんて絶対に無理かも…
親御さんからも、中高生のみなさん本人からも、本当によくいただくご相談です。
ここで一つ、聞いてみたいと思います。「留学に向いている性格」って、どんな性格だと思いますか?
明るくて、誰とでもすぐ仲良くなれて、物おじしない子。そんなイメージが浮かんだかもしれませんね。
結論を先に言いますね。
高校留学の向き不向きは、「性格」では決まりません。おとなしくても、人見知りでも、心配性でも、留学先で大きく伸びていく子はたくさんいます。
「じゃあ、誰でも留学したほうがいいの?」と聞かれたら、僕の答えは「NO」です。では、何で決まるのか? 一緒に考えていきましょう。
問題は「おとなしい性格」ではなく「発信しない姿勢」
日本では、人の話をよく聞き、周りに合わせられる人が「素直でいい子」と言われますよね。
ところが、一歩海外へ出ると、その感覚はまったく通用しません。海外では、こう受け取られてしまうんです。
- 話さない = 考えていない
- 行動しない = やりたくない
ちょっとドキッとしましたか?
僕がニュージーランドの学校を視察したとき、現地の先生がこんなことを話してくれました。「日本人の生徒のいちばんの問題は、英語力ではない。なんとか伝えようとする態度がないこと。黙っている子は、放っておくしかない」。
つまり、問題なのは「おとなしい」という性格そのものではありません。「自分から伝えようとしない」という姿勢なんですね。そして姿勢は、性格と違って、今日から変えられます。
実は、エリンも「おとなしい子」だと思われていた
娘のエリンの話をさせてください。
留学したばかりの頃、エリンは英語でうまく話せず、言いたいことが言えない毎日でした。日本にいる僕たちに、電話でこう言って泣いたことがあります。
本当はそんな子じゃないのに、おとなしい子だと思われるのがイヤ
そんなとき、僕がエリンに返していた言葉があります。
「いい経験してるじゃん! その経験をしたくて留学したんでしょ? 最高じゃん」
突き放したかったわけではありません。壁にぶつかっていること自体が、留学の価値だと思っていたからです。
友達からは「エリンは結局どっちなの?」「いつもMe tooばかりで、コピーロボットみたい」と言われたこともありました。周りに合わせること、空気を読むことが、海外では「自分がない」と見られてしまう。エリンは、そこで初めて気づいたんです。
でも、そこからエリンは少しずつ変わっていきました。いきなりおしゃべりになったわけではありません。社会科のある課題で、ネットや本の内容をきれいにまとめて出したら、先生にC評価をつけられて「君の意見がどこにもない」と言われた。そこから、正解を探すのをやめて、自分の意見を言葉にするようになっていったんです。最後には、学校でインターナショナル・クラブをゼロから立ち上げるまでになりました。
性格が変わったのでしょうか? 僕は、そうは思いません。変わったのは、「困ったときに、自分から動く」という行動なんですね。
性格ごとに考えてみよう
では、よく相談される性格ごとに、どう考えればいいかを見てみましょう。
① 内向的・人見知り
無理に明るく振る舞う必要はありません。大事なのは、話し上手になることより、まず聞き上手になること。相手の話を一生懸命聞いて、短くても反応を返す。それだけで、相手との距離は縮まっていきます。
もう一つのおすすめは、友達より先に先生と仲良くなることです。授業の後に挨拶する、分からないところを聞きに行く。エリンも「友達に期待するより、先生と仲良くなった方がいい」と話しています。
人見知りの子が、最初の1〜3か月の孤独をどう乗り越えるか。友達ができる子がやっている5つのことは、「高校留学で友達はできる?最初の1〜3か月の孤独を乗り越える方法」にまとめています。
② 心配性
心配性は、裏を返せば「準備ができる人」です。漠然と「向いていないかも」と思う前に、何が不安なのかを言葉にしてみてください。
- 「自分から話しかけられなくて、一人ぼっちになるのが怖い」
- 「授業についていけなかったらどうしよう」
不安の正体が見えれば、準備の仕方も見えてきます。
③ マイペース
周りに流されず、自分のペースで考えられるのは、海外ではむしろ強みになります。海外の高校は、日本のように「クラス全員が同じ時間割で、同じ授業を受ける」仕組みではありません。一人ひとりが、自分の興味や得意・不得意に合わせて科目を選び、時間割をつくっていくんです。
国によって、学校の雰囲気も違います。エリンはニュージーランドの学校を視察したあと、時間がゆっくり流れていて落ち着いた子が多いこと、だから日本が忙しすぎる子や、立ち止まって考えたい子に勧めたいことを話していました(「ニュージーランドの高校留学とは?これだけは知っておくべき基礎知識」)。

伸びていく留学生に共通する3つのこと
では、性格に関係なく、留学先で伸びていく子には何が共通しているのでしょうか。僕がたくさんの留学生を見てきて感じるのは、この3つです。
- 困ったときに、自分から助けを求められる(海外では、周りが察して声をかけてくれることはほとんど期待できません)
- うまくいかなかったとき、「じゃあ次はどうしよう?」と切り替えられる(人や環境のせいにしない)
- 挨拶・返事・「ありがとう」が言える(留学先では、助けるより助けられることの方が多いからこそ)
どうでしょう? どれも、生まれ持った性格ではなく、行動の話ですよね。逆に、留学がうまくいかないときに出てくる行動のサインは、「高校留学はやめた方が良い?親が知っておきたい「向いてないタイプ」の5つの特徴」で詳しく書いています。
今日からできる「準備と習慣」
「自分から動くなんて、やっぱりハードルが高い…」と感じましたか? 大丈夫です。これは才能ではなく、日本にいる今からでも身につけられる習慣なんです。
① 毎日、自分から挨拶をする
「おはよう」「ありがとう」。世界中どこでも通じる、コミュニケーションの基本中の基本です。
② 「できない理由」を探すのをやめて、「どうしたい?」を考える
「自信がないから話しかけられない」ではなく、「友達を作るために、自分からどう話しかけよう?」と考えてみる。考え方の癖が変わると、行動が変わります。
③ お守り代わりの「困ったときのひと言」を作っておく
いざというとき、これだけは言える、という言葉を今のうちに用意しておきましょう。
もう少しゆっくり話してくれませんか?
ここが分からなくて困っています。助けてもらえますか?
自分から助けを求める姿勢があれば、言葉の壁があっても、周りの人はきっと手を差し伸べてくれます。こうした「現地で困らないための準備」は、エリンが作った留学準備レッスン「SLEEK」でも練習できます。
親御さんへ:性格で「向いていない」と決めつける前に
親御さんにも、一つお願いがあります。「うちの子はおとなしいから」と、親が先に答えを出してしまわないでほしいんです。
我が家では、やる前から「できない理由」を言うのはご法度でした。エリンが迷ったとき、僕が返してきた言葉はいつも同じです。
「あなたは、どうしたい?」
性格を決めつけるのではなく、本人に問いかけてみてください。子どもから留学したいと言われたときの親の気持ちの整理については「子どもから「高校留学したい」と言われた親御さんへ|反対する前に整理したいこと」、留学中の親の関わり方については「親が英語を話せなくても、子どもの高校留学は支えられる?“通訳”より大切な親の役割」、成績の不安については「成績が“普通”でも高校留学はできる?日本と海外の「成績のものさし」の違いと、本当に大切なこと」でも書いています。
まとめ:向き不向きを決めるのは、性格ではなく行動
- 高校留学の向き不向きは、性格では決まらない
- 問題は「おとなしい」ことではなく「伝えようとしない」こと。姿勢は今日から変えられる
- 伸びていく子に共通するのは、助けを求める・切り替える・挨拶ができること
- 親は性格で決めつけず、「あなたはどうしたい?」と問いかける
最初の質問に戻りますね。「留学に向いている性格」って、どんな性格だと思いますか?
答えは、「どんな性格でもいい」です。大切なのは、その性格のまま、困ったときに一歩動けるかどうかなんですね。
「うちの子の性格で、本当に大丈夫?」「自分はこんな性格だけど、留学できるかな?」。そんなときは、一人で悩まずに気軽に相談してください。
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留学に向いていない5つのタイプや、友達づくり、先生との関わり方も1冊にまとめています。書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』

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