この記事を書いた「留学パパ」はこんな人です。

中2の頃から不登校です。それでも、高校留学はできますか?
今の学校に戻っても、また同じになる気がする。環境ごと変えたい
留学が「今の状況から逃げるため」になっていないか、親として心配です
LINE無料相談には、こんな相談がたくさん届きます。お子さん本人からも、保護者の方からもです。
先に、答えをお伝えしますね。不登校でも、高校留学はできます。「日本でどんな状況であったとしても、海外で一からやり直せる」。この事実を知らない人が、ほとんどなんです。
たとえば、中学校までは出席日数の半分くらいしか登校できなかった子が、高校からニュージーランドに留学して卒業し、今は日本の大学に通っています。高1の途中で受験一辺倒の勉強に違和感を感じて学校に行けなくなった子が、高2からカナダに留学して2年で卒業し、そのままカナダの大学に進んでいます。
ただし、「行けば何とかなる」わけではありません。この記事では、不登校や欠席が多い人が高校留学を考えるときに、失敗を減らすために知っておいてほしい5つのポイントを、正直にお伝えします。


ポイント① 「離れたい」は、逃げじゃない
文部科学省の調査では、2024年度に学校を長く休んだ(不登校の)生徒は、中学生で約21万6千人、高校生で約6万8千人にのぼります(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」)。決して、あなたやお子さんだけではありません。
学校に行けなくなったのは、心が壊れる前に出したSOSだと、僕は思っています。植物がうまく育たないとき、僕たちは種を責めたりしませんよね。日の当たる場所に移したり、土を変えたりするはずです。変えるべきはお子さんではなく、今いる「環境」なのかもしれません。
だから、「今の場所から離れたい」という気持ちは、それだけでダメなことではありません。
ただ、ひとつだけ大事なことがあります。離れたあとに、何をしたいか。目の前のつらさから楽になることだけが目的だと、場所が変わっても、また同じ壁にぶつかります。反対に、「向こうでこれをやってみたい」という小さな目的が一つでもあれば、留学は「逃げ」ではなく「選択」になります。大きな夢でなくていいんです。
「逃げ」か「選択」かを分けるのは、離れる理由ではなく、離れた先で何をしたいか
保護者の方にお願いしたいのは、留学の話をする前に、まずお子さんの気持ちを聞くことです。「何がしんどかった?」「環境が変わったら、何をしてみたい?」。答えを急がずに、聞いてあげてください。「逃げか、選択か」の考え方は、「高校留学はやめた方が良い?親が知っておきたい「向いてないタイプ」の5つの特徴」にも書いています。
不登校とお子さんの「環境」については、noteの「日本の学校が合わなかっただけ。不登校で悩む皆さんに知ってほしい、我が子が“笑顔”を取り戻すための環境選び」(2026年5月25日)でも書きました。
🎧 「学校に行きたくない」気持ちと留学について、エリンとPodcastでも話しています
- Podcast 第43回(2024年3月19日):「(日本の)学校に行きたくない!」という人が高校留学すると何が変わる?
- Podcast 第103回(2025年5月13日):高校留学は「今の学校に行きたくない!」という人の救世主!?
- Podcast 第128回(2025年11月4日):高校留学は不登校問題の救世主になる!?
- Podcast 第171回(2026年9月1日):もう日本の高校やめます!実行したら人生が変わった話
あわせて読みたい
「離れたい」から始まった留学が、「逃げ」で終わるか「選択」になるか。その分かれ目については、20歳で専門学校を中退してアメリカへ渡った留学パパ自身の話と一緒に、こちらに書いています。
ポイント② 欠席日数より、「理由」と「これから」が見られる
「不登校だと、やっぱり不利ですよね…?」。これも、よくいただく質問です。
正直にお伝えすると、海外の学校に出願するとき、欠席日数は見られます。ただ、それ以上に大事なのは「どういう理由で休んでいたか」です。学校がいちばん知りたいのは、「この生徒は、うちの学校に来て、きちんと通う意欲があるか」だからです。
- 病気やケガが理由の場合:治っていること、または今の状態で学校生活が送れることを、医師の書類などで説明できることが大切です。治療が続いている場合は、入学の許可が出にくいこともあります
- 心のしんどさが理由の場合:「どうして休まざるを得なかったか」と、「これからどう考えて、どう努力したいか」を、自分の言葉で伝える必要があります
- いじめなど人間関係が理由の場合:相手が悪いことは理解してもらえます。それでも、「自分はその問題とどう向き合って、どう変えていきたいか」は大事に見られます
そして、学校を休んでいた期間に、家で頑張っていたことがあれば、それも伝えてください。英語の勉強でも、好きなことへの取り組みでも構いません。
出願で伝えたいのは、「なぜ休んだか」「今どうなっているか」「これからどうしたいか」の3つ
欠席が多くても、その理由とこれからの意志が伝われば、「この子なら大丈夫」と安心してもらえることは十分にあります。過去の欠席日数は変えられませんが、伝え方とこれからは、今から変えられます。
欠席日数だけでなく、今の成績が出願でどう見られるかは、「成績が“普通”でも高校留学はできる?日本と海外の「成績のものさし」の違いと、本当に大切なこと」で書いています。
ポイント③ 国や学校によって、受け入れは違う
不登校だった生徒を受け入れるかどうかは、最初から決まった基準があるわけではなく、国や学校によって考え方が違います。
| 受け入れの考え方 | |
|---|---|
| 短期留学(数週間〜3か月未満) | 単位を出さないプログラムが多く、欠席の理由まで細かく問われないことがほとんど。「まずは海外の学校の雰囲気を体験したい」なら選びやすい |
| 長期・卒業留学(私立) | アメリカやイギリスのように私立しか選べない国は、特にハードルが高い。カナダやNZでも、私立は欠席の多い生徒の受け入れに慎重なことが多い |
| 長期・卒業留学(公立) | 国・州・学区・学校によって方針が大きく違う。比較的受け入れてもらいやすい可能性があるのが、ニュージーランドとカナダの公立高校 |
- ニュージーランド:学校ごとに受け入れを判断するので、比較的柔軟な学校もあります。ただし「どこでもOK」ではなく、これまでの状況を丁寧に説明することが前提です
- カナダ:州や学区(教育委員会)ごとに独自の基準があります。条件がゆるめの学区もありますが、選べる幅はニュージーランドほど広くありません
ニュージーランドの公立高校については、「英語力や成績に不安でも大丈夫?ニュージーランド公立高校留学3つのメリット」にくわしく書いています。不登校とニュージーランドについては、こちらの動画でも話しています。
「ここしかありません」と言われたら
学校に行けない状態が続くと、「早く次を決めなきゃ」と焦って、わらにもすがる思いで留学エージェントに駆け込みたくなります。でも、エージェントは「駆け込み寺」ではなく、留学を仲介する会社です。不安なときほど、こんな言葉に気をつけてください。
- 「不登校の生徒を受け入れてくれる学校は、ここしかありません」
- 「トラブルに備えて、高額な安心サポートのオプションは必須です」
- 「うちは不登校の生徒専門なので、安心してください」
受け入れてくれる学校が限られているのは事実です。でも、「その会社でなければ行けない」事情があるわけではありません。むしろ、特定の国や学校にばかり送っていたり、高額なオプションをつけていたりして、選択肢が狭いのに費用だけ高くなることもあります。
また、受け入れる学校が限られるということは、同じような事情を持つ生徒がその学校に集まりやすい、ということでもあります。それ自体は悪いことではありませんが、「自分はどんな環境で学びたいのか」は、事前に考えておいてください。
エージェントを選ぶときに見てほしいことは、「高校留学エージェント選びの基礎知識|失敗しないために親が知っておきたいポイント」にまとめています。
ポイント④ 準備の期間を、どう過ごすか
高校留学の準備には、国や学校を選ぶ、書類をそろえる、英語の勉強をするなど、どうしても数か月以上かかります。その間をどう過ごすかで、行ける学校の幅が変わります。
いちばんいいのは、留学先が決まるまで、行ける範囲で今の学校に通い続けること
海外の学校や教育委員会は、欠席日数について日本よりずっと厳しく見ます。「毎日は無理でも、行ける日は行く」「保健室や別室でもいい」。今できる形で、学校とのつながりを残しておくことが、あとで大きな助けになります。
それでも、今の学校にどうしても通えない。欠席日数だけが増えていくのは避けたい。そんなときの現実的な方法が、通信制高校に移って、在籍を続けながら留学の準備を進めることです。通信制にもそれぞれ特徴があり、単位の扱いや費用などで気をつけることもあるので、僕は「どうしても難しいときの方法」と考えています。
すでに高校生で、「今の学校をやめて留学したい」と考えている人は、「高1で中退して高校留学・編入したい人へ|知っておくべき3つのポイント」と「高2で中退して高校留学したい人へ「ベストなタイミングと注意点」」も読んでみてください。
家で過ごす時間が長い人は、小さなことで構わないので、「毎日続けられること」を一つ作ってみてください。決まった時間に起きる、英語の動画を1本見る、好きなことを少し進める。出願のときに「休んでいた間、これをやっていました」と言えることは、それだけで力になります。
英語に不安がある人は「英語が苦手でも高校留学できる?不安な人のための国選びと準備ガイド」、費用が気になる人は「費用から逆算!どのくらいの予算で、どんな高校留学ができるの?」もあわせてどうぞ。「今の状況じゃ無理」と思ったときに読んでほしいことは、noteの「不登校でも海外留学はできる?「今の状況じゃ無理」と諦める前に知っておきたいこと」(2026年3月18日)にも書いています。
実際に不登校を経験して留学した人の体験記も、参考になります。「不登校高校生がアメリカに行ったら人生が変わった話」、「習慣が変わったら人生が変わった【大瀧さんの場合】」(中学〜高校で不登校を経験し、ニュージーランドに1年半留学して大学へ進学した方の記事)。
ポイント⑤ 行ったら「休まない」覚悟と、「助けて」と言える力
最後に、僕がいちばんお伝えしたいことです。物理的に留学できるかどうかより、もっと大事なことがあります。それは、渡航したあと、休まずに学校に通い続ける覚悟です。
海外の学校では、正当な理由のない欠席が続くと、何度か指導を受けたあと、退学になることがあります。この点は、日本の学校よりずっと厳しいと思っていてください。
そして、海外に行っても、勉強は地道で大変です。人間関係で悩むことも、ホームシックや言葉の壁にぶつかることもあります。言葉も通じず、知っている人もいない場所での挑戦は、想像以上のストレスがかかります。
だからこそ大事なのが、つらいときに「助けて」と言える力です。現地の学校には留学生担当のカウンセラーがいて、滞在先にもコーディネーターがいます。一人で抱え込まずに、誰に、どうやって助けを求めるか。それを出発前に親子で決めておくと、いざというときに動けます。
「自分は人見知りだから、助けてなんて言えない」と感じた人は、「うちの子に高校留学は向いている?内向的・人見知り・心配性…性格で決める前に知ってほしいこと」も読んでみてください。助けを求める力は、性格ではなく、今日から練習できる行動です。
行ってすぐの頃に友達ができず、孤独を感じるのは、不登校の経験があるかどうかに関係なく、ほとんどの留学生が通る道です。最初の1〜3か月の乗り越え方は、「高校留学で友達はできる?最初の1〜3か月の孤独を乗り越える方法」にまとめています。
娘のエリンも、カナダに行ってすぐの頃は英語がほとんど聞き取れず、学校帰りのバスで一人で泣いたことがあります。それでも、学校には通い続けました。泣いた日の話は、こちらの動画でエリン本人が話しています。

さきほど紹介した、不登校から留学した子たちも、渡航後はほとんど休むことなく、現地の学校を卒業しました。環境が合っていたこともありますが、それ以上に「本気で頑張ろう」という強い意志がありました。
途中でつまずいたときのことが心配な方は、「英語が得意じゃない子が高校留学して「挫折したら?」親が本当に知っておきたい現実と備え」も読んでみてください。
親子で話してほしい3つの問い
今の学校で、いちばんしんどかったことは何?
環境が変わったら、何をしてみたい?
向こうでつらくなったら、誰に・どうやって「助けて」と言う?
すぐに答えが出なくても大丈夫です。言葉にしようとすること自体が、「逃げ」を「選択」に変える最初の一歩になります。そして最後に、「あなたはどうしたい?」。その答えを、お子さん自身の言葉で聞かせてもらってください。
まとめ:不登校の経験を、新しいスタートにつなげるために
- 「離れたい」は逃げじゃない。大事なのは、離れた先で何をしたいか
- 欠席日数より、「理由」と「これから」が見られる
- 受け入れは国や学校で違う。軸はニュージーランドとカナダの公立高校
- 準備の間は、行ける範囲で今の学校とのつながりを残す
- 行ったら休まない覚悟と、「助けて」と言える力を持つ
不登校や学校を休みがちな状況には、一人ひとり違う背景があります。この記事の内容が、すべての人に当てはまるわけではないことも、僕はよく分かっています。それでも、思い立ったときが、新しいスタートラインです。過去の欠席日数は変えられませんが、「これからどう生きるか」は、今から変えていけます。
「うちの子の場合は、どう考えたらいい?」「今の状況でも、可能性はある?」。そんな段階でも、気軽に相談してください。「いくつか話を聞いて、かえって迷ってしまった」「まずは急がずに、じっくり整理したい」という方も、安心してどうぞ。無理な押し付けや、留学ありきの話は一切しません。
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不登校からの留学の3つの留意点も、親子で話し合うときのポイントも、1冊にまとめています。書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』

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